琴音
りっくん!!
陸
ん?
琴音
やっぱり公園にいた!
陸
どうしたの?
琴音
見て!怪我!
陸
また!?もう、大丈夫!?
琴音
うん!
琴音
けど、血……吸って!
陸
もう……
彼女が差し出したか弱い腕を両手で支える。
今日は盛大に転んだのだろう。
派手に血が出ている。
陸
じゃあ、吸うね
琴音
うん!
いつものように、口付けをする。
そう、いつものように。
いつもの、ように…?
陸
陸
……ん?
琴音
どうしたの?
琴音
傷、治りそうにない?
陸
いや、
琴音
私の血が美味しい?
陸
陸
うん
琴音
ほんと?
陸
なんだか、いつもと違う味がする。不思議な味……
陸
血………って、こんなにも美味しいんだね……
琴音
よくわからないけど美味しいならよかった!
琴音
じゃあ、これからもよろしくね!
陸
だ、だからって怪我しないでよ!
琴音
えへへ!
今、初めての味を覚えた。
不思議な感覚。
血を美味しいと感じられて、陸は一歩大人に近付いたのかな、と嬉しく思った。
しかし、この出来事は陸を大人に近付けると共に、最悪な結果をもたらす事となった____