最期の初恋

また…来世で…！

ｸﾞｼｬｯ

昔から、人前で全く話さない人で、いじめられやすかった

小中といじめられ、高校では絶対にいじめられたくなかったから

必死で勉強して、みんなが来れないような高校に入学した

でも、いくら頭のいい高校でもいじめは起きて

理不尽な理由でいじめられた

人？！

今までここに人なんて来なかったのに…

先輩…？

同級生じゃないなら、とりあえず大丈夫…？

なに？この人

初対面の後輩の顔わしづかみして…

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

購買のパン…？

わざわざ…？

初めてだ

僕の話を聞こうとしてくれる人

話してみても…いいのかな

全て、とまではいかないけれどある程度のことを話した

小中といじめられていたこと

この高校でもいじめられていること

不良のことも、痣が絶えないっていう理由でいわれたけど

全部ここの生徒に殴られているから痣が絶えないということ

否定することを諦めたこと

なんか、胸がキュッとなるような…？

「また」って言ってくれた…

桃先輩…好きだなぁ

あれ？

あれ？なんで僕こんなこと聞いて…

付き合ってるんだ

何で僕、泣きそうなんだろ…

付き合ってる…か…

好きなんだな

それも、出会って二日目なのに

抜け出せないくらいに

でも、諦めるしかない

桃先輩は青先輩と付き合ってるんだもん

殴られるのかな

痛いから嫌だなぁ

いっそ無視して帰ろうかな

キレて、次の日勢いで僕のこと○してくれたらいいのに

最悪だ

不本意だったとはいえ、見られた

犯されそうだったのもそうだけど

あいつらに直接いじめられてるとこ

桃先輩には見られたくなかった

先輩が、笑ってる

でも、この笑顔は僕のものじゃない

僕の前で笑わないでください、先輩

勘違いしてしまいそうで、怖いです

先輩はいつだって別れ際に「また」って言ってくれる

それがこんなに嬉しいだなんて

あれからも、いじめられている

暴言であったり、暴力であったり

でも、なぜか毎回桃先輩が来て助けてくれる

あいつらも懲りないよねw

だけど、もうそれもお終い

今日が最期の日

今日は、胸が苦しくない

ほんと…“これくらい”一人でやればいいのに

なんで桃先輩呼んじゃったかなw

先輩は、毎回、「また」って言ってくれた

僕は一回も言ったことないのに

先輩は、僕が危ないとき、毎回来てくれた

彼女を置いたまま

また…来世で…！

ｸﾞｼｬｯ

ｷｬｰ！人が！！

誰か！救急車を！！

あのあと、救急車やパトカーが来た

俺もその場にいた人として事情聴取をされた

でも、当時の俺は言葉がでず、なにを話したのか、話せたのかも覚えていない

救急車で搬送された黄は、○んでいた

黄の○体は、肩の荷が降りたような

そんな顔だったらしい

そして、手には手紙が握られていたらしい

桃先輩へ この手紙、読めますか？ 落ちる瞬間まで手で握ってたのでくしゃくしゃじゃないですか？ そんなことはどうでもよくて、桃先輩、ごめんなさい。 トラウマを植え付けるようなことして。 許されるようなことではないっていうのはわかってます。 でも、最期は桃先輩と話していたかったんです。 桃先輩は、僕の憧れの先輩で、最初で最期の初恋の人です。 初恋が桃先輩でよかったです。 短い人生が、桃先輩が居たってだけで充実した人生に変わりました。 ありがとうございました。 あーあ、付き合ってるってわかってもすぐに諦めなければ良かったかなぁw なんてね 僕は、来世でまた桃先輩と出会うので、それまで青先輩と仲良くしててくださいね！ また、会いましょう。 貴方の後輩　黄より

今、俺は高校を卒業して、社会人になった

青との交際も続いて、同棲までしている

黄のことは今でも心残りがある

もっとしてやれたのかもしれない

逆に、なにもしなければよかったのかもしれない

でも、実際、これでよかったんだと思う

黄、みてるか？

それとも、もうこっちにいるか？

どちらにせよ、俺らは待ってるからな

いつかまた、黄に会えるのを

～end～