月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
注意!! ・地雷さんは今すぐUターン! ・青黒が付き合ってます(しれっと同棲済) ・nmmn ・ご本人様方とは何も関係のないフィクションです ・口調&キャラ崩壊あり ・通報❌
月見。
黒
もぞ、とベッドの上で身動きし、ぶんぶんと腕を動かしスマホを探す。
見つけ出したスマホを見れば時間はいつも通り。少しずつ開くようになって来た目を擦り、くぁとあくびを一つ溢した。
朝飯、作るか。
ぐっと背伸びをして、まだ夢の中であろう彼の方へと視線を向けた。
黒
ぽつりと呟いた声が、部屋の中に取り残される。
そこに、彼の姿は無かった。
青
黒
鼻歌を歌い、何やら上機嫌な彼はキッチンに立っていた。
見慣れない光景に、なんだか夢を見ているみたいだとぼんやりリビングの入り口に立ち尽くしていると、まろがふっと視線を上げて俺を見た。
彼としっかり目が合い、思わずびくっと体が揺れた。俺を認識したまろの表情がぱぁっと明るくなる。
青
黒
青
黒
にこにこと嬉しそうに笑っているまろに、不思議な気持ちが収まらない。
だって、まろは「寝れるなら寝れるだけ寝たい!!」タイプだし、朝はいつも俺が起こしている。
だから朝飯だって、いつも俺が作っていた。
それがなんで急に、俺よりも先に起きて、しかもいつもしない料理まで。
青
黒
まろに促され、俺は椅子に座った。
青
黒
唐突にぶん投げられた話に、思わず反応が遅れた。
黒
自分の予定把握能力を一瞬疑ったが、まろがすぐに違う違う!と否定してきた。
青
黒
青
それにしてもなんでここを選んだんや。いつもみたいにないこハウスでええやん。
あ、と言うことは。
黒
極端に汚れていたりする訳ではないが、まろは掃除嫌いだし、俺も案外面倒臭がるから、偶に服が出しっ放しだったり、読みかけの本がその辺に積まれていたりと、結構生活感が溢れていたりする。
あいつらが来るから綺麗にしないと、と気を使っているのではなく、いじられるのを防ぐ為だ。まろにき部屋きたな〜い!と騒ぎ出すいむしょーに更に部屋を荒らされるのは目に見えている。
青
黒
またもや予想外の言葉に間抜けな声が漏れる。
バッとソファがある方を見れば、確かに昨日までソファにべーんとかけられていた脱ぎかけの上着は無いし、テーブルの上に散乱していた本も無い。ゴミ出しに行ってくれたのか、大きくなったゴミ袋も姿を消していた。
青
黒
青
料理を運んで来たまろが、依然上機嫌で俺の向かいの席に座った。
青
黒
青
まろが作った料理を食べながら、言葉にし難い感情が俺の胸に居座っていた。
料理は美味しい。文句無しだ。
・・・こんなの、作れたんか、まろ。
決して彼の料理能力を疑っていたとか、そういうことじゃない。
ただ────
黒
この胸に渦巻く気持ちは、なんなんだろうか。
ソワソワして、落ち着かない。上手く表せない。
美味しい筈の料理にも、上手く集中することが出来なかった。
白
水
赤
桃
黒
桃
黒
ないこが俺を・・・否、俺達を見て苦笑する。その視線は、後ろから抱きつき俺の肩に顎を置くまろに向かっていた。こんなんいつものことやけどな。
水
赤
青
桃
四人増えたこともあるが、やっぱり六人揃うと一気に賑やかになるな。二人でも中々充実しとるのに、六人なんてもう退屈なすら感じない。
メンバー達と過ごす安心感と心地良さを感じながら、俺は時計を見た。もうすぐ12時だ。
黒
白
桃
黒
そう言って立ち上がる。が、
桃
黒
赤
水
白
青
水
青
桃
手に持ったビニール袋をガサガサと揺らしながら、キッチンへと歩いて行く四人を呆気に取られながら見送る。
今まで、こんなこと一度も無かったのに。
青
黒
唐突に大きな声を上げるまろに、思わずビクリと体を震わせた。まろ声でかいんよ。
青
黒
颯爽とリビングを出て行ったまろは、何やら袋を持って戻って来た。
青
黒
青
満面の笑みを浮かべるまろに、戸惑いながらも受け取った袋へ視線を向けた。
そっとその中に手を入れれば、何やら固いものが入っている。
ガサ、と音を立てて物を取り出す。中から出て来たのは、
黒
青
黒
今千円札あったかな。なんて思いながら、財布を取る為に部屋へ行こうとすると、まろに止められた。
青
黒
青
黒
白
赤
