神威
馬鹿兄貴?
神威
そんな奴がまだ俺の中に残っていたとしても今日!
神威
死ぬよ!
神威
地球の!
銀時
ッ
神威
馬鹿兄貴と一緒に!!
銀時
ゴホッ
神凪
神威!!
神威
俺は望んで空っぽになったのさ
神威
最強の称号は空っぽくらいじゃないと
神威
器に収まらないだろ?
神威
お前は小さな星で自分の小さな家族だけ守っていればよかったんだ
神威
空っぽになる覚悟もないのに俺の前に何故立った
神威
お前は何も守れずに死ぬ
神威
あいつから全て奪ったのは
神威
俺とお前、2人の馬鹿兄貴だよ!!
神楽
銀ちゃん!!!!
銀時
殴る
神凪
...!!
神楽
...!!
海坊主
...!!
神凪
(どうして...地球人なのにあんなに...)
銀時
フラ
神楽
...!!
神凪
...!!
神威
これがお前の限界だ!!
神楽
やめろ!神威!!
神凪
やめて!!兄さん!!
神威
...!
神威
うわぁああああ!!
銀時
それが、お前の限界だ馬鹿兄貴
神威
バタン
神楽
(今...一瞬...)
神凪
(兄さん...)
銀時
見えたか
銀時
空っぽの器の底が
銀時
そいつがお前の名前だよ
神威
立ち上がる
神凪
...か...むい...?
神楽
神威...お前...
新八
...!!
新八
(あれは...あの時の神楽ちゃんと同じ...!!)
阿伏兎
あのすっとこどっこい...
阿伏兎
(飲まりちまった、)
阿伏兎
あれはもう、馬鹿兄貴でも団長でもねぇ
阿伏兎
名前も忘れちまった獣だ
神威
接近する
神楽
ハッ
神凪
庇う
銀時
庇う
新八
神楽ちゃん!!神凪さん!!!
神凪
(銀さん...!)
銀時
リミッターが外れたか
神凪
やめて!神威!
神凪
それ以上動けばお前の身体は...!
銀時
吹き飛ばされる
神楽
銀ちゃん!!
神凪
蹴る
阿伏兎
蹴る
神威
っ
阿伏兎
逃げろォ
阿伏兎
あのハゲつれて今すぐに
阿伏兎
お前ぇらなんかの家族喧嘩に興味なんざねぇさ
阿伏兎
やりてぇなら妹でも親父でも好きにやれぇ
阿伏兎
だが、やるならてめぇでやれよ団長
神凪
お前なんかうちの尊敬してる兄さんじゃねぇよ
阿伏兎
夜兎の血に身を委ねるほどオヤジに殴られるのは痛えか?妹を殴るのは痛えか?
阿伏兎
こいつらも同じさ
阿伏兎
その痛みに耐えてお前と戦ってる
神凪
それなのに逃げるなんて許さない
神凪
てめぇがふっかけた喧嘩をしっぽ巻いて逃げるなら
阿伏兎
いっそ拳をひけ
阿伏兎
戦うならてめぇの拳で戦え
神凪
それでもこの副団長の忠言が聞けないなら仕方ない
阿伏兎
アンタが死ぬまで戦いをやめねぇなら付き合うのが俺たち第7師団だ
阿伏兎
行けえぇぇぇぇ!!
新八
...!!
神楽
...!!
神凪
(うちは、お前について行くと決めたんだ!)
神凪
(優柔不断なうちだけど、これだけは絶対に覆さない!!)
神凪
壁に打ち付けられる
阿伏兎
壁に打ち付けられる
神凪
ガハッ
阿伏兎
ガハッ
阿伏兎
(どんな縁でも、不敵な笑みで戦うお前の姿は俺たちの誇りだった...)
阿伏兎
(そいつが咎ならその責はお前を止められなかった俺がとおう)
神凪
(兄さん...うちが止められなくてごめんね)
神凪
(なんでも謝るから...)
神威
ガタガタ
阿伏兎
(団長笑えよ)
神凪
(笑って)
阿伏兎
らしくねぇ面で戦ってんなすっとこどっこい笑っ
神凪
笑えってうちに言ったのは神威だよ
神凪
ニコ
神楽
神威を押さえつける
神凪
.......(あぁ、もう動けない...)
神凪
(結局、止める役目は神楽なんだ...)
神凪
(うちは何時でも、見てるだけの臆病者...)
神凪
(いや、さっき何度か止められたしうちにしては上出来かな)
神凪
(あぁ...本当に強くなった...神楽)
神凪
(変わらず芯の通ったまま...前よりももっと...笑)
神凪
(悔しい...悔しいよ...もう、泣きたくなんて、ないのに...)
神凪
.........バタン
阿伏兎
神凪...!
神楽
膝枕
神楽
もう勝負はついてるアル...
神楽
殴れなかったにせよ、殴らなかったにせよ、
神楽
兄貴の拳じゃ、私を倒せないよ
神楽
私や神凪の、妹の手は振りほどせないよ
神楽
お前が、どこまで逃げたって...どれだけ...遠く離れたって...
神楽
振り切れやしない...
神楽
神威...お前はマミーの...私たちの家族だよ...泣
阿伏兎
(何千回殴られても倒れることのなかった、春雨最強の男は)
阿伏兎
(たった一滴の妹の涙に沈んだ...)
阿伏兎
(その顔はまるで、母親の膝で泣き疲れて眠る、ガキのようだった...)
