太宰
波の音が漂う、濃く深い海…
其の淵に一人_太宰は遠くを見詰めて立っていた
太宰
暫くすると後ろから聞き覚えのある足音が聞こえてきた
太宰の後ろ迄来るとぴたりと止まる
太宰
誰が来たのかなんて振り向かずとも分かった
太宰は前を向いた儘ぽつりと呟き
そしてゆっくりと振り向いて噛み締める様に云った
太宰
太宰
ポケットに手を突っ込み何処か儚げに笑う
中也
後ろでそう云う青年_中也は肩を竦める
中也
中也
太宰の隣まで近付いて来ては海を眺める
そんな中也へ太宰は顔を向ける
太宰
太宰
中也
太宰
そして又もや目線を海へ戻す
中也
太宰
太宰
中也
太宰
中也
中也
中也
太宰
中也
中也
中也は急かすように太宰の顔を見る
何時もみたいに巫山戯た面して笑ってるんだろうなと思った矢先…
太宰に目が離せなくなった
今迄には見たことも無い程真剣な顔付きで、目を離したら今にも消えてしまいそうな透明感があった
中也
太宰
中也の言葉を遮るように太宰が優しく話し出す
太宰
太宰
太宰
中也
太宰
太宰
中也
太宰
太宰
太宰
太宰
そして太宰の眼から一筋の泪が流れる
中也
いつか『泪は透明な血』と聞いた事がある
今、其の意味が分かったような気がした
太宰
太宰
中也
太宰の心はもうずっと壊れた儘なのだろう
これからもきっと、治ることはない
そして其れを治せるのは、俺じゃない
たった唯一無二の、太宰の友人だけ
だけど、
中也
中也
太宰
治せないのが俺じゃなくても
心を埋められる"何か"はきっとある
俺にしか太宰に出来ない事がある筈だ
太宰
太宰
太宰
中也
中也
太宰
太宰
中也
中也
中也
中也
太宰
中也
中也
太宰
中也
中也
そして中也は太宰の腕を強く引っ張り共に海へと身を投げた
中也
中也
太宰
中也
暫く海に流れた後、 太宰と中也は陸へ戻ってきた
中也
中也
息を整えて腰かける
太宰
太宰
珍しく太宰が声をあげる
中也
太宰
中也
中也
中也
太宰
太宰
中也
中也
太宰の目の奥が少し揺れる
太宰
太宰
中也
太宰
太宰
太宰
中也
太宰
太宰
中也
太宰
太宰
太宰
中也
太宰はむくりと起き上がり服を軽く絞る
太宰
太宰
太宰
太宰
中也
太宰
太宰は軽く嚔をして身震いする
太宰
中也
中也
太宰
中也
♢
結局看護師並に(?)看病した
おわり
コメント
74件
んふふふふ()
好き…流石だよ、天才だよ、語彙力神だよ…今日も生きられる…中太最高