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桃赤

モブ

そういえば明日引っ越すの?

モブ

莉犬くん

…………

モブ

あっははw相変わらず冷たいねー

俺は…お金さえ貰えればいいんで

ベッドの隣に置かれている棚の脇にある1万円札を手に取り財布に入れる

バタンと扉を閉めて出口へと向かう

………………

口の中が苦い

苦くて苦くてたまらない

無意識に手で口を覆い下唇を噛んだ

玄関のドアを開けると煙草の臭い匂い

足を動かしてリビングに行けば開いたドアの衝撃で何本もの空き缶が転がった

たまたま足元にきた一つの缶を手に持ち視線を動かすとテレビを見ながら煙草を吸って大きなボトルを手に持っている男

モブ

金は?

おかえりも何もなしに手だけを差し伸べる

その手の上に今日稼いだ分のお金を置くと乱暴に数え始めた

モブ

10万?たったの?ふざけんじゃねぇ!!

モブ

どうやって生活しろってんだよ!

俺の手よりも遥かに大きい手で右頬を叩かれた

部屋にはテレビの音と乾いた音が響く

たったの10万でもこっちは1日で10人以上も相手にしてきたんだ

……………約束は守った。もう500万なんてとっくに超えてる。だから家を出る

金ぐらい自分で稼いで欲しい

モブ

いつからそんな生意気な事を言うようになった!?誰のおかげでここまで育ったと思ってる!俺はお前をそんな奴に育てた覚えはない!

俺だって育てられた覚えはない

「それでは」と軽くお辞儀をして家を出た

少し先には桃髪の彼が立っていて早足で近づく

するとギュッと彼の体温に包まれた

………さとみくん

お疲れ様、莉犬

よく、頑張ったな

優しく頭を撫でる彼に何かが崩れ落ちるように涙が溢れてきた

次々とこぼれ落ちる涙を彼はずっと拭ってくれた

そっとさっき叩かれた方の頰に手が触れピクっと肩が動いた

それを見た彼はどこか怒ったかのような表情を浮かべる

不思議に思い見上げているとまた優しく微笑んだから気のせいだと思い涙を止めることに集中した

それでも一向に止まらない涙に次第と頭が痛くなってくる

優しく名前を呼ばれまた見上げると、グッと距離が縮まって唇を塞がれた

突然のことに目を見開くが、俺は目を閉じて受け入れた

しばらくしてゆっくりと離れていく彼と目が合う

泣き止んだ…な

あ…

まだ目尻に残っている涙を拭く

気がつけば口の中は甘く感じた

莉犬。あそこに車があるからそれに乗ってちょっとだけ待ってて

キュッと彼の袖をつまむ

大丈夫。すぐに戻るから

そんな彼は安心させるように微笑み頭を撫でて俺を抱き上げた

車のドアを開けて俺を下ろすと彼は額にキスを落としドアを静かに閉めた

小さくなっていく彼の背中を見つめ出会った頃を思い出す

いつものようにイ○スタのDMをチェックしていた時、初めて彼からメッセージが届いた

内容は他の人と一緒

俺は普段から初めての人たちを中心に相手にしていたので彼とはその日の夜に会うことになった

またいつもの事を繰り返すと思っていたのに彼だけは違った

気持ちいいなんて感じなかった俺を感じさせた

不思議な奴

それが第一印象だった

次第に俺は彼に惹かれ、彼から告白されて受け入れた

ほんと……不思議な奴…

ボソッと呟いて俺は眠りに入った

まどろみの中暖かいものに包まれている感覚がして目を開ける

あ、起こしちゃった…?

見上げれば眉を下げて困ったような表情をする彼に首を振る

しばらく彼の体温を感じながら話していると車が止まり、彼は俺を抱いたまま車から降りて彼の家に足を進める

彼の首に腕を回しチラッと前を向くと何人かの黒スーツを着た人たちが大きな袋を運んでいた

疑問に思っているとガチャっとドアが開く音がして彼の見る方向に視線を向ける

優しくベッドに降ろされ彼に押し倒された

莉犬…消毒、していい?

…うん。お願い

その言葉に彼は俺の唇を塞いだ

~ end ~

下書きにあったものです

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コメント

11

ユーザー

フォロー必要します🍀*゜

ユーザー

ブクマ失礼します!

ユーザー

フォロ失です!

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