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後ろを振り返ると
何故か翔真がいた。
唯人
翔真
翔真
瑠璃
彼女の名前をいきなり呼ぶ翔真に
僕は驚きを隠せない。
隣を見てみると
彼女は目を大きく見開いて
翔真のことを見ていた。
唯人
翔真
瑠璃
瑠璃
瑠璃
彼女は無理矢理僕を連れてこうとする。
引っ張る腕の力からして
相当ここから去りたいのだろう。
僕は彼女に流されるままについて行く。
翔真
翔真の言葉で立ち止まる。
彼女の表情はどんな表情をしているのか
分からない。
ただ下を向いて突っ立っている。
僕の腕を掴む手の力は少しだけ優しくなった。
僕はどちらの味方に着けばいいのか。
どうすれば良いのか分からず
ただその場に立っているだけ。
2人とも次に話す言葉は無く
ただ沈黙が続く。
街中は騒音でいっぱいのはずなのに
今だけは何も聞こえない。
2人の間に何があったのかは
分からない。
ただ段々と彼女の息が上がっているのが
肩を見ただけで分かる。
唯人
彼女は僕の問いかけにも応じない。
それと同時に少しずつ
腕を握っている手の力が
弱くなっているのを感じる。
少し心配になった僕は
彼女の表情を伺う。
瑠璃
唯人
彼女の表情を伺った途端
倒れ込んでしまった。
唯人
ただどうすることもできずに
何事もないことを祈るだけ。
僕にできることはこのくらい。
そんな無力な自分に
腹が立つ。
"診察中"と書かれた扉の奥に
彼女はいる。
翔真
翔真
救急車には僕だけが乗るつもりだったが
「俺も行く」
と翔真も着いてきた。
唯人
翔真
瑠璃とは家が隣同士だったため
記憶が芽生えた頃からずっと一緒だった。
学校も登下校も放課後も。
幼馴染みだからと
いつしか隣にいるのが
当たり前になっていた。
だからあの日急に瑠璃が
引っ越すと言ってきて驚いた。
翔真
翔真
俺の問いかけに瑠璃は一切
答えてくれない。
「きっとまた会えるよ」
「元気でね」
瑠璃は呆気なく俺の前から姿を消した。
1番瑠璃の家族のことを知っている
母親に聞いても
分からないの一点張り。
俺はそれから数ヶ月
生きた心地がしなかった。
そんな小学6年生の冬のことだった。
翔真は淡々と過去の出来事を
話してくれた。
翔真
翔真
翔真
翔真
初めてこんな翔真を見た。
苦しそうで今にでも
潰れてしまいそうな様子を。
椅子に座り、 前かがみの姿勢で下を向いているため
どんな表情をしているのかは分からないが
想像はつく。
翔真
翔真
翔真
翔真
翔真
病院に来てから1時間程たった頃。
ようやく面会許可が降りた。
瑠璃
彼女はいつも通りの笑顔でそう言った。
その表情を見て少し安心したが
少し目線を下ろすと
現実を突きつけられた感じがする。
右腕には点滴。
左右の腕には
機械に繋がっている管がたくさんある。
今にでも死んでしまうかもしれないと
少しだけ思ってしまった。
瑠璃
唯人
翔真
瑠璃
瑠璃
あぁ
なんでだろうか。
もしかしたらと
最悪の場合を考えてはいたのに
現実を突きつけられたら
嫌だと体が拒絶する。
いや、
分かりきっていたことじゃないか。
それに出会って数ヶ月だ。
僕はただの彼女のマネージャーだ。
何をこんなに落ち込んでいるんだ。
瑠璃
瑠璃
瑠璃
瑠璃
瑠璃
瑠璃
瑠璃
瑠璃
瑠璃
瑠璃