まろや初兎の言葉に、黙り込んで手元のCDを見る。最近別のことに少しお金を使っていたから、あんまりぽんぽんお金を出せないと、今回のこの予約限定特典が付くCDは諦めようとしていたのだ。
返そうとしても多分受け取ってくれないだろう。いやでも、なんだか申し訳無い。
ガッシャーン‼︎
水
ぐるぐると迷っていた俺の耳に届いたのは、キッチンからの大きな物音と叫び声。
桃
白
赤
どうやらほとけが早速やらかしたらしい。やっぱりな、と思いながらもキッチンに向かおうとすると、まろが立ち上がった。
青
黒
青
水
桃
水
白
赤
青
赤
青
賑やかなキッチン。すぐ隣のリビングに居て、同じ空間に居る筈なのに。
その明るい空間から、一人ぽつんと取り残されてしまったかのようだった。
桃
青
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白
赤
桃
青
赤
桃
白
青
水
黒
しまった。ぼーっとしていた。
ぽかんと口を開ける俺に、ほとけはにぱっと笑顔を浮かべた。
水
黒
白
赤
白
桃
黒
頼りすぎないように
その言葉が、胸に引っかかって離れなかった。
四人は今日泊まって行くらしい。
夜になり、風呂から上がり、肩にタオルをかけた状態でリビングに行けば、まろがドライヤーを持って待ち構えていた。
黒
ドライヤーの風と彼の優しい手付きに、心地良さを感じる。
青
黒
青
黒
いつもまろが起きる時間どころか、俺が起きる時間よりも早くに起きていたんだから。そりゃ眠いよなぁ。
黒
青
黒
明日は俺が作るからゆっくり寝とってな、と言おうとした瞬間に飛んで来たその言葉に、俺は言葉を失う。
青
黒
青
黒
青
黒
青
俺は、斜め下を向いたまま黙っていた。髪を下ろしていることもあり、顔に髪がかかって表情はまろに見えていない。
黙り込んでいる俺を心配したまろが、ドライヤーを置き、顔を覗き込んで来た。
・・・そして、固まる。
青
黒
滲んだ視界で、まろの表情に焦りが浮かんだのが分かった。
それでもボロボロと溢れる涙を止めることは、俺には出来なかった。
青
黒
違う。まろに非は無い。何も悪いことなんてしてない。
そう伝えたくて、俺は必死に首を横に振る。
じゃあなんで、と問いかけてくるまろに、震えた声を吐き出した。
黒
いつもはしない早起きで朝飯を作ったり、嫌いな掃除までしたり、昼飯を作ると申し出たり、他にも、沢山。
黒
青
黒
青
黒
“今度はあにきに頼りすぎないように”
あの時のほとけの言葉が、いつまでも頭の中に居座っていた。
俺が居なくても、大丈夫になろうとしてるってこと?俺は、もう要らんの?必要無いん?
みんなの、まろの優しさが怖い。今の幸せは、この後の絶望の為にあるのではと、俺の恐怖心が顔を出す。
黒
胸を荒らす不安に、美味しい料理も、欲しかったCDも、メンバーの頼もしい発言も、上手く喜べなかった。
黒
こんなにも情け無く泣いてしまう自分なんて、嫌だろうな。
でも、どうか、どうか。
黒
ギュッと目を瞑って懇願する。まろの顔を見ることなんて出来なかった。
どうせ傷付くなら、幸せなんて覚えたくない。
青
青
黒
怒声に近い大声に、ビクッと体を震わせた。
青
黒
青
力強い否定。瞬きでまた涙が溢れる。
青
まろの質問に、思考を巡らせる。そんなことは今までに、
黒
青
黒
叫んでから、ハッと我に返る。何かを考えるより先に、言葉が出ていた。
そんな俺に、まろがそっと息を吐き出して表情を和らげた。
青
黒
自分のネガティヴ思考には、勿論自覚があった。
それにしても、まろも、みんなも、好意でやってくれたことだったのに。それを悪い方向として受け止めるのは、みんなの気持ちを疑うのと同じだ。
青
黒
青
壁にかけられた時計を見て、まろが言う。いつの間にか、0時を迎えたようだ。
青
黒
ふわりと目の前に現れたのは、黒い薔薇の花束。
青
黒
そうか、今日は。
青
愛しいものを見るように目を細めるまろ。その手に握られた花束の薔薇は、6本。
青
黒
止まりかけていた涙が、また溢れてくる。
今度は、あんな暗い感情じゃない。もっと明るくて、温かくて。
青
まろの温かい声が、耳に溶ける。心に染み込むような優しい声。
青
黒
声を出すことすら出来ず、ぼろぼろに泣きながら俺は首を縦に振った。まろがくしゃっと笑顔をこぼす。
