赤い髪の青年は商店街を歩いていた
その手には惣菜パンが握られていて、かじったのか少しかけている
彼はふと「誰も居ない」自分の右側に視線を移し、にっと笑って口を開いた
レッド
すると、どこからともなく聞こえる返事
ブルー
ブルー
その不思議な会話に、人々を気付く由もない
ブルー
ブルー
ブルーは独り言を呟きながら目線を少し遠くにやっていた
その様子を横から静かに見つめながら、レッドは笑った
レッド
レッド
レッド
ブルー
ブルーは苦笑交じりにレッドに顔を向けるが、本当に苦笑だったのだろうか。
レッド
ふとレッドはブルーに問うと、まだ惣菜パンを一口頬張る
彼の方は見ていないものの、人混みの方へ向ける視線は真剣だ
ブルーはコツコツと足音を響かせつつ、「ああ、」と返した
ブルー
レッド
レッド
レッドは首を捻った
レッド
レッド
レッド
レッドはようやく事の難しさに気付いたのか頭をガシガシとかいた
「あー仕方ねぇ」と漏らしている様子には、”面倒”という言葉は似合わない気がした
そんなレッドの肩を、ブルーはポンと叩き、にこっと笑う
ブルー
ブルー
ブルー
ブルー
レッド
レッド
ブルー
レッド
レッドがあまり意味を含めず呟いた言葉に、ブルーは何やらがっついて反応した
まるでハッとしたかのように。
ブルー
ブルー
ブルー
ブルー
すまねぇ、と申し訳なさそうに頭を下げるブルー
その様子に、少し足を速めたレッドは、振り返りもせずこう答える
レッド
ブルー
ブルーは少し前を歩くレッドを追って足を速める
その掛け合いは、面白いほどに噛み合っていた
ブルーは追いつき、レッドを肩を並ばせて歩く
ほとんど身長が一緒なため、肩を並ばせて、人と人との間をすり抜けるようにして歩く
ブルーはそっと笑った
くしゃっとした優しい笑みを浮かべた事を、レッドは知らずに。
テクテクと、奥へ奥へと進んで行った
ガタンと電車特有の音を響かせながら線路の上を進む
そう、二人は今電車に乗っていた
あれからしばらく歩き回ったのだが、あまりブルーの記憶は揺さぶられず、どうせならと電車に乗り込んだのだった
学生が友達を誘って遊びに向かう夏休み。 映画や買い物や海……行くのに最適な場所は山ほどある
だからだろうか、同じ年代の学生達の姿がちらほらと見えていた
レッドとブルーは丁度空いていた席に座る
電車でしか感じられない揺れが、体に静かに伝い、思わず眠気が込み上げてくるようだ
揺れる音のみが響く車内で、レッドはブルーに見えるように自分の口を指さす
気付いたブルーは、一瞬「?」と首を傾げるものの、すぐに耳をレッドの口元へと近付ける
こっそりとレッドは囁く
レッド
ほら、とレッドは続ける
レッド
レッド
レッド
どうだ?と最後に問うレッド。
ブルー
ブルーも二つ返事で頷いた
それっきり、会話はプツリと途絶えた
あまり電車内で話すのはアレだからこれ以上言葉を交わさなかったのかも知れないが…
レッドはポケットから自分の髪と同じ色のスマホを取り出し、覗き込んだ
それに気付いたブルーは画面をこっそり覗こうとしたが……
途端にやめてしまった
代わりに首を後ろに動かして、大きな窓の外を見る
電車が速いせいで、景色があっという間に移り変わっていく
瞳に映る景色も生きているかのように波打っていた
それを、彼はぼうっと見つめていた
次は〜○○駅〜○○駅〜
電車の軽快な声が響いた
レッド
ブルー
ブルーは今にも動物が飛び出してきそうな道路を歩いて歓声を上げた
レッド
レッド
ブルー
駅を降りて少し歩くと、すぐに森を割いて作ったかのような道に繋がった
この町は山に近いから、ザ・田舎という気配がするのだろう。
いつもとはちょっと違う緑の葉の香りが鼻をくすぐった
その空気を深くまで吸い込み、はあっと吐き出す
肺がまるでクリーニングにかけられたかのように爽やかになった
レッド
ブルー
ブルーも深呼吸して気の済むまで自然の空気を堪能している
レッドは幽霊なのに息する意味あるのかよ……と言いかけたが、はっと気付き喉の奥で引っ込めた
レッド
レッド
ブルー
ブルー
レッド
ブルー
にしてもいい気分だと、ブルーは大きく伸びをする
もちろん歩くことも忘れずに。
レッド
レッド
ブルー
ブルー
レッド
レッドはブルーの言葉を突然遮った
ブルーは「何だよ」と言わんばかりにレッドを睨むが、彼も大きく目を見開いた
レッドの必死になった表情を見て。
レッド
ブルー
ブルー
ブルー
ブルーは自分で言ったのにも関わらず驚きを隠せないようだった
本当に訳が分からない、けれど喜びを隠せない、二つが混ざった複雑な表情をレッドに向ける
レッドは答えるように喜び混じりの声で叫んだ
レッド
レッド
ブルー
ブルーは一つ吸い込んで一段階上がった声で言った
ブルー
レッド
レッド
レッド
ブルー
緑が紡いだ記憶の糸____と言える奇跡
記憶の舞台は”自然”と、ざっくりとした目星はついた
タイムリミットは夏休みが終わるまで……長いと言えるのか、短いと嘆いてしまうのか
でも、今は何故か
奥まで制作されていないものの、「行ける」という希望が確実に芽生えていた
コメント
17件
この作品のサムネさ、描けたらうちが描いてもいいかな?
自然…か… 大自然の中で発狂しまくるとストレス発散になるよ←何言ってんの(੭ ᐕ))? 記憶を取り戻せるか…頑張ってくれ! あともうリーブの語彙力凄すぎて私語彙力皆無になっちゃった☆←(‘^꒳^`#)???←圧がすごいね☆ 学校終わりの癒しや…ありがたやー(ノ_ _)ノ🙏✨ 続き気になる(っ ॑꒳ ॑c)
自然かー! なんだろう?ちっちゃい頃虫取りでもしてたのかな? ずーーーーーと楽しみにしてたから楽しみにしてたから(((o(*゚▽゚*)o)))最高! ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙私も頑張らなくては!