死にたかった子たちの“ゆかい”な生活

そして現在

第2グループと第3グループに第1グループが合流する

狂無の血でできた糸は第1グループに向かっていく

未彩と薫は血糸を能力を使って避ける

そして、香羅の方に向かう血糸から身を守るため、香羅は両手を前へ突き出し、そこを中心として青白いバリアが展開される

バリアに直撃した血糸は血液に戻り、バリアを伝う

次の攻撃を繰り出そうとする狂無の前方には高く飛び上がった志杏

志杏は自身と斧の重力を軽くした状態で狂無に向かって斬りかかっている

が──

帷は時を停め、志杏と狂無の間に立ち、薙刀を構える

自分の軌道上に帷が現れたことを視認した志杏は、能力で自分の重力を反転させ、帷から距離をとる

未彩は能力で帷の背後に立ち、ナイフで首を斬る

ザシュッ

ー帷 脱落ー

漆不は影を操り自分の正確な位置を視認させないようにする

未彩は漆不から距離をとる

トン……

未彩の肩に何かが触れる

そして振り返るとそこには羽百の姿

羽百の指はつうっと未彩の肩をなぞり、耳元で囁くように聞こえるのは──

未彩は腕を抱えるようにしてうずくまる

その体内では羽百の炎呪が蝕んでいる

香羅は森の茂みから、薫は上空から、羽百に向けて雷魔法を放つ

バチバチっ！

羽百に被弾する直前、羽百の目の前で魔法は火花を上げる

結花が雷魔法に炎属性の矢を当てたことによって火花が発生したのだ

漆不が唱えると、結花と羽百の足元で影が蠢く

薫は高く飛び上がり、漆不に向けてステッキを構える

ピシャンッ！！

雷は音と同時に漆不の体を貫く

ー漆不 脱落ー

その瞬間、炎を纏った矢が薫の真横を通過する

結花は弓を引きながら言う

薫は飛び上がる

未彩は肩を抱えたまま、炎呪を解除するため魔法を唱える

その目はしっかりと戦況を把握しようとしていた

羽百が未彩に近付こうとすると……

狂無の血糸が羽百の背後に迫りゆく

羽百が血糸に気付いた時には、既に羽百は体を貫かれていた

ー羽百 脱落ー

狂無は未彩の方を向き、手を伸ばして唱える

同時に血糸は未彩に向かって伸びていき──

──ガキンッ！

血糸は金属によって弾かれ血に戻る

未彩庇うように立っているのは志杏

彼の持つ斧には血が付いていた

志杏は狂無の方に引き寄せられるように飛んでいく

こんな大事な場面で？

それはさておき

バシュンッ！

狂無が向かってくる志杏に能力を使おうとすると、狂無の足に矢が刺さる

ザシュッ！

志杏は斧を上から下へと振り下ろし、狂無を斬ると同時に着地する

ー狂無 脱落ー

第3グループ 全滅

結花と志杏は第1グループの方を見る

そこでは未彩が香羅に支えられながら立ち上がっていた

数秒ほど見つめ合い、同時に動き出す

志杏は香羅に引き寄せられるように飛び、未彩は結花の背後へ瞬間移動

薫は真上に飛び、香羅は結花へ放つためボーリング玉程度の大きさの氷を生成し、結花は矢を構える

結花は未彩へ狙いを定めようとしたが既に姿は見えない

未彩は叫びながらナイフで結花の首を斬り、血飛沫を浴びる

ー結花 脱落ー

魔法を放つ相手がいなくなった香羅は目で志杏を探す

次の瞬間、志杏が香羅の目の前に現れる

香羅は生成していた氷で志杏の斧を防ぐ

ガシャン！

氷は砕け、破片が散っていく

香羅が一息ついている

志杏は後ずさった香羅を追いかけ、再び斧を振るう

ザシュッ！

ー香羅 脱落ー

志杏が未彩を指差し、重力の対象にしようとする

上空からは、気の上で待機していた薫が飛び降りてきて、志杏に炎と雷が迫ってくる

ドカーン！！！

ー志杏 脱落ー

第2グループ 全滅

優勝 第1グループ

2人が勝ちを喜んでいると、どこからともなく穂架の声が聞こえてくる

そして、未彩と薫は意識を失う

こうして、穂架主催のイベントは幕を閉じたのだった