青
黒
青
まろは泣き続ける俺を腕の中に包み込んで、優しく頭を撫でてくれる。
青
黒
こんな幸せなことが、あって良いんだろうか。
きっとそんなことを君に聞けば、ええんやで、って優しく笑うんだろう。
溢れる涙も、触れて伝わる体温も、この優しい手も、全部全部。
桃
黒
桃
青
水
青
白
赤
水
白
桃
次々贈られて来る愛のこもった祝福の言葉が、胸に染み込んで溶けていく。
昔の自分に、どうか伝えてやりたい。
あんなに悩んで苦しんで、それでも音楽を捨てなかったお前。その選択は何も間違ってなかった。
あの時の苦しみや悲しみなんか比にならない程の幸せを、俺は今噛み締めている。
あの日の悔し涙は、今日のこの温かい涙の為にあるんだ。
だから信じろ。自分の“好き”を、自分を愛してくれる仲間を。
凛と咲き誇り、支え合うようにしてまとめられた6本の黒い薔薇の花束を抱き締めて、俺は何にも負けない笑顔を浮かべた。
黒
この愛は、決して滅びることはない。
青
黒
すやすやと幸せそうに夢に浸っている彼の頭を撫でる。さらりとした髪が心地良い。
昨日は何時まで騒いでいたんだっけ。いや、日付変わってたし今日か。
みんなに囲まれて、夜中だというのにケーキまで貰っていたあにきは、時々苦笑していたけどとても幸せそうだった。
桃
青
部屋の扉の方を見ると、ないこ達が入り口からこっちを覗き込んでいた。おいいむしょー、あにきの寝顔撮んな。
桃
青
桃
赤
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白
桃
何処までも自由な奴らに笑みが溢れる。まぁでも、今はそんなこいつらの気遣いを有難く受け取ることにしよう。
桃
赤
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水
青
しかも二人くらい公式ペアなのを良いことにマウント取ろうとしてきとるやん。喧嘩か?お??
桃
青
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青
あにきが寝返りを打ち、身動きする。結構喋ってたからな、と思わず息を潜めるが、あにきはまた眠りについたようだった。
桃
赤
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水
青
ひらひらと手を振って、閉まる扉を見届けた俺は、隣の彼へと視線を移した。
彼には貰ってばかりだから、いつも以上に甘やかしてやろうと頑張ったつもりだったのだが、彼の自己肯定感の低さはまだあまり変わっていないようだった。
別れるなんて、そんなことする訳ないのに。だって、俺があにきから離れられない。
いれいすを抜けるなんて言語道断だ。あにきが抜ける時は俺が抜ける時って、心の中で決めてるんだから。
青
ずっと隣に居たいし、ずっと隣に居てほしい。
その温もりを知っているのは、俺だけで良い。
青
ちらりと、時計を見る。
昨日起きた時間よりも既に1時間くらい遅い。朝食を作るならもう起きた方がいいかもしれないが・・・。
昨日の彼の涙を思い出す。思い違いにせよ、泣かせてしまったことに変わりはない。
大きな変化よりも、当たり前の小さな幸せが一番なのかもしれない。
青
ぽつりと呟いて、俺はまたシーツに埋もれた。未だ夢の中にいるあにきを抱き寄せ、しっかりと抱き締める。
ああ、温かい。幸せだ。
二人でゆっくり起きよう。お昼になってから目が覚めて、「もうこんな時間!?」と二人で驚いて笑おう。二人で一緒にお昼を作って、昨日の残りのケーキと一緒にのんびり食べよう。
そして夜、みんなから祝われる君を見て、俺はまた誇らしく笑おう。俺の恋人凄いやろって、今はまだみんなに大きな声では言えんけど、いつか伝えられる日が来るその時まで、この幸福は胸に締まっておこう。
そして。
青
君に贈ろう。永遠の愛を。
コメント
27件
感動して泣きそうになった( ;∀;) めっちゃ良い作品!!!!!最高超えて神!!!!! まろにき尊い!!!!!
この話めちゃくちゃ好きです!最高すぎます!まろにきは月見。様の作品で自分も好きになりはじめて、この話は特に月見。様の作品でも好きなんですよね!始め読んだ時ちょっと泣いちゃいました。これからも頑張って下さい!