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執事

ガチャッ

執事

お嬢様、失礼します。

執事

いつもの紅茶と午後のおやつをお持ちしま…

執事

…。

執事

…。

執事

執事

寝てるな…。

…。

執事

…。

(執事が茜の髪を優しく撫でる)

執事

大丈夫ですからね…。

執事

きっと、もう呪いは来ませんから…。

如月 芳綱

如月 芳綱

…で、

如月 芳綱

お前は見事にその呪われた娘に振られたってわけか。

神宮寺 雅秀

まぁ…そうだね。

茜が昼寝をしていた丁度その頃、

取り調べの終えた雅秀は 同僚の如月芳綱(キサラギ ヨシツナ) に昨夜のことを話していた。

如月 芳綱

大丈夫か、顔が暗いぞ。

如月 芳綱

この後の取り調べはできそうか?

神宮寺 雅秀

うーん…なんとか頑張るよ。

神宮寺 雅秀

ヨシは優しいね、ありがと。

如月 芳綱

ん。

如月 芳綱

如月 芳綱

…あ、そうだ。

神宮寺 雅秀

ん?

如月 芳綱

花園誠一が働いていた花園屋って商屋があっただろ。

如月 芳綱

あの家、

如月 芳綱

また商売を始めたみたいだぞ。

神宮寺 雅秀

えっ…

神宮寺 雅秀

随分と早いね…若旦那を失ったなのに、もう再開するのか。

如月 芳綱

お前もそう思うだろ?

如月 芳綱

仕事が終わったらどんな感じか見に行ってみようぜ。

神宮寺 雅秀

そうだね。

神宮寺 雅秀

警戒されないように私服に着替えて行ってみよう。

神宮寺 雅秀

ここか…。

神宮寺 雅秀

すごく綺麗になってる、火事が起きたとは思えないな…。

如月 芳綱

花園屋は昔から栄えている老舗だ。

如月 芳綱

溺れるほど金を持つ商人からすれば商屋の再建なんて容易いことなのかもしれない。

神宮寺 雅秀

そうだな…まるで何もなかったかのように。

神宮寺 雅秀

神宮寺 雅秀

執事

…。

執事

お前は…。

神宮寺 雅秀

貴方は…。

如月 芳綱

ん?

如月 芳綱

なんだ神宮寺?この男は知り合いか?

神宮寺 雅秀

ああ…。

神宮寺 雅秀

彼は茜さんの使用人だ。

如月 芳綱

執事

…。

執事

これはこれは…神宮寺様。

執事

こんにちは。

神宮寺 雅秀

…どうもこんにちは。

執事

執事

隣の方はご友人ですか?

神宮寺 雅秀

はい。

如月 芳綱

如月芳綱と申します。

執事

如月様ですか。

執事

はじめまして、こんにちは。ニコッ

如月 芳綱

あぁ、どうも…。

如月 芳綱

(これが黒部の嬢さんの使用人か。)

如月 芳綱

(深々としたお辞儀に穏やかな目…優しそうな人だな。)

神宮寺 雅秀

昨日はどうもすみませんでした。

神宮寺 雅秀

茜さんはお元気ですか?

執事

執事

お嬢様、?

執事

…お嬢様は……そうですね…。

執事

執事

お前に教える必要はない。ニコッ

神宮寺 雅秀

如月 芳綱

うわ前言撤回。

執事

お前に教えて何になる。

執事

質問をするなら、もっと身分相応の質問をしろ。

神宮寺 雅秀

…。

神宮寺 雅秀

神宮寺 雅秀

やっぱり、

神宮寺 雅秀

貴方は僕を婚約者候補として受け入れてくれないんですね。

執事

当たり前だ。

執事

自分を好物件と称し、愛のない告白をするような男、受け入れられないからな。

神宮寺 雅秀

それはあの場に貴方がいたから言わなかっただけです。

神宮寺 雅秀

いいですか?

神宮寺 雅秀

神宮寺 雅秀

僕は茜さんを愛しています。この世の誰よりも。(かなりの大声)

  

 

 

 

如月 芳綱

お、おい!

