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ポジティブにいこう!

3 - ポジティブにいこう! 第3話 -不幸は笑うべし-

♥

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2022年05月07日

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自室

ピコンッ

水谷くん

今日のプレゼン最高に上手くいったな!

水谷くん

どうだ!俺をリーダーにしてよかっただろ?

紗世

うん、そうだね!さすがだったよ!

紗世

水谷くん

そうだろ、そうだろ!

水谷くん

竹口がリーダーだったらこうはいかなかったぞ

紗世

それは酷いな(笑)でも確かに

紗世

水谷くんみたいに熱い感じでアピールはできなかったかも

水谷くん

ああ。それに一番のライバル会社が降りたのもラッキーだった

水谷くん

この調子なら必ずうちが案件を取れるぞ

紗世

だね!本当に水谷くんはすごいよ

紗世

リーダーシップもあるし、尊敬!

紗世

水谷くん

…あのさ。褒めてくれるのは嬉しいけど

水谷くん

あんた悔しくないわけ?

紗世

なにが?

水谷くん

自分で言うのもなんだけど、あっさりリーダー替わっちゃってさ

紗世

それは別に。私もみんなも納得の上での交代だし

紗世

チームから外れたわけでもないしね

水谷くん

そうだけどさ。でも変だぞ

紗世

あからさまに変って(笑)

紗世

何が変なのさ?

水谷くん

俺達は同じチームだけど、出世に関してはライバルだ

水谷くん

それなのに褒めたり、応援したり、そんなの変だろ

紗世

え!?変なの?普通だと思うけど

紗世

水谷くん

いや、変だ!

水谷くん

上にいける人数は限られてるんだから絶対に変

紗世

そうだけどさぁ…

水谷くん

もしかしてお前、上に行く気ないのか?

水谷くん

だからそんなに能天気に笑ってられるんだろ

紗世

能天気は事実だけど、出世欲だってあるよ?

水谷くん

そうは見えない

紗世

はっきり言うなぁ(笑)

紗世

まあ、なんていうか、水谷くんとは上るペースが違うだけだよ

水谷くん

後から来たやつを先に上らせてたら

水谷くん

いつまでも席に座れないぞ

紗世

水谷くんは優しいなぁ(笑)

水谷くん

な、なんだ突然!?

紗世

だって、わざわざ忠告してくれたんでしょ?

水谷くん

べつに、そんな意図はない

水谷くん

純粋な興味で聞いただけで…

紗世

そっか。でもありがたかったよ

紗世

なかなかそんな風に心配してくれる人はいないから

水谷くん

だから心配なんてしてない!

水谷くん

でも、気になってはいる

水谷くん

お前は不幸体質もあって一生出世できなさそうだから

紗世

それはあるかも(笑)

紗世

仕事してても襲い掛かってくるからねぇ…(笑)

水谷くん

また笑ってる…その精神が理解できない

紗世

慣れだよ、慣れ(笑)子供のころからだからねぇ…

水谷くん

自分の人生が嫌にならないのか?

紗世

初めはそんなことも思ったけど

紗世

不幸が役に立つときもあるんだよ?

水谷くん

不幸が?嘘だろ?

水谷くん

そんな時は思いつかない

紗世

ほら、不幸な話ってのちのち笑えるでしょ?

紗世

そうすると飲み会とか打ち合わせが盛り上がるのよ!

水谷くん

そうかもしれないが…俺だったら笑って話せないな

水谷くん

どうか俺をその不幸に巻き込まないでくれよ

紗世

努力するけど、私の意思が及ばないってことは伝えとくね

紗世

水谷くん

俺の幸運が打ち勝つように神社行ってくるわ

紗世

それがいい(笑)

紗世

あ、お風呂沸いたから、このへんで!また会社でね!

水谷くん

ああ、お疲れ

紗世

(水谷くんって横暴なとこもあるけど、実は結構優しいよね)

紗世

――さ、明日もお仕事がんばろっと

翌日

会社

紗世

(――これは、困ったことになったなぁ)

後輩1

――だから、先輩から言ってください!

紗世

で、でも水谷くんて口は悪いけど

紗世

仕事出来るのは事実じゃない?

後輩1

でもチームなんですから人間関係だって大事ですよ!

後輩2

そうです!

後輩2

あんな俺様態度で命令されたらついていけません!

後輩1

せめて先輩がリーダーに戻ってくれませんか!

紗世

う、うーん…

紗世

でも、みんなも一度は納得した事でしょ?

後輩1

それは、そうですけど…

後輩2

あまりにも横暴で…

後輩2

こっちの意見なんて聞いてくれないし

紗世

大丈夫。水谷くんは少しツンデレなだけだって

紗世

だって本当は皆の意見、ちゃんとデータにまとめてるんだよ?

後輩1

え?そう、なんですか?

紗世

うん

紗世

その上で、どうするのが一番良いかちゃんと判断してるの

紗世

口が悪いから誤解されやすいけどね

後輩1

…私、もう少し頑張ってみます

後輩2

私も…

後輩2

ツンデレと思ったら耐えられるかもしれませんし

紗世

ははっ、それはよかった

紗世

じゃあ午後もお仕事頑張りましょー!

後輩1

はい!

バタバタッ

紗世

ふぅ…なんとか丸く収まったかな?

水谷

なにが丸く収まった、だ

紗世

水谷くん!?

紗世

もしかして、ずっと資料棚の後ろに…?

水谷

ああ

紗世

じゃあ、今の会話も…?

水谷

ああ

紗世

(ひぃ~っ、顔怖いよ~…)

水谷

…はぁ

水谷

竹口、フォローありがとな

紗世

え?

水谷

チームが乱れたらプロジェクトは上手くいかない

水谷

俺もこれからはもう少し発言に気をつけるわ

紗世

あ、うん

紗世

(珍しく素直だ…)

水谷

さて、もうすぐ会議だな…

水谷

俺は行くが、最後に1つ言っとく

紗世

なに?

水谷

俺はツンデレじゃねぇ

紗世

あ――

水谷

それだけだ。じゃーな

パタパタパタ…

紗世

(そう言うのがツンデレというのでは…?)

紗世

ははっ、もっと前面に打ち出していけばモテそうなのにな

水谷

――なんか言ったか!?

紗世

なんでもありませーん!

紗世

さあ、午後も頑張りましょー!

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