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月の光を辿って

第2話 - 第2話家の捜索

2024年12月15日

#一次創作

#ファンタジー

#バトル

宵月シノ

イザヤ

さて……。

イザヤ

どこから向かう？

霽月

どこでもいいんじゃない？

イザヤ

お前の家の捜索だぞ？
何かしら思い出せることとか無いのか？

霽月

無い。

イザヤ

無いのかよ……。

スイ

でも、どうするんです？

スイ

ヒント無しで霽月さんの家を探すんですよね？

スイ

ここは無難に聞き込みでもして情報を集めるのはどうですか？

イザヤ

それもそうだな。

イザヤ

よし、霽月についての情報を集めるぞ。

十分後……

イザヤ

……駄目だな。全く情報が集まらない。

イザヤ

お前の顔見ても全員知らないとしか言わなかったぞ？

霽月

あたしに言われても。

スイ

この調子じゃ日が暮れてしまうんじゃ……？

イザヤ

そうだな。どうする？

霽月

あたしは知らない。

イザヤ

だから……。
お前の家の捜索なんだっつーの。

霽月

そう……。

スイ

（やっぱり変わってるなぁ……。）

スイ

……？

すると、スイの耳に集落の住民達の会話が聞こえてきた。

住民

いやぁ……災難だよなぁ。
あそこの家、火災に見舞われたんだってよ。

住民

怖いな。乾燥してるしな……。

スイ

火災……。

イザヤ

……それだ！

霽月

何急に。

イザヤ

その家に霽月に関する情報があるかもしれない。

イザヤ

火災の現場に向かうぞ。

スイ

……はぁぁぁぁぁ？

霽月

はぁ？

スイ

イザヤさん、変わった患者さんを診察しすぎて気が狂ったんじゃないですか？

霽月

同感。

イザヤ

否定から入るタイプ？？？

霽月とスイは物凄く呆れた様子でイザヤを見ていた。

スイ

集落の家が火災に見舞われただけですよ？

スイ

ちょっと時期が被っただけでそこが霽月さんの家だなんて有り得ないじゃないですか。

霽月

イザヤだったっけ。

霽月

あたし、あんたがどんだけ多忙かは知らないけど……ドンマイ。

イザヤ

お前まで！？

霽月とスイは最早イザヤを慰めている。

イザヤ

あー、だが、どうだ。

イザヤ

今は手がかりの一つも無い訳だし、行ってみた方がいいんじゃないか？

イザヤ

そもそも霽月の家がここにあるかどうかも分からないのに探してる時点で俺達無謀だろ？

それは言ってはいけないお約束だ。

ひとまず、手がかりが見つからなかった霽月達は、その火災に見舞われた家というのを住民達に聞いて行ってみた。

霽月

ここがその火災に見舞われた家か……。

イザヤ

この家を見て、何か感じるか？

霽月

いや、何も。

火災で燃えたという家の前にやって来た3人。イザヤが霽月に問いかけるが、霽月は特に思うことは無い様だ。

スイ

……誰も居ませんね。人手不足ですか？

イザヤ

ふーむ……。

イザヤ

本当にそうか？

霽月

居ないんなら都合いい。
さっさと入って調べないと。

スイ

でも本当にここが霽月さんの家なんですか？

スイ

霽月さん、この家を見て何も感じていない訳ですし……。

スイ

家なら何か思うところがありますよ。

イザヤ

それもそうだな。

イザヤ

しかし……

霽月

何？さっさと入るんでしょ？

スイ

どうしたんですか？

イザヤ

……いや、なんでもない。

イザヤ

さっさと入って調べるぞ。

スイ

うーん……。

スイ

何も無いですね。
家具もベッドくらいしか無いですし。

霽月

……変わってる。

家に不法侵入をした3人。スイは家具の少なさに驚き部屋をずっと見渡していた。

勿論、この部屋だけが、という訳でも無い。他の部屋も同じ様な光景だったのだ。

イザヤ

さて……どうする？

イザヤ

特に収穫は無さそうだが……。

スイ

もう次の部屋で最後ですよ。
どうするんですか？

スイ

この家に不法侵入してみるかと言ったのはイザヤさんですよね。

イザヤ

人聞きが悪いな……。

霽月

でも、要約して限りなく簡単に言ったらそうなるんじゃない？

イザヤ

限り無く簡単に要約し過ぎじゃないか？

パサッ

霽月

……何これ。

スイ

……？

スイ

何か見つけたんですか？

霽月

これなんだけど……。

イザヤ

何だこれ、カードか？

スイ

そうみたいですね。

スイ

えっと……これ……

霽月

？

イザヤ

……霽月には見覚えが無い様だな。

イザヤ

どれ、見せてくれ。

イザヤ

───このカード、見覚えがあるな。

イザヤ

何のカードかは覚えていないが。

スイ

え？そうなんですか？

スイ

何で？

イザヤ

知らない。

霽月

それじゃ、さっさと最後の部屋行こう。

霽月

ここは……どこだここ。

スイ

占い専用の部屋……ですかね？

霽月

占い専用の部屋？？？

イザヤ

家主は占い師なのか？

スイ

あぁ、この集落には占い師が結構居まして。

スイ

占い師の方々は自分の占いの為に占い専用の部屋を作る方も居るそうですよ。

霽月

はぁ〜……。

スイからの説明に、霽月は頷きながら占いの道具を興味深そうに見つめている。

すると、突然霽月が見ていた本棚の影から筋肉質な男が現れた。

泥棒

……っくそ！

泥棒

他に同業者が居るなんて聞いてないぞ！

泥棒

あの男……簡単な仕事だと嘘をつきやがって！

スイ

なっ……誰ですか！？

泥棒

誰だとは何だ！

刃物を持っていた男はスイに襲いかかってきた。

泥棒

殺す！殺してやる！

泥棒

死ね！

スイ

え、ちょっ、えっ！？

イザヤ

スイ！！

スイ

いやぁぁぁぁ！

泥棒

……

泥棒

うっ、ぐえっ……。

突然襲いかかってきた男に取り乱してしまったスイは、部屋にあった本で男を殴り気絶させた。

霽月

本の角で気絶って……

霽月

確かにギリギリ凶器になりそうだけど。

スイ

こ、混乱してしまったんです！

スイ

でもこれで倒せたじゃないですか！

イザヤ

……この男はどうする？

スイ

どうしましょうね……。

霽月

置いていけばいいんじゃない？

スイ

うんうん……。

スイ

───え？

霽月

自分で起きるか誰かに見つけられるかはするでしょ。

イザヤ

お前……結構いい性格してるよな……。

霽月

どうも。

スイ

多分褒めてないですよそれ。

霽月

知ってる。

イザヤ

さて、もう外も暗くなってるな……。

イザヤ

霽月は帰る家が無いみたいだが、どうするんだ？

霽月

……考えてなかった。

イザヤ

……まぁいい。

イザヤ

宿を取るにしてもお前金持って無さそうだし、今日は俺の診療所に泊まれ。

イザヤ

明日からのことならこれから考えればいい。

霽月

……そうだね。

霽月はなんやかんやあってイザヤの診療所に泊まることとなった。

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宵月シノ

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