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ストレンジ=ディテクション

8 - 【第1章】糸を結んで、くるっと回って ― 恨めしく羨ましく妬ましい世界へ愛とIを《討伐編》

♥

76

2025年03月12日

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これは、とある休みの日。 お父さんは、とても機嫌がよかった。

浜田 結愛(幼少期)

ぱ、パパっ……!あのね、あのねっ…!

結愛の父親

おいおい、家の中は走っちゃダメだぞ?

浜田 結愛(幼少期)

……!
あのね、え、かいたの…!けほっ…。

結愛の父親

おお、本当か?
どうだ、見せてみろ!

浜田 結愛(幼少期)

こ、これ……!

結愛の父親

……これは…花か?素敵な絵じゃないか!
そうだ、壁に飾るか?

浜田 結愛(幼少期)

ほ、ほんと?
えへへ、やったあ……!

結愛の父親

ふふ、母さんも見てみろ!
素敵な絵じゃないか?

結愛の母親

あら…!ふふっ、可愛い絵ね。
赤い…タンポポ?

浜田 結愛(幼少期)

う、うん……!
………、…変、かな…?

結愛の母親

そんなこと無いわよ!
結愛らしくて、とっても可愛らしいわ。

結愛の父親

ああ、その通りだ!

浜田 結愛(幼少期)

えへへっ…!けほっ…。

褒められたときは、すごく嬉しかった。 なにより、なにより、嬉しかった。

これは、とある日の夕方。 お父さんは、丁度お仕事が終わって帰ってきた頃の時間帯。

浜田 結愛(幼少期)

ぱ、パパ……!

結愛の父親

………………。

浜田 結愛(幼少期)

……ぱ、パパ……?
あ、あのね、え、かい───。

結愛の父親

ああっ、うるせえな……!!
また絵かよ!?こんなもん……っ!!

…そうだ。お父さんは、カップラーメンのお湯を沸かしていた。 なんでかは覚えていないけど、お湯を沸かしていた。 そして、それを私の絵にかけた。

浜田 結愛(幼少期)

………えっ…?

結愛の父親

あぁっ……!!もうその間抜け面すら気持ちが悪い……!
母さん、腕掴め……!!

結愛の母親

…………。

浜田 結愛(幼少期)

ぱ、パパ?ママ?

浜田 結愛(幼少期)

ね、ねえ、どうし───。

『きゃあっ!!』 ……なんて、悲鳴をあげる余裕すら無かった。

殴られた?蹴られた? そんなくらいならまだよかった。 よくないけれど。

お父さんは、私の左眼に熱湯をかけた。 そう、カップラーメンのためのお湯。 お父さんは、私の大切な絵も、昔褒めてくれた瞳も、何もかもを壊した。

浜田 結愛(幼少期)

あ、あつい……や、やめて、やめて…………
い、いたい……あつい………!!

結愛の父親

この壁の絵……
赤いタンポポなんか、意味わかんねえ……。

結愛の父親

お前もそう思うだろ?

結愛の母親

ええ。

結愛の父親

ほらな、やっぱり……。

『どうして?褒めてくれたのに。』 なんて言葉は、喉から外へ出ることはなかった。 理不尽が壁となり、父の不機嫌が柱となり、根強く、痕として、鮮明に、永遠に残る。

しかし、所詮幼き日の出来事。 傷は永遠に残っても、10年もすれば脳はそれを忘れてしまう。 霧散することはなくても、モヤがかかってしまうのだ。

この時より、もっと幼い日。 お母さんに、髪飾りを買ってもらった。 すごく可愛くて、すごく、すごく大切にしていた。

それを握りしめて、私は、

────意識を失った。

芹埼 澪楽

───痕。

ビヴィ

………痕。何の?

芹埼 澪楽

火傷痕。

ビヴィ

へえ。
……話、続けてよ。

夜半宮 悠雨

あれは……、
結愛ちゃんが小さいとき、父親に熱湯をかけられたことでできた火傷痕だったね。

九条 千鶴

確か、仕事の日は機嫌が悪いんだったな。
とんだ毒親だ…。……胸糞わりい。

陽影 渚

俺達、園児の頃も同じクラスでな!
昨日までは特に変わりのなかった左眼が、たった一晩で変わり果ててたんだ。
今考えたら、大怪我してんのにフツーに登園してたんだな……。

古川 乱太

僕達は、当時ひどく驚いたね。今でも覚えているよ。
しかし、心の優しい結愛は、左眼が痛むことさえ我慢して、僕達に教えてくれたんだ。

ビヴィ

………それは?

芹埼 澪楽

そのときユイユイは、
左眼がおにいただったこと!

夜半宮 悠雨

けど、
必死に手に髪飾りを握りしめていたこと!

九条 千鶴

その髪飾りは、大切なお袋が買い与えた、今でも大切な髪飾り。
そんときに、その事実を思い出したこと。

陽影 渚

その髪飾りは、親友───、
そう、俺達が褒めてくれたものだ、って思い出したこと!

古川 乱太

熱くて、痛くて、苦しくて泣いたけれど、僕達を思い出したら元気になれた、ということ。

ビヴィ

…………。

芹埼 澪楽

……これで、流石のアンタでもいい加減分かったっしょ?

夜半宮 悠雨

結愛ちゃん、言ってやって!

浜田 結愛

………えっ?

九条 千鶴

結愛、お前の口で、お前自身の口で。

陽影 渚

この男に、コイツに、ビヴィに!

