浩司
おい
裕太
なんだよ
浩司
どうしよ
浩司
マンホールに体挟まった
裕太
は?
裕太
やめろよそんな冗談
浩司
マジだって!
浩司
やべえよ…
浩司
腰痛い…
裕太
マジで言ってんの?
裕太
てかこんな夜中になにしてんだよ
浩司
塾の帰りだよ
浩司
塾長に雑用頼まれて遅くなったんだ
浩司
おかげで周りに人はいねえわ
浩司
家に連絡つかないわでもう散々
裕太
マジか
裕太
ちょっと待ってろ
裕太
お前ん家の近くにあるマンホールか?
裕太
チャリで10分で行く
浩司
マジかよ!
浩司
ちょ、おい
浩司
実は
浩司
嘘でした!
浩司
引っかかってやんの笑笑
浩司
なあ
浩司
嘘だよ
浩司
今日お前の誕生日だろ?
浩司
だからイタズラサプライズ的なお祝いよ
浩司
嬉しいか?笑
浩司
おーい
浩司
裕太ー
1ヶ月後
秀樹
なあ
秀樹
今日あいつの月命日だよな
秀樹
だいたい、なんであんな夜中にチャリ漕いでたんだろうな
浩司
……
秀樹
なに?
秀樹
どした?
浩司
実は、
浩司
全部俺のせいなんだ
秀樹
は?
秀樹
どういう意味
浩司
俺、あの日あいつの誕生日だって思って
浩司
ちょっとしたサプライズ仕掛けようと思ったんだ
浩司
ちょうど塾の帰りにマンホールの前通りかかったから
浩司
それをネタにして
浩司
マンホールに体挟まったって言った
秀樹
馬鹿だろお前
秀樹
誰も信じねえよそんなん
浩司
だよな
浩司
あいつも最初信じなかったけど
浩司
色々うまく言ったら信じて
浩司
助けに行くって言いだしたんだ
浩司
だからネタばらししたんだけど
浩司
もうあいつスマホ見てなくて
浩司
俺のところに来る途中、事故に遭った…
秀樹
……
秀樹
だからお前葬式来なかったのかよ
秀樹
自分のせいだって怖くて
浩司
そうだ。ごめん
浩司
どう謝ったって取り返しつくことじゃねえけど
秀樹
まあ、そうだけど
秀樹
ちゃんと謝るべきだよ
秀樹
俺に謝ったってダメだろ
秀樹
ちゃんとあいつのとこに行け。家で眠ってると思うから
浩司
ああ。そうする。
数時間後