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こんにちは!

では、早速行ってらっしゃい!

8時半を過ぎると、教室はだいぶ騒がしくなった。

遠井さん

おっはようー!

僕の近くに再びやってきた莉犬と向かい合って、 昨日のテレビの話や、漫画の話をして話していると、遠井さんがやってきた。

今日も相変わらず元気だ。

莉犬

はよー。今日は声、一段と大きくない?

ころん

あはは、おはよう遠井さん。

遠井さん

毎日happyだからね!

胸を突き出して自信満々に答える遠井さんに莉犬が

莉犬

なにそれww

と笑った。

遠井さん

あ、そうそうころん!ちょっと先だけど日程決まったから!

放課後開けといてよね。

と、付け加えられて何のことかと首をかしげると

遠井さん

合コンよ、合コン!

と、あきれたように言われた。

そういえば、そんなことを言ってたっけ。

さとみ君からの手紙のことで、すっかり頭から抜け落ちていた。

莉犬

ころん、合コン行くの?

莉犬

どうして?

遠井さん

そりゃあ、恋人がほしいからでしょ!

僕を見て不思議そうな顔をした莉犬が問いかけてくる。

それに返事をしたのは遠井さんだった。

遠井さんの中では、僕が行くと返事したことで、相手が欲しいと解釈してしまったのだろう。

莉犬が、今度は僕に返事を求めるように

莉犬

ほんとに?

と、真剣な顔で聞いてきた。

どう答えたらいいだろう?

遠井さんに誘われたから、という返事だと、遠井さんが強引に誘ったように思われるかもしれない。

でも恋人がほしいんだと思われたままで、今後合コンがあるたびに誘われるようになったら困る。

頭の中でぐるぐると考えを巡らせていると、莉犬が

莉犬

やめなよ

と言った。

莉犬

付き合う相手がだれでもいいわけじゃないでしょ?
行かなくていいよころん。

ころん

え、あ、で、でも…

あまりに心配そうに言われて、しどろもどろになってしまった。

もしかすると、僕がさとみくんのこと好きだと思ってるから止めてるのかもしれない。

誘われると断れない気の弱い僕の性格をわかってるからこそ、心配してくれているのだろう。

莉犬

遠井さん、無理強いしたんじゃないの?

遠井さん

そんなことないけど。

遠井さん

もしかしてころん来たくなかったの?

莉犬の発言に、遠井さんが少しすねたように唇を突き出す。

ころん

いや、そんなことは……

莉犬

ころんもはっきり言いなよ

今度は莉犬が少し怒った口調で言う。

はっきりって言われても、何を言えばいいのだろう。

遠井さんは遠井さんなりに僕のことを思って誘ってくれたと思うし、 莉犬が心配してくれているのもわかる。

2人ともちょっと誤解してるけど、そんなことは大した問題ではない。

どんな理由にしろ、『行く』といったのは僕だ。

えっと、ともう一度呟いてからゆっくり言葉を紡いだ。

ころん

だ、大丈夫だよ。

ころん

遠井さんに誘われたっていうのもあるけど、行きたくないわけじゃないから。

ころん

どんなのかなあ。って興味あったし。

でも、心配してくれてありがとう、と、最後に付け足した。

莉犬

まあ。それならいいけど。

遠井さん

ほらー。莉犬は、ころんに過保護になり過ぎだってぇ

莉犬はあまり納得できてない様子で、ほんの少し呆れたように肩をすくめた。

それに対して遠井さんは明るい声を出す。

けらけらと楽しそうに笑って言うものだから、莉犬もつい噴き出して

莉犬

だって俺の可愛い可愛いころんだからね。

なんて冗談を返す。

ほんの少し、微妙になった空気が遠井さんの豪快な笑顔によって洗い流されたようだ。

遠井さん

じゃあ、また時間とか場所とか、決まったら言うから!

予鈴が鳴り、立ち去っていく、莉犬と遠井さん背中を見つめながら、 ほっと胸をなでおろした。

その場の空気を探りながら、無難な発言しかできない僕は、きっぱりはっきりと相手に意見を言える莉犬の性格にあこがれる。

けれど、莉犬の歯に衣着せない発言には、たまにひやりとしてしまう。

目の前で誰かが口喧嘩するようなことになってしまうと、本当にどうしていいかわからなくなる。

理性的な莉犬と、感情的な遠井さんの間では、さっきのように少し、不穏な空気になってしまうときがある。

そんな時、僕はいつも戸惑ってしまう。

それでも2人は仲がいいので、僕がひやひやする必要はないだろう。

一番の問題は、何も言葉にできない僕、か。

昨日は出せなくてごめんね。

父と喧嘩してさ。

ぶん殴られて頭痛くて出せなかった....心配してくれてありがとう!

またね!

さところ 『交換ウソ日記』第一章 赤い告白  (完結)

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481

コメント

4

ユーザー

え、大丈夫ですか?

ユーザー

大丈夫ですか!?!?!?😭

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