僕は自分が両性具有という病気と知ってから
自分のことが嫌いになった
いや、もしかしたらもっと前から
自分のことを嫌いになっていたのかもしれない
何かを言われても言い返せないタイプで
でも、心のどこかでは自分のクラスメイトを見下しているこの性格
運動神経も悪くていつの間にか
いじめの標的になっていた
最初は「バカ」や「アホ」など
お前は幼稚園児か!と言いたくなるようないじめ方だった
しかし、ある日僕のいじめが酷くなるような出来事がおきた
原因は先生だ
先生
先生
先生はみんなに僕の病気を知ってもらった方が良いと考えたのだろう
こうしていじめは筆箱をかくしたり、
わざと僕に聞こえるように
僕の悪口をいってきたりする
まるで小学生のようないじめに進化した
なんで僕ばかりがこんな目にあうのだろう
友達という味方も僕のことを見捨てた
もう誰を信じていいのか分からなくなって毎日が怖くなってしまった…
もういっその事自殺してしまおうか?
その方が楽かな?
もう考えるのはやめよう
もう全てどうでもいいと思った
こんなくだらない世界なんて
いっそ…いっそ……
消えてなくなってしまえばいいのに
僕は電車で登下校をしている
下校途中にアナウンスがあった
どうやら人身事故があったらしい
泣きながら崩れ落ちるその子の母親と思われる女性
それを見て影でコソコソと話す大人達
???
???
???
そんな心無いヤツらと
僕は同じ目だ
僕は最低な人間だ
こんな事がおこっているのに
一滴の涙すらも流れない
僕にはこの理由がわかっていた
全部所詮は他人事だからなんだ
自分のことじゃないから
見たくないものには目を背け
群れに自分を隠してやりすごす
誰もが見向きもしない
こんな僕に…そんな世界に…
嫌気がさしてくる
結局人身事故の被害者の子は亡くなったらしい
踏切の音が鳴り響く
このまま足を踏み出せば
どこへでも行ける気がした
梓
無意識に声を出してしまった
でも、僕は結局怖くてあと1歩を踏み出せずに終わった
???
???
僕はふと考えた
もし、僕が明日死ぬのなら
僕のために心配してくれるかな
僕のために悲しんでくれるかな
僕のために泣いてくれるのかな
く……れる……のかな…?
最近お父さんが浮気をしているようだ
こんな壊れかかった家族が悲しんでくれるかな?
僕はいつしか
悲しんでくれる人がいる人達を
羨ましく思うようになった
もしも生まれ変われるのなら
もう一度やり直せるのなら
こんな汚れた世界でも
もっと笑えていたのかな……?
僕は君たちと同じ人間だ
なのに姿形がちがうからと
???
???
???
???
僕を否定してくるんだ
???
???
???
僕は何も言い返さない
???
???
─誰も悲しんでなんかくれないよねぇ〜?─
僕は耐えきれなくなって教室からとび出した
こんな地獄の空間から早く逃げ出したかったのだ
今は昼
午後からも授業があるがサボろう
どうせ明日から授業を受けないのだから別にいいだろう
この時間帯にはお母さんやお父さんも帰っていないはず…
その間に遺書を書いて死のう
家に帰ったらお母さんとお父さんの怒鳴り声が聞こえた
僕はなぜいるんだろう?そう思いながら
意味もなく耳を塞ぎ
部屋に入りどんな遺書を書こうか悩んでいた
遺書を書く1つの理由としては
お父さんとお母さんのおかげで今まで
生きようと思えていたから
だから、最後にありがとうという気持ちを文章に書き留めておきたかったのだ
ちなみにドアをとおしても怒鳴り声は丸聞こえだ
どうやら、お父さんの浮気の件でけんかをしているようだ
もう僕には関係ないけどね
お父さん
お父さん
お母さん
まだ聞こえてくる…
お父さん
どうやら僕の話をしているみたいだ
お父さん
半端モノ……か…
僕は気づいたら家から出ていた
もう親すらも…誰も…信じられなくなって
僕のことをああいうふうにおもっていたんだね
もう、僕の心の中には「ありがとう」という気持ちは1滴も残っていなかった
だから、遺書なんて書かずにこのまま死んでしまおう
嫌いだったんだ
世界を憎んでいた
悲しいことが
生きることがただただ
辛かった
なにもしなかった
何も出来なかった
僕は最低な人間だ
死に損ないの自殺志願者だ
誰かに言って欲しくて
梓
でも僕は決めたんだよ…
屋上についた
ただの屋上じゃない
僕をここまで追い込み苦しめた
腐った学校の屋上だ
そして僕は
意を決して飛びおりた
嗚呼……友達も…先生も…家族すらも
みーんなみんな
テキだったんだね…
じゃあねみんな!
この世にバイバイだ
これが僕の生き様
コメント
2件
良かったでございますね笑
すっごいどうでもいいけどタイトルの横にでてる画像すごい好み