好きだよ
嬉しそうに笑う顔も
白い肌も
綺麗な黒髪も
折れちゃいそうな細い腕も
好きだよ
君の笑い声も
かわいく怒った声も
君の囁き声も
ちょっと音痴なとこも
好きだよ
ふわりと香るシャンプーも
お出かけ用の香水も
夜の匂いも
全部君から香る匂いだよ
好きだよ
もちもちのほっぺも
すべすべの肌も
手を繋いだ感触も
全部君じゃないとだめなんだ
好きだよ
不器用なくせに
君が頑張って作った料理も
一緒に流した涙の味も
甘くとろける唇も
全部、全部、
大好きだったよ
夢の君は子供を抱えている
僕は灰を抱えている
いつかの記憶を思い出す
うつむいて宙に浮く君
耳をつんざく無音
甘い腐臭
冷たくて硬い感触
胃酸の味
あれから何日たったのかな
君は額縁の中で笑っている
君が好きだよ
好き
好き
好き
だった
好きだったのに
なんで、気づけなかったんだろう