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女友
教室に入ってきた女友達Aが、優斗に手を振った。優斗はにこっと微笑みながら手を振り返す
優斗
女友
女友達Bも机にドカっと鞄を置きながら加わる
女友2
女友
優斗
心の中でそう思いながらも、教室のざわめきにどこか居心地の悪さを感じていた。教室の窓から見える桜は、もうほとんど散っていた
チャイムが鳴る直前、担任の中谷先生がドアを開けて入ってくる
中谷先生
ガラッ
その瞬間、空気が変わった。入ってきたのは、背が高くて整った顔立ちの少年。けれど、その表情には一切の感情がなく、教室を見渡す目はまるでガラスのように冷たかった
中谷先生
魁
中谷先生
教室中が静まり返る。 けれど次の瞬間、女子たちから小さくも確かな「キャーッ」という声が漏れた
女友
女友2
男友
男友2
優斗は、魁のその“完璧すぎて浮いているような姿”を、ただじっと見ていた。冷たいようで、どこか、孤独を感じる目だった。
魁は無言で最後列の窓側の席に腰を下ろした。隣の席は、空席。もともと優斗の一つ後ろの席だ。
優斗は購買で買ったパンと牛乳を手に、静かな場所を求めて屋上へ向かっていた。生徒の出入りは少ない場所で、彼のお気に入りだった。
カチャ
屋上の扉を開けた瞬間、そこには見覚えのある後ろ姿があった。
魁
優斗
魁
優斗
魁はフェンスにもたれたまま、優斗の方をチラと見て、また空を見上げる。
優斗
魁
優斗は隣のベンチに腰を下ろした。2人の間には風の音だけが流れる。しばらく無言だったが、ふと、優斗は思い切って口を開く
優斗
魁
優斗
魁
優斗
魁
優斗
魁
その言葉が、風の中に溶けて消えた
その日以降、魁に対する男子の態度は明らかに悪意を含んでいた。体育のバスケでは、魁にはパスが回らない。グループワークでは、わざと魁を除外する。
男友
男友2
魁は何も言わない。ただ黙ってそれを受け入れているように見えた。優斗はそれを見ていられなかった。 ある日、グラウンドの片隅。体育の授業終わり、魁のタオルが男子たちによって泥だらけにされていた。
優斗
男友
優斗
その瞬間、空気が変わった。
男友
男友2
優斗
魁
優斗
魁
でも、その日から。 優斗の机には落書きがされ、ノートが勝手に捨てられていた。すれ違えば男子たちに肩をぶつけられ、体育ではシューズが隠されていた。
魁
優斗
魁
優斗
ふっと、魁の口元が緩む。 それは、ほんの小さな変化だった。でも確かに、それまでとは違っていた。
魁
優斗
魁
その日の帰り道、校門前で優斗は魁に呼び止められた。
魁
優斗
魁
優斗
魁
優斗
魁
優斗
魁
優斗
その日、魁はほんの一瞬――本当に一瞬だけ、優しく笑った。
その笑顔が優斗の胸の奥で、何かが小さく光った