感覚を失ってしまったら···。

ﾊﾟﾁｯ

今日は、深部感覚、全部失ったんだろう。

体を動かしたくても動かない。

···居ない、か。

どんどん孤独になる。

一人ぼっち···。

治したい。

またみんなとバレーをして、いっぱい遊んで、いっぱい話したい。

みんな···、早く来て···。

その日、みんなが来ることはなかった。

そして次の日。

俺は嗅覚を失った。

今日も、みんな来なかった

俺の事、嫌いになったんだ。

こんな俺の世話、するの嫌なんだ。

泣きたい。

そしてまた次の日。

内臓感覚を失った。

空腹感、喉の乾きなどが失われた。

まぁ、いい。

味覚や嗅覚が無いんだから食べたって一緒。

どんどん感覚が失われていく。

声も、だんだん出せなくなってきた。

今日も···みんな来ないんだ。

眠たい。

このまま、死んじゃえば···みんなに会えなくて済む。

みんなに色々言われるより、死んじゃった方が···いいような気がする。

早く、死ねば···。

でも···どうやって死ぬんだろう。

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

ｻﾜｻﾜ

ｶﾁｬｯ

ｷﾞｭｯ

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

ｻﾜｻﾜ

ｻﾜｻﾜ

ｻﾜｻﾜ

ｻﾜｻﾜ

そして数年後。

俺は高校三年生になった。

2年間、部活で知り合った人達に会ったり、出張から帰ってきた父さんに会ったり、中学校、小学校、幼稚園のみんなに会ったりした。

ご飯は喉に通らなくなった。

どんどん体が弱まり、寿命宣告された。

そして、今日は卒業式だったらしい。

ｽｺｰ(人工呼吸器みたいなの)

息も、しずらい。

ぁあ、死にたくない。

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

全員｢｢｢卒業式、おめでとう！！｣｣｣

そして、日向翔陽は天国へ旅立ちました。