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澪へ これを読んでいるということは、過去に戻れる羽根ペンを使ったようね。過去に戻ったらあなたが未来から来たことは誰にも言えない。この原稿はあなたが過去に戻る度に1文ずつ埋まって、いっぱいになるともう過去には戻れなくなる。
澪
原稿用紙がいっぱいにになると もうやり直せない。
でも小さな原稿用紙の残りは あと1文がやっと書けるくらいしか 残っていなかった。
澪
澪
無意識に震えるこぶしを握った。
目の前は真っ黒になった。
11月13日午前6時
澪
体調が悪いと言って学校を休んだ。
7時半に父さんが起きてくる。
朝食を食べた父さんは 8時半に会社へ出かけて行った。
そこからは何もなかった。
ただ時間だけがすぎていく。
塾も休んだ私の前に父さんが 再び現れたのは午後22時頃。
完全に酔って帰宅した。
澪
父さん
様子がおかしい
目は虚ろで口を大きく開き 苦しげにうなり声をあげている。
澪
澪
だめだ。
私の声は届いていない。
私を押しのけるように父さんは 冷蔵庫へと突き進む。
冷蔵庫に酒はもうない。
それに気づいた父さん。
灰色の目が母さんを捉えた
澪
声はかすれ、足はすくんで動かない。
母さんを救えない。
涙すら出ない私は
震える足を 羽根ペンで思い切り刺した。
滲み出る血。
周りの空気がどるりと歪む。