由利香
由利香
由利香
陽葵
陽葵
私は気が付いたときには
一人っ子でした
中学二年までは
姉がいるだなんて知らなかった
陽葵
陽葵
陽葵
お母さん
お父さん
お父さん
お父さん
陽葵
親の言うこと全部聞いて
“いい子”にしていた
友だち
友だち
友だち
陽葵
友だち
陽葵
友だち
友だち
陽葵
友達はほめてくれるけど
親は百点じゃなきゃ
お父さん
陽葵
陽葵
お母さん
陽葵
陽葵
お父さん
お母さん
お母さん
お父さん
この生活が当たり前
親をがっかりさせないように
そんな、生活が続いていた
そんなあの日
陽葵
陽葵
知らない部屋を見つけたんだ
好奇心で入ってしまった
陽葵
小さな金庫があった
陽葵
開いていたから開けてしまった
陽葵
陽葵
陽葵
その紙には子供を売ったことが
書いていた
陽葵
陽葵
お母さん
お母さん
陽葵
陽葵
お母さん
お母さん
お母さん
陽葵
お母さん
陽葵
お母さん
お母さん
お母さん
その時誓った
私が由利香さんを見つけて
罪を償うって
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