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あの子の日記

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あの子の日記

2 - プロローグ2

♥

7

2019年07月20日

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2年生の夏休みが終わりを告げ、夏の暑さが少し残る頃、美里はこの高校に転入してきた。

始業式が終わり私が教室へ戻ると

彼女の机の周りには既に人が集まり、彼女は質問責めにあっていた。

何で引っ越してきたの?と聞かれた彼女はニコッと微笑み

「親の仕事の都合で長野の田舎の方から引っ越してきた。」

と言っていたのをよく覚えている。

彼女が言うにはこれまで住んでいた場所は、どうにも田舎すぎて毎日退屈していたらしい。

この辺りを案内してほしいという彼女の言葉から、この週末に歓迎会をしようという話になった。

屈託のない彼女の笑顔と明るい性格は 男女問わずクラスメイトを彼女に惹きつけ、転入から一ヶ月が経つ頃にはクラスの人気者の一人となっていた。

そう

彼女が自殺をするまでは。

7月18日 美里が自殺をしてから16日 2-Cにて

麻友

野球部の練習終わったみたいだから、今日はもう帰るね

麻友

バイバイ!

そら

ばいばーい

今日は豪雨のため野球部の練習が早く終わり、麻友は陽太と先に帰ってしまった。

30分後

そら

(宿題も終わったし、今日はもう帰ろうかな)

私は宿題を終え、1階のロッカーへと向かった。

ガチャ

私のロッカーを開け中を見ると、中には見慣れない分厚いノートが入っていた。

そら

(こんなの持ってたっけ…?)

恐る恐る手に取り、表紙を見る。 ノートの間から紙が挟まっているのが見える。

そら

(なんだろうこの紙…)

俊介

今から帰るの?

そら

わっ!!!

俊介の声に驚いた私は咄嗟にノートをカバンの中に突っ込んだ。

俊介

そんなに驚かなくてもいいじゃん笑

話しかけてくる俊介を横目に、私は学校を後にした。

慌てて持って帰ってきちゃったこのノートどうしよう…

何で私のロッカーに入れられてたの…?

明日持ち主に返しに行かないと…

っていうか、これ誰の?

返しに行くにしても、誰のかわからなかったら返せないじゃん!

持ち主には悪いけど、中をのぞいてみよう

少しだけ…

私は恐る恐る分厚いノートを開いた。

これは…!

美里の日記帳

何で私のロッカーにこんなものが…?

美里の日記を誰が私のロッカーに…?

誰が何のために…

そら

わっ!!!

そら

(びっくりした… なんだヤッホーニュースか…)

そら

(ん? 俊介からLINE来てる… 気付かなかったな…)

俊介

今日驚かせちゃってごめんな

そら

大丈夫だよ!

俊介

なんかめっちゃ慌てて帰ったけど、なんかあったの?

そら

(日記の件を言うべきなのか…)

そら

特に何もないけど驚いちゃたのが恥ずかしくて、逃げちゃったの

俊介

よかった!
俺なんかしたかなと思って心配してたんだ〜

そら

無駄な心配させてごめん!

俊介

そういえばさ

俊介

そらって何で美里が悩んでたとかっていう話聞いたことある?

そら

ないよ!

そら

どうしたの急に?

俊介

最近ずっと警察の人が学校に来て話聞きまわってるじゃん?

俊介

今日俺呼び出されてさ
警察の人に聞かれたんだ〜

俊介

俺まだ信じられないんだよね
あの美里が自殺するなんて…

そら

そうだね…

俊介

美里が何か言ってなかった?
悩んでるとかいじめられてるとか

そら

特に何も言ってなかったよ

そら

クラス変わってからは話もしてない

俊介

そうか…

俊介

医者とかもないから、警察の人もまだ美里が何で自殺したかってわかってないんだって

そら

そうなんだ…

俊介

ごめんな
こんな話

そら

大丈夫だよ!

そら

(この美里の日記の話、陽太にするべきかな…)

そら

(私が持っておくわけにもいかないし…)

美里の日記から一枚のメモが落ちた。

そら

(何か書いてある…)

紙に書かれた文字は滲んでいて読み解くことはできなかった。

そら

(もしかしたらこれを読めば美里が自殺した理由がわかるかもしれない…)

私はこの日記帳を前から順に読むことにした。

そら

(この学校に来てからの日記が書かれてある…)

そら

(一番最初は9月6日の日記だ…)

そら

(あの日は確か…)

. . . . . . . . . . .

2018年 9月6日 美里が転入して4日 1-Cにて

美里はすっかりC組に馴染み、私たちのクラスの女子数人で、放課後美里を囲んで話をしていた。

アヤ

前住んでたところってどんなところだったの?

美里

ほんとに何もないところだったよ

美里

この辺りとは大違い

さくら

前の学校では部活はしてた?

美里

中学の時からずっとテニスをやってるよ

さくら

じゃあ、テニス部に入るの?

アヤ

そらもテニス部だしいいんじゃない?

美里

テニスはもうやらないんだ

私がなぜテニスやらないのか聞こうとした時、みんなの携帯から一斉に通知音が聞こえた。

アヤ

陽太がクラスラインで「歓迎会どこにする?」だって

さくら

美里は何食べたい?

美里

私はなんでもいいよ

美里

この辺りでオススメのお店はある?

そら

駅前の焼肉屋さんはどうかな?

さくら

いいね!

アヤ

賛成!

結局、美里の歓迎会は私が提案した駅前の焼肉屋さん「どんだけ屋」で行われることになった。

そら

今日はもうそろそろ帰らない?

さくら

そうだね、早くでないと門閉められるしね

私はまだ知らなかった

この一冊の日記帳が私たちの人間関係をすっかり変えることになるとは

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