神凪
(母...さん)
神凪
...ゥ...泣
神凪
っ泣
神凪
悔しいよ...阿伏兎...泣
神凪
もっと...強くなたい泣
神凪
兄貴を支えられるくらい...兄貴を止められるくらい、強くなりたいよ...泣
阿伏兎
あぁ強くなれ
阿伏兎
お前はお前の求める強さでな
阿伏兎
で、お前はあん中に入らなくていいのかい?
神凪
うちは何もしてないし...
神凪
止めたのは神楽だから...
阿伏兎
投げる
神凪
ちょ、
神威
ウッ
神凪
グヘッ
神凪
.......、兄さん
神凪
(生きてる...ちゃんと呼吸してる)
神凪
ッ泣
神凪
抱きしめる
神威
...........
神凪
気絶
神凪
...................
阿伏兎
つくづくはた迷惑な兄妹だ
阿伏兎
今すぐのみてぇのは誰かって話だよ
銀時
フッ違ぇねぇ
銀時
美女の膝枕と添い寝があるなら今すぐ飛び込みてぇところだが
銀時
生憎、そいつは先になりそうだな
春雨
ゾロゾロ
銀時
野郎の汚ぇ股ぐらしか見てねえ
銀時
夢見が悪そうだ
阿伏兎
今でも十分悪夢を見ているようだよ
銀時
だったら目が覚めるような活躍を期待したいねぇ
猩覚
待ちな!
銀時
...!
猩覚
早とちりは良くねぇな
猩覚
手負いを相手にケチな喧嘩をするかよ
阿伏兎
三強制猩覚...
馬董
だったのはさっきまでの話だ
馬董
侍共に負け、主人に捨てられた今ではお前たちと同じようなもの
阿伏兎
捨てられた?捨てたの間違いだろ
猩覚
少なくとも海賊の享受も持ち合わせねえあの男に、捨てるほどの忠誠心を持っていなかったことも確かだ
猩覚
海賊ってのはもっと自由なもんだろ
猩覚
お前たちを見て思ったのさ
猩覚
あっちの方が随分楽しそうだってな
馬董
そこで問おう
馬董
第7師団、春雨の雷槍はまだ折れていないか
阿伏兎
さぁな、俺にも分からんよ
阿伏兎
ここに転がってんのが団長なのか、それともただの兄貴なのかも
阿伏兎
ただ一つだけハッキリ言えんのは、
阿伏兎
似合わねぇなぁ...
阿伏兎
戦場だろうと妹の膝だろうと、お前が転がってんのはやられたまんまで、負けたまんまで転がってんのは
神威
手を出す
神威
もう...負けないさ...
神威
誰にも...
阿伏兎
立ち上げる
神威
俺は...息子としてより、こいつの妹としてより、海賊として長く生きてきた
神威
神凪も同じだ
神威
今更引き返すつもりは毛頭ない
神威
進むだけだ
神威
妹が追いつけないほど、ずっと先へ...
神威
親父を見下ろすほど、ずっと高みへ...
神威
あの人に届くくらい遥か遠くへ...
神威
そこまで行きつもりなきゃ追いつけやしない
神威
帰れやしない
神威
あそこには
神楽
.............
阿伏兎
団長、また置いていく気か?
神凪
...........
神威
.....あんな泣き虫にここは似合わない
神凪
ピク
神凪
...待てよてめぇ
神凪
殴る
神威
...!!
神威
っっ
阿伏兎
団長ーーー!!!
阿伏兎
えっ?!今お兄様瀕死状態だったよね?!
阿伏兎
今トドメさしたよね?!
神凪
誰が泣き虫だクソ野郎
神凪
てめぇだってずっとべそかいてたじゃねぇか
神凪
代わりにこっちが涙流してやってんだよ
神凪
確かにうちは兄貴に甘々で全部やることなすこと着いてきたし従ってきたけど
神凪
母親の代わりなんて、到底出来なかったけど
神凪
片割れとして...傍に居させてよ.....
神威
神凪...
銀時
.........
阿伏兎
.........
神凪
まぁ別にてめぇの許可なしで着いていくけど
神凪
てか追い越すわ
神凪
先乗ってるぞ死に損ない
神凪
もう後ろ着いていくだけの妹じゃない
神威
.....勝手にしなよ笑
神威
今まで通り
神凪
勝手にする笑
猩覚
怪我凄そうだし抱っこしようか?笑
神凪
うーん、いい
神凪
てか酷くない?この怪我全部親父と兄貴からなんて
神凪
家族を...ってか女の子殴るなんてサイテーだよねぇ
神凪
マジくたばれってか言うか死ねっていうか地獄に落ちろっていうかー
神凪
今うちがあいつのしたから春雨の雷槍の肩書きうちが貰える?
猩覚
俺の奥さんって肩書きはどうだ?
神凪
うち好きな人いるからごめーん笑
猩覚
ガーン
神威
俺がこんなんだからって好き勝手言いやがって💢
神凪
あ、待ってやっぱ戻るわ
神威
.....は?
神凪
うちもっかい告るから
神凪
ちゃんと神凪ちゃんの可愛さ120%出して告るから
神凪
終わったら迎えに来て
阿伏兎
いや何勝手なこと言ってんの?!
阿伏兎
てかもう告ってたの?!おじさん聞いてねぇんだけど?!
神威
だからもう諦めろって言っただろ
神威
あんな弱虫神凪に似合わねぇって
阿伏兎
そうそう誰かは知らねぇが地球人に神凪が務まるとは思えねぇって
神凪
もう口出ししないで!!
神凪
うちは本気なんだからね
神凪
プイ
阿伏兎
あっちょ、待てよ
猩覚
ガーン
馬董
その図体で凹むな
馬董
イラつく
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