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"奏"と"かな"は別人だ。

"奏"は嘘つきだ。

"かな"は小鳥の前での自分。

誰かに"かな"と呼ばせることは許さない

俺は小鳥だけの"かな"でありたい。

"奏"は大嫌いだ。

俺の中の"奏"は、もう…

死んでいるんだ。

小鳥

かな、最近変だよね……?

……

小鳥

もしかして、昨日言ったこと?

小鳥

ごめん、

小鳥

謝るから。

なんで、小鳥が謝るんだよ

悪いのは俺じゃん

お願いだから、話しかけないで

小鳥

っ……

小鳥

ごめ、ん

(話しかけないでって、傷つけたかな…)

ケホッ

小鳥

(あれ、かながいない)

小鳥

(朝はいたのに。)

先生

空野(そらの)。

小鳥

あっ、はい

先生

乙夜(おとや)はどこだ?

小鳥

え、それが、私にも分からなくて……

鈴音

奏、朝から様子おかしかったよな。

鈴音

喧嘩でもしたのか?

小鳥

喧嘩なんてした覚えないの。

天音

小鳥ちゃんも知らないとなると…

天音

誰にも分からないよね。

小鳥

(かな………どこ?)

小鳥

(かな、体育の授業にもいない…)

小鳥

(体育好きなハズなのに……)

小鳥

(なんで、あんなに怒ってるの?)

小鳥

(なんか、かながいないと寂しいな……)

天音

(小鳥ちゃん、体育館の隅で座ってる…)

天音

(奏くんといつも一緒だったからな、)

天音

ったく、こんな可愛い彼女を置きっぱにしてどこ行ってんだよ〜

鈴音

俺、知ってるよ

天音

わぁっ‼

天音

もぅ、あんた影薄すぎなのよッ‼‼

鈴音

あはは

小鳥

(天音ちゃんと鈴音くん、仲良さそう)

小鳥

(私たちは仲良くなかったのかなぁ、)

鈴音

多分、奏は保健室にいるよ

天音

なんで分かるの?

鈴音

なんとなく。

天音

へぇ〜

鈴音

一緒に行こう、奏のとこ

天音

じゃあ小鳥ちゃんも…

鈴音

ダメ

天音

え?

鈴音

2人で。行くよ

天音

わぁ、ちょっと‼‼

小鳥

(あれ、どこ行くんだろう)

小鳥

もう、何もやる気出ないな…

ガラッ

鈴音

鈴音

いるんだろ?

鈴音

おい

シャッ

なんで、

鈴音

なんでって

鈴音

親友だからな

そうか

鈴音

お前、どうした?

天音

小鳥ちゃんと喧嘩したの?

喧嘩?

子供かよ、

鈴音

お前に熱があるのは知ってる。

鈴音

他にもう1つあるだろ。

天音

え、熱?

お前、エスパーかよ

そうだけど、だからなに?

鈴音

聞かせろ。

言っても意味な……

鈴音

有るか無いかは聞いてから。

鈴音

早く話せ。

はいはい。

最近、俺が死ぬ夢をよく見る。

本当に死んでる訳じゃない。

死ぬ前に目が覚める。

俺は、小鳥に拒絶されて

自殺するんだ。

他にも。

小鳥が歌を歌ってるんだ。

その歌は昔、まだ幼稚園に通ってた頃。

親の迎えを待ってるときに一緒に歌ってた歌なんだ。

いつものように、親が来るまで歌ってる。

小鳥は、小鳥パパに迎えに来てもらえる。

笑顔で、嬉しそうに小鳥パパに飛びつく。

でも、俺には永遠に迎えが来ない。

俺は、小鳥に声をかけた。

でも、一切こっちを振り向かない。

聞こえてない。見えてない。

家族がいない俺には、唯一の小鳥に無視されることが1番辛い。

そしたら俺はいつの間にか、眠ることが怖いんだ。

一度。

夢の中で。

「"奏"が大嫌い。」

小鳥にそう言われたんだ。

歌うように、サラッと。

だから、俺は"奏"じゃなくて

"かな"でありたいんだ

小鳥が優しく音を奏でる【投稿終了】

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