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#ローレン・イロアス
velyn
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恋は渾沌の隷也
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SAI
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あれから、家族の待つ屋敷に連れていかれた海智。
その日からというもの、黄泉からの献身的な『介護』という名の歪な関係が始まる。
血を毎日、一定数与えられては反応は示すも、上手く適合出来ず、また死体に戻るの繰り返し。 それを、他の家族も見ていた。
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あれから半年が経過した。 白い顔をして寝たままの彼女に、今日も血を与える黄泉。 ノートには毎日、丁寧な書体で記録が残されていた。
唯一の変化と言えば、見えていた頭蓋や食いちぎられた部位が、日に日に回復を見せ、今では元通りという点。
千早
夜の12時少し手前─── 眠たげに目を摩りながら、ドアを引いて入ってくる千早。
黄泉
黄泉はノートを閉じると、ようやく千早の方へ穏やかな視線を向けた。 その瞳は暗い紅葉色に沈み、底知れない優しさと冷徹さが同居している。
千早はそのまま、ベッドの端にちょこんと座り込み、まだピクリとも動かない海智の顔を覗き込む。 漆黒の瞳には光がなく、ただ純粋な好奇心だけが揺らめいていた。
黄泉の問いかけに、首だけをゆっくりと彼の方へ向ける。
千早
ぷいっと海智の方へ視線を戻し、その白く冷たい頬を小さな指先でツンツンと突つく。 まるで動かなくなった玩具の反応を確かめるかのような、無邪気で残酷な仕草。
千早
千早
海智を「死に損ない」と断じて食欲を露わにすると、黄泉は小さく、しかし否定の余地のない声音で笑みを漏らした。
黄泉
千早
彼は再び海智の顔を覗き込み、乱れた黒髪を優しく整えてやる。 半年前は無惨に欠けていた頭蓋も、今では滑らかな肌に覆われ、生前よりもずっと神秘的な美しさを湛えていた。
黄泉にとって、この停滞した時間は決して無駄ではなく。 むしろ、愛着を育むための必要な儀式のようにすら感じられていた。
黄泉
千早
黄泉
再び海智の顔をじっと見つめる。黄泉がその名を呼んだ瞬間、死んだ魚のような濁った瞳の奥で、何かが微かに揺らめいたような気がした。
千早はベッドの上で膝立ちになり、海智の耳元に顔を近づけて、悪戯っぽく囁きかける。
千早
千早
千早
ピクッ
その時、海智の指先がピクリと動いた。
千早
千早はそれを見逃さず、驚いたように目を丸くして身を乗り出す。光の宿らない黒い瞳が、獲物を見つけた子供のようにキラキラと輝き始めた。
千早
黄泉
千早のはしゃぎっぷりに黄泉も微笑んだところで、閉ざされていた彼女の瞼が震え、ゆっくりと開かれる。
海智
ゆっくりと視点が彷徨い、目の前の千早の顔で焦点を結ぶと 驚いたように、目を見開いた。
海智
千早
海智
( '-' )ノ)`-' )バシッ
千早
いきなり突き放されたことに驚き、ベッドの上で後ろにひっくり返りそうになりながらも、猫のような身軽さで着地する。
自分を拒絶した海智の手をじっと見つめ、不満そうに唇を尖らせた。
千早
千早
ふんと鼻を鳴らして立ち上がり、ハーフパンツの裾を整えながら、再びベッドの縁に歩み寄る。 そんな彼の姿を見つめながら、慌てて手を差し伸べ
海智
しどろもどろに謝罪しながら、ベッドの方へと引き上げてやる。
千早
海智
海智
千早
そう言って、わざとらしく牙を見せるようにニカッと笑う。 幼い子供のような可愛らしさと、禍としての冷酷さが同居した表情で、千早は彼女の反応を値踏みするように見つめた。
千早
千早
千早
海智
目覚めたばかりだ。何か持ってるほうがおかしいまである。
海智
菓子なんて、手軽なものは持ってないし。 唯一、差し出せるもの?といえば───
海智
ベッドに座り直した彼に冗談のつもりで、そう言いながら首元をトントンと指し示す。
その瞬間、千早の表情は一変した。
千早
千早
SAI
SAI
SAI
コメント
1件
読み終えました!第2話、とても良かったです。半年間昏睡状態だった海智が目を覚ます瞬間、千早の「起きたぁ!!」という純粋な歓喜と、直後の「お腹空かせて♡♡♡ちゃうよ」という禍としての無邪気な残酷さの切り替わりがゾクッとしました。黄泉の歪な愛着と、千早の食欲混じりの好奇心——この家庭の空気感が引き込まれます。次が気になります!