如月 芳綱

おまっ…そんな声でかくして言うか…。

執事

…。

執事

執事

ハァ…

執事

後になって何を今更…そんな安っぽい言葉、通用するか。

執事

お嬢様は気高く、花のように美しいお方だ。

執事

いくら刀が使える警官とはいえど、

執事

美しい黒薔薇の相手に“陶製の子犬”は似合わない。

執事

身の程を知れ。

神宮寺 雅秀

!…

如月 芳綱

何!?

如月 芳綱

雅秀が陶製の犬だと!てめぇ粉々にしちまうぞ!

執事

それはそうと神宮寺。

執事

一ついいことを教えてやろう。

如月 芳綱

おい無視するな!

神宮寺 雅秀

ヨシ、黙ってて。

神宮寺 雅秀

神宮寺 雅秀

なんですか?良いことって。

執事

ふっ…。

執事

執事

お嬢様にぴったりの殿方が見つかった。

神宮寺 雅秀

如月 芳綱

なっ…!

執事

相手は名家の御子息、この私のお墨付きだ。

執事

式は今週末、明後日には見合いを行う。

如月 芳綱

へっ!?

如月 芳綱

いやいやちょっと待て!

如月 芳綱

早すぎんだろ!

如月 芳綱

見合いから今週末って…1日しか空いてねぇじゃねぇか!

執事

黙れ。

執事

これはもう決定事項だ。

執事

“この時代、女性が豪邸と資産を守るのは難しい”からな

執事

良い決断だろ?神宮寺。

神宮寺 雅秀

…。

神宮寺 雅秀

茜さんは、

執事

神宮寺 雅秀

茜さんはその婚約者をを受け入れていらっしゃるんですか?

神宮寺 雅秀

彼女は、まだ花園誠一を好いているように見えましたが。

執事

…フッ

執事

心配無用。

執事

お嬢様は立派な女性だ。自分が早く立ち直るべきであることは、ご自身が一番分かっておられる。

神宮寺 雅秀

…。

執事

執事

フッ。

ザッザッ…トンッ!

(執事が雅秀の元へ近づき肩を掴む)

執事

ざ・ん・ね・ん、でした。

神宮寺 雅秀

!…。

如月 芳綱

ッ、

如月 芳綱

てめぇ!

神宮寺 雅秀

やめろ、ヨシ。

如月 芳綱

雅秀…!!

神宮寺 雅秀

もういいから!

執事

執事

では、

執事

私はこれで。

如月 芳綱

なんだよアイツ…

如月 芳綱

雅秀のことを陶製の犬だと…無礼者めが!あと数秒あれば俺の刀でアイツの体を細切れにしてやれたのに!

神宮寺 雅秀

怖いこと言わないでよ、ヨシ。

神宮寺 雅秀

団子屋のお嬢さんが怯えてるよ。

如月 芳綱

!…

如月 芳綱

チッ…。

如月 芳綱

如月 芳綱

ていうか、雅秀。

如月 芳綱

お前は悔しくないのか?

如月 芳綱

外人に散々バカにされた挙句、

如月 芳綱

好きな女が他の男と見合いするってのに。

神宮寺 雅秀

…。

神宮寺 雅秀

そりゃ、悔しいよ…。

神宮寺 雅秀

神宮寺 雅秀

でも

神宮寺 雅秀

ひとつ気になったことがあるんだ。

如月 芳綱

如月 芳綱

気になったこと?

神宮寺 雅秀

うん。

神宮寺 雅秀

だから、ヨシは先に帰ってて。

神宮寺 雅秀

僕は少し寄り道してから帰ることにするよ。

如月 芳綱

お、おう…

如月 芳綱

でも、お前…寄り道ってどこに行くんだよ。

神宮寺 雅秀

…。

神宮寺 雅秀

神宮寺 雅秀

茜さんの屋敷。

つづく

この作品はいかがでしたか?

120

コメント

10

ユーザー
ユーザー
ユーザー

更新ありがとうございます!🙇‍♂️ 執事さんは、何となく舞子さんのようなイメージを持っていたのですが、思ったよりも忠犬… そして婚約者……神宮寺さんを超える殿方…一体どんなお方なのでしょうか…?!:(;゙゚'ω゚'):

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