古川 乱太

" ただの事実 " を、教えてあげなよ。

ビヴィ

………何が……っ!!

ビヴィ

何が事実だよ……っ!!!!
分かったもんじゃないだろう!?
僕の愛を、僕達の愛を……!!!

ビヴィ

……ねえ、そう言って?
『ビヴィしか見ない』って。
『ビヴィだけを愛す』って。

浜田 結愛

………私は、私は……。

浜田 結愛

………っ……、
みんなが……、
みんなが、みんなが、大切……!

浜田 結愛

貴方なんか……っ、
ど、どうでもいい………!!

浜田 結愛

私は、貴方のものじゃない……!!

浜田 結愛

……けほっ、けほっ…!

ビヴィ

……………。

夜半宮 悠雨

あっははは、フラれてやんの〜〜!!

芹埼 澪楽

あーしも本来なら慰めるとこだけど、ユイユイを奪おうとした男なんて慰めてやんない!

古川 乱太

……決着、かな?

陽影 渚

そうなのか?

九条 千鶴

多分そうだろ、意気消沈してるし。
ほら、それがゲートだろ?
もう開通してるっぽいし、さっさと行くぞ。

夜半宮 悠雨

だね〜。
結愛ちゃん、こっちおいで〜!!
帰ろ帰ろ!

浜田 結愛

…………。

浜田 結愛

うん……っ!

ありがとう、桃ノ瀬さん。

ありがとう、みんな。

さようなら、過去───。

作者のコメント

Salvia

は〜いどうも、Salviaです。

Salvia

ということでね、1章が終わりました〜!!
パチパチパチパチ。おい拍手しろよください。

Salvia

このストレンジ=ディティクション…これで題名合ってましたっけ、まあいいや。
このストレンジ=ディテクションでは、章の終わりごとにこうして作者がコメントというか、ちょっとお話をします。

Salvia

え〜、そうですね、
今回の章の主役は浜田ちゃんでした。

Salvia

多分もうお分かりだと思いますが、章ごとによって主役キャラが変わり、1つずつ七不思議が解かれていきます。
次は誰が主役なのでしょうか……。

Salvia

まぁあんまりネタバレは伏せておきますが、今回は浜田ちゃんについて語りましょうかね。

Salvia

えー、改めておさらい(?)しておきますが、
浜田ちゃんのキャラクター設定は、
友人H(もとい友人G)が作っております。

浜田 結愛

そ、そうなんですね…?けほっ…。

Salvia

そうなのそうなの。

Salvia

キャラクタービジュアルも、
友人Hが『 M O E 』というピクルーのメーカーを使用させて頂いて作ったものなんですよね。

浜田 結愛

Salviaさんが作ったんじゃなかったんだ…。

Salvia

ですです。

Salvia

で、使用メーカーの上に記載されている説明文。

Salvia

これ、大体はそのまんまなんですが、私が一部改変させて頂いているところがほぼ全キャラございます。

Salvia

ということで、原文を晒させていただきたいと思います。
当人には無許可で晒させていただいておりますので、おそらく大丈夫だとは思いますが怒られたら消します。

Salvia

名前:浜田 結愛(ハマダ ユイ)
口調:おどおどとしてて時々咳き込む
詳細⤵
性別:女の子
性格:内気だけど本当は皆と仲良くしたい
オッドアイに思われがちだが実際には昔に白い方の目に熱湯がかかり視力がかなり弱まりやけど跡も残った、その下のクリスタルの紋章はこうすることで少し和めるかなと思って付けているもの。髪飾りは昔にお母さんに買ってもらったもの。また時々咳き込む理由は単純に昔から体が弱くて咳き込むだけで特段持病とかそう言う種類では無いのでご安心を

Salvia

………とのことです。

浜田 結愛

な、なるほど……?

Salvia

ちなみにこれ全キャラ分やる予定なので、
『あっ自分は晒されるの嫌です』って方は事前にディスコの個チャやら鯖やらで教えてください。
公開した後でも言ってくれれば消します。

Salvia

気遣い◎!

Salvia

はっははは、ありがとう。

Salvia

ちなみに裏話なんですが、今回『七感情』というものが出ましたね。

Salvia

本来、七不思議との七繋がりで七つの大罪をモチーフにキャラを作らせて頂こうかと思ったんです。

浜田 結愛

…?
じゃあ…なんで感情になったの?

Salvia

はいナイス質問。

Salvia

すっっごく単純な理由なのですが、
1章を書いている途中あたりにリゼロを視聴させて頂いた影響で、どうしても書いている途中に大罪司教が脳内に浮かんでしまうので、七つの大罪はボツ案として感情を採用した、という訳です。

浜田 結愛

な、なるほど…。

Salvia

まあ出てくる感情についてはね、後々のお楽しみに。

Salvia

んー、そうですねえ……、
では、そろそろ終わりにしたいと思います。

Salvia

さて、ここまで閲覧頂き誠にありがとうございました。

Salvia

次回、『古書に愛読と微笑みを』。
おそらく勘の良いガキのお方は誰の章か察されたかと思いますが、お楽しみに。

Salvia

では、また2章で〜!!

???

ああ、お楽しみにね。

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コメント

6

ユーザー

結愛ちゃんこの熱湯を10年間耐えては忘れたのか

ユーザー

まいごえん感じるな

ユーザー

結愛ちゃんの毒親マジ〇す、ぶっころころころだぜ! Layla(レイラ)「うんうん、そのとーり!」

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