テラーノベル
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ザッ…ザッ……
ブルー
ブルー
はぁはぁとじっとりとした息を吐き、腰に刺さった槍に手をかける
ブルー
ズッ。
ブルー
少し上に引き上げただけで激痛が駆け巡る
これを抜くなんて下手したら…言い表せない形で絶望を産むだろう
ブルーはさっき上げた時に吹き出した血を確認した、 その時
視界がぐるりと一回転した
ブルー
本当に、意識が飛んでしまいそうだった
出血が酷すぎて、体の一部が亡くなっているのだろうか
考える余裕だって無い。
ブルー
ブルー
ブルー
ブルー
卑劣な面があるのは変わんねぇよな……
ブルーはそっと目を閉じる
もう、自分が、何をしたらいいのか、今どうなっているのか───
ただただ、分からなくなっていた。
そして、どうしようもない寂しさ。
ブルー
____カチャッ……
ブルー
首に下げたネックレスがぶつかって音を鳴らす
彼はその方に目を落とすと、鍵と南京錠の飾りが、銅色に光っていた
____彼はそれを見ると、澱んでいた瞳が、いつの間にか輝いていた
ブルー
ブルーは熱くなった手の平で飾りを上から包み握った
ブルー
灯火を灯す瞳を”彼”に移すと、瞼で瞳を隠していた
息も、前の「俺」より荒々しく、ツーと、細く血が地面に流れ落ちていた
悪夢を見ているようなその顔に、彼は言い知れぬ悲しさや…己の無力さを感じた
ブルー
ブルー
ブルー
裾が切れた右腕に鞭を打って、刺さっあ槍を掴む
”彼”に視線を移すと、数少ない力をかき集め、槍をに向けて目いっぱい手を開いた
ビシャッ
溶けたチョコレートのように、生命が流れた
ザッザッザッ!
すまない先生
すまない先生は目を覚ました
見れば泥人形が目の前に。
すまない先生
すまない先生
出血している全身を爪を立てて抑えながら、泥人形を見上げた
こいつが…薄気味悪く笑っている気がする
───無論人形は表情を変えないが。
その時、すまない先生は確信した
すまない先生
すまない先生
すまない先生
すまない先生
すまない先生は虚ろになりかけている瞳で人形を見つめ続け、血だまりの中で剣を掴む
すまない先生
すまない先生
足を助け出すのは捨てて、せめて奴を弱らせようと、必死に上半身を上げて剣を構えた
すまない先生
刹那
ズシュッ───
すまない先生
ザシュッ!!
目の前に何かの影が横切り、すまない先生を覆う
その影は一瞬にして泥人形の心臓部分を突いていた
泥で汚れたその手には、血に塗れた、冷気を纏わす矢が数本握られていた
グワァァァッ!!!
断末魔の叫びと共に、ドロリと半液状になる人形。
先生は顔を真っ黒に隠しながら、憎悪に満ち、闇に埋もれた顔を見せびらかす
「影」の正体が、どれだけ大事な人なのか。
奴には、永遠に分かるまい。
すまない先生
瞬間、すまない先生は泥人形を滅多刺しにした───
すまない先生
すまない先生はブルーに駆け寄る
気付けば刺さっていた槍は消えていたが、辺り一面を紅に染めた出血は残っていた
それを止めることもせず、ブルーの出血を停めている
ブルー
ブルー
すまない先生
先生は血を垂らしながら、ブルーの腰や脇腹辺りにポーションを散らし、包帯を巻いた
圧力をかけて出血を止めようとする先生に、横たわりながらブルーは先生の穴が空いている所に手を当てる
すまない先生
すまない先生
すまない先生
ブルー
ブルーは目を先生と合わせると、怒っているような、心配しているような感じで口を開いた
ブルー
すまない先生
ブルー
ブルー
ブルー
すまない先生
ブルー
すまない先生は震えながら、首を縦に振る
溢れんばかりの受け入れたくないという気持ちが、そこにはあった
ブルーは先生が付けてくれた包帯を取って、彼の足に巻いた
ブルー
すまない先生
すまない先生
ブルー
先生は優しい笑顔で言い、頭をゆっくりと叩く
五回、叩いたその手は____
何かを伝えていたようだった
ブルーは失血で回らない頭を使って考える
別の問いが、脳に廻ってきた
ブルー
ブルー
ブルー
彼は、小さく涙をこぼす
その通った跡を指で隠しながら、すまない先生を見上げる
先生は、左を向いていた
その瞳から、何かが盛り上がって…落ちる。
こちらを向くのを察して、ブルーは正面に顔を戻す
……もう…何も…見えない……
ブルー
ブルー
ブルー
カクッ
ブルーの首が地面に投げ出される
すまない先生はそれに気付き、すぐさま瞳を押さえた
飛び出しかけたものを戻すと、彼の服に目をやる
そこには、ボロボロになった鍵と南京時。
先生は、目に映すとグシャッと笑ったのだった。
____その時、ブルーの体が光に包まれ…塵となって消えた。
『兄貴がいないと…』
『生きていけそうにないぜ……』
コメント
4件
ブルー…兄貴みたいに仲間を守って逝ったな… っていうかリーブの語彙力やばすぎだろッッ!!毎回リアルで号泣させていただいてまっす☆ 語彙力の神ですか?神ですねッッ!! それにローリンガール聞きながら読んでたから涙が止まらねぇぜッッ!!(?) 続き楽しみしてまっす☆
うわぁぁぁぁぁぁぁ!ブルー!お前は偉いよ!めっちゃ危険な状況だったのにすまない先生を守るなんて!泥に塗れた手には冷気をまとった矢ってブルーしかおらんよね!レッドがブルーに最後の力を託してくれたのかな…?最後の「兄貴がいないと生きていけないぜ」って、ブルーとレッドは一心同体みたいな感じかな…もう感動して泣ける…今日見るホラー映画より絶対泣ける… 私この話の南京錠の表現好きだな、鍵と鍵穴の南京錠?がブルーの首にかかってるんだもん!言い表せないけどなんか凄い好き! 感動をありがとう!