温もりの先へ。

彼と付き合い始めて３年が経つ。

私は大学１年の武藤 真弥。

彼からは高校２年のときに告白された。

周りからは

｢よく３年も続くね｣

｢ケンカしても仲直りできるってすごい｣

と言われることが多くて

学年内では

憧れのカップル

とまで言われている。

私はすごくうれしくて、

講義中とかずっとそわそわしてた。

友達にも

｢幸せそうだねぇ｣

ってからかわれた。

今でも忘れない。

忘れられない。

あの日のことは。

同じ場所だからって

ハッピーエンドになる、そんなこと

あるわけがない。

もとから分かってたこと。

きっと

少し君に期待した私が悪かったんだね。

君と別れた日、

私は一睡もせずに泣いたよ。

君はどうだったんだろうね。

気持ちが軽くなって

明日を楽しみに寝たのかな。

別れた日のこと、

一緒に映画を見て

ディナーを共にして

見たばかりの映画と同じ場所で

映画と同じような

幸せなシチュエーションで。

私たちは

恋人で。

バッドエンドで終わってしまった

私たちの恋物語は

一緒に見たあの

｢温もりの先へ。｣みたいな

ハッピーエンドには

なれないんだね。

それなら今度は

今までの映画で見たこともないような

恋愛を繰り広げて見せる。

ありがとう。さようなら。

私の愛した他人(ひと)。