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➰ ✿ nrkr
32
りおん
5,264
みかんのかんずめ
246
午後。
薬を飲み終えたこさめたちは、広場でいつものようにすごしていた。
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いつもの笑い声。
昨日までなら、何も気にしなかった。
けれど今は、机の上に置かれた薬袋が目に入るたび、いるまは少し黙りこむ。
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こさめは二人の顔を見る。
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三人の間に、静かな空気が落ちる。
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その時。
広場の扉が開いた。
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三人が一斉に振り返る。
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笑い声が広がる。
けれど、いるまだけはらんをじっと見ていた。
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らんの笑顔が止まった。
ほんの一瞬。
けれど、今度は誰も見逃さなかった。
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隠す必要もないかと思い,直接言う。
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空気が変わった。
らんは三人を見つめる。
しばらくして、ゆっくり息を吐いた。
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言葉が続かない。
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らんは目を伏せた。
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声が震えている。
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らんは答えられなかった。
その時、廊下からすちの声が聞こえる。
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すちは扉の前に立ったまま、三人を見る。
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らんが立ち上がる。
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らんは振り返る。
しばらく何も言わなかった。
それから、いつもの笑顔を作る。
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扉が閉まる。
こさめは、その背中を見続けた。
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その頃。
廊下の先にて。
らんはすちと並んで歩いていた。
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すちは足を止める。
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らんは答えなかった。
ただ、白い廊下の先を見つめていた。
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その声は、かすかに震えていた。
そしてらんは、誰にも見られないように、左腕の袖を少しだけ握りしめる。
そこには、古い傷跡が残っていた。
何年も前についたもの。
誰にも話していない、過去の証。
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その言葉の意味を、すちは何も聞かなかった。
ただ、再び二人は歩き出す。
その頃広場では、こさめたちが何も知らずにトランプを広げている。
笑っている。
いつも通り。
けれど、その「いつも通り」は少しづつ崩れ始めていた。
コメント
1件
キターーーッ!!😭💕 今回のエピ、めっちゃ胸に来たよ…! こさめが「なんで謝るん?」って言ったとこ、本当にそうだよって思ったし、らん先生の「俺だってつきたくて嘘ついてるわけじゃない」の震え声が脳裏に焼きついて離れない…。 過去の傷跡握りしめてる姿、もう泣きそうになったよ😢💔 みんなの“いつも通り”が少しずつ崩れていく感じ、すごく伝わってきた…続きが気になりすぎる!!