参拝客
あの〜
理子
はい,なんでしょう
参拝客
おみくじってここで引けますか?
理子
はい,こちらです
私は理子! この春川神社で巫女をしている女子高生です! (まぁ,アルバイトだけどね)
永遠
おい,こら(怒)
理子
永遠さん
永遠
お前は接客するなと何度言ったらわかるんだ?!
理子
ムッ( `ω´ )
理子
なんでですか?!
永遠
うちの神社の家訓なんだよ!
理子
そんな家訓,初耳です!
この人は春川神社の跡取り息子の永遠さん。 何かと私に突っかかってきます。
永遠
ほら,お前は掃き掃除をしてろ
理子
ハイハイ,わかりましたよ
理子
私も接客したいなぁ
司葉
まぁまぁ,落ち着いて
理子
あっ,司葉さん
この人は司葉さん。 永遠さんの実の弟さんで,永遠さんとは違ってとても優しい! それに最近まで留学生だったんです。
理子
いつ,向こうからお戻りに?
司葉
ついさっきだよ
永遠
司葉
司葉
兄貴,久しぶり
永遠
元気だったか?
理子
(やっぱり,兄弟って良いなぁ)
元日
ザッザッ(箒を掃く音)
永遠
理子
理子
はい
永遠
今回のみくじなんだが
理子
何かあるんですか?
永遠
いや,お前今回も大吉引くのかなと
理子
あぁー
実は私は7年連続大吉をこの神社で引いているんです。
理子
頑張っちゃいましょうかね笑笑
永遠
絶対今回こそ凶を引かせてやる
司葉
ほらほら,二人共
司葉
早くしなきゃお客様来ちゃうよ
お昼
( '-' )( '-' )( '-' )ザワザワ…
理子
大分混んできたなぁ
司葉
そうだねぇ
司葉
兄貴も大変そうだし
理子
私達は私達で出来ることをしましょう!
司葉
うん,そうだね
そして,客足もだいぶ減り
理子
ふぅ,疲れた
チンピラ1
ねぇねぇ
理子
はい
チンピラ1
君,ここの巫女さんだよね?
理子
そうですけど
チンピラ2
じゃあ,トイレの場所知ってる?
理子
えっと,そこの林に入っていくと左手にあります
理子
(接客ダメって言われたけど,これくらいイイよね?)
チンピラ2
えぇ〜,それじゃわかんないなぁ(棒)
チンピラ1
うんうん,一緒に付いてきてよ
ガシッ
理子
えっ,ちょっと
理子
(ダメ,力強すぎて振り払えない)
バシッ!
チンピラ1
痛ってぇ!
チンピラ2
何すんだよ?!
永遠
お前らこそ,うちの巫女に何やってんの?
理子
永遠さん!
司葉
トイレへの案内なら僕がするけど
チンピラ2人
けっ·····
チンピラ2人
結構ですーー!
理子
司葉さんも···
司葉
大丈夫?
理子
はい,ありがとうございま…
永遠
ど阿呆!!
理子
ビクッ!
永遠
接客するなってあれほど言っただろ!!
理子
そんな怒んなくても…
永遠
だから嫌だったんだよ,お前を接客させるの
永遠
ああいう奴がいて,お前がこんなだから
理子
なっ,こんなって
理子
私ちゃんと接客出来てたじゃないですか!
永遠
そういう事じゃ
理子
もう良いです!
ダッ
司葉
あっ,理子ちゃん!
境内近く
理子
はぁ
おみくじはこちら
理子
おみくじ…
ガラガラ
理子
三十九番
理子
ゲッ,凶だ
理子
まぁ,今の私にはピッタリ
理子
ん?
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理子
すぐ近く…
理子
もしかして,永遠さん?
理子
いや,ないない
理子
(だって,永遠さんは私の事どうせ嫌いだもん)
ギュッ(バックハグ)
理子
えっ…?
永遠
やっと見つけた
理子
と,永遠さん?
永遠
ったく,一人で居なくなるなよな
理子
ちょっ,離して…
永遠
さっきの話,まだ終わってない
理子
え…
永遠
“こんな”って言うのは,別にお前を馬鹿にしたわけじゃない
理子
はぁ?
理子
それ以外にどういう捉え方が
永遠
こんなっていうのは,接客の事じゃない
理子
じゃあ,見た目ですか?
理子
そうですよ,どうせ私は可愛くな…
司葉
違うよ,理子ちゃん
理子
司葉さん
司葉
兄貴が理子ちゃんに接客するなって怒ってる時ってさ
司葉
いつもお客様が男性の時じゃなかった?
理子
えっ?
理子
確かに…
理子
でも,それとどう関係が
理子
って,永遠さん
理子
顔大分赤いですよ!
理子
熱があるんじゃ
永遠
…ない/////!!
司葉
ふふッ笑笑
司葉
お客様が男性で兄貴が理子ちゃんに接客するなって言ってたのは
司葉
ただのヤキモチだよ笑
理子
えっ,ヤキモチ?!
司葉
そうそう笑
理子
なんで,永遠さんが私にヤキモチを?
司葉
兄貴はね…
永遠
司葉!
永遠
そっから先は,俺が言う
司葉
ハイハイ,ごゆっくり笑笑
永遠
·····。
理子
永遠さん?
永遠
さっき,お前の見た目が可愛くないんじゃない。
永遠
むしろ逆だ
理子
えっ…
永遠
お前がこの神社にバイトに来る前から
永遠
俺はお前の事が気になってた
理子
…!!
永遠
お前,子供の頃からこの神社に通ってるだろ?
理子
うん
永遠
俺,小さい頃から親父の手伝いしててさ
永遠
その頃からずっとお前の事を見かけてて
永遠
何か話すきっかけとか無いかなって思ってた
永遠
そしたら,司葉がその気持ちに気づいたのか
永遠
ある日,お前をアルバイトに誘って連れてきたんだ
永遠
それからお前は一生懸命頑張ってた
永遠
そんな時,参拝客の男がお前を
そのなんだ?いやらしい目?で見てたから
そのなんだ?いやらしい目?で見てたから
永遠
(こいつには接客させちゃダメだ)
永遠
と思って,怒ってた
永遠
俺にはこんな仕方しか出来ない
永遠
今までゴメンな
理子
そんな…
理子
謝らないでください
理子
今まで守ってくれていたんですね
理子
ありがとうございます
永遠
良かった,お前に嫌われていたらと思うと
理子
·····そんなこと無いですよ
永遠
えっ?
理子
むしろ大好きだし/////
永遠
…なっ/////
理子
さぁ,お仕事お仕事/////
永遠
あっ,ちょっ待てよ!