星愛
あれ…?なんでだろ…?
星愛
ここ、さっきも
通ったような…
通ったような…
向かってみたは いいものの
一向に 律の家には着かず…
本来なら10分で 着くはずが
気付けば30分以上 経っていた
星愛
ヘッ…
星愛
ヘックシュンッ!!
星愛
星愛
寒い…
星愛
もっと厚着してくれば
良かったな、、
良かったな、、
こんな時に 律が居てくれたら
きっと…
星愛…?
何してんだよ!
こんな所で…
こんな所で…
星愛
…へ?
この声は…
星愛
律…!?
律
おう、当たり!
律
星愛は相変わらず
方向音痴なんだなw
方向音痴なんだなw
星愛
そっ…
星愛
そんなことないもん!
律
おいおいw
律
もう高1なんだし
認めろよー
認めろよー
星愛
認めません〜っ
律こそ相変わらずだ
特に、律の明るい笑顔は
昔に戻ったかのように 何も変わっていなかった
律
てか、どこに
行こうとしてた?
行こうとしてた?
星愛
星愛
律の家…!
律
なぜにww
星愛
だって…
星愛
律、中学卒業後の
春休みからずーっと
返信くれなかったじゃん!
春休みからずーっと
返信くれなかったじゃん!
星愛
すごい心配したんだよ?
星愛
今日だってちょっと前に…
星愛
星愛
律…?
律
律
あ〜!ごめんw
一瞬、律の表情が 曇ったような気がした
星愛
大丈夫?
律
うん、大丈夫!
律
ごめんな、本当w
星愛
や、そんな!
全然良くて…
全然良くて…
律
ここじゃ冷えるから
俺の家来る?
俺の家来る?
星愛
え、いいの!?
律
うん、おいでよ!
星愛
ありがと〜!!
星愛
じゃあ、お邪魔
させてもらうね!
させてもらうね!
律
おう!
10分後
律の家 着
星愛
こんばんは!
おじゃましま〜す!
おじゃましま〜す!
律
誰も居ないけどなw
律
上がって上がって〜
星愛
は〜い!
律の部屋
律
1年ぶりぐらいだっけ?
律
俺の家来るの
星愛
そうだね!
1年ぶりだ〜
1年ぶりだ〜
星愛
あんまり変わって
ないかと思ったけど
ないかと思ったけど
星愛
地味に変わってるねw
律
地味にってw
律
まぁな〜!
なんでだろう…?
律は こんなにも 楽しそうに話しているのに
どこか寂しそうで
時々遠い目をする…。
星愛
ねぇ、律…
星愛
何かあったの?
律
何って…?
律
何もねぇよ〜!w
私は見逃さなかった
律が一瞬 目を逸らしたことを。
律は小学生の頃からずっと
嘘をつくときに 目を逸らす癖があるから…
きっと、何かに 苦しんでいるんだって
私にはそれが わかってしまった。
星愛
今、嘘付いたでしょ?
星愛
お願いだから
本当のこと言って…?
本当のこと言って…?
律
だから、
何も無いって
何も無いって
星愛
違うでしょ!
本当は…
本当は…
律
黙れよっ!!
律
律
あ、ごめん…
星愛
や、こっちこそ
本当にごめん…
本当にごめん…
律
そんな…
星愛
今日はもう
帰った方が良いかなw
帰った方が良いかなw
星愛
ごめんね、本当に…
星愛
けど、律が来てくれて
すごく助かったよ
すごく助かったよ
律
そっか…、
なら良かった
なら良かった
律
家まで送ってくよ
星愛
や、いいよ
そんなw
そんなw
律
星愛は方向音痴だから
どこ行くかわからんw
どこ行くかわからんw
星愛
何その理由w
律
まぁ、とりま送るよ
星愛
じゃあ、お願い
しよっかな〜!
しよっかな〜!
律
おう!
星愛
ねぇ、律
覚えてる?
覚えてる?
星愛
小学生の頃、給食の
大食い競争やって
大食い競争やって
星愛
私が律に
勝っちゃったこと!
勝っちゃったこと!
律
もちろんだよw
律
それで星愛、
大食い選手権って
あだ名付いて
大食い選手権って
あだ名付いて
律
やたら得意げ
だったよなw
だったよなw
星愛
よく覚えてるねw
律
お前が聞いたんだろw
星愛
あ、そっか!w
律
ww
律
着いたよ
星愛
えー、もう?
星愛
今日は本当に
ありがとうね!
ありがとうね!
星愛
また会うときは絶対
一緒に言おうね
一緒に言おうね
律
お誕生日おめでとう?
星愛
うん!
律
そうだなw
律
じゃあな
星愛
うん!またね〜!
私は、律が小さくなって 見えなくなるまで
ずっとずっと 手を振り続けた。
律はそれを見て
照れくさそうに 手を挙げた。
星愛
また…会えるよね?
星愛
だって、会いに
行くんだもん!
行くんだもん!
星愛
会える会える!
言葉とは、裏腹なもので
「会える」と言いながらも
どこか不安な私がいた。