拓海
黒月を倒したことで幻獣支配領域内の敵増援は止まった。
人類側の拠点のひとつだった熊本城陥ちたことで九州方面の戦況はほぼ決したと言っていいだろう。
だが問題は山積みされていた。まずは目前に迫る壁、本土防衛ラインの防衛である。
この壁を越えられれば、次はいよいよ広島への上陸が始まるのだ。
「お疲れさんっす~」
軽い調子の声がコックピット内に響いた。整備班長の東原の姿もあった。
「おめでとう。君は人類史上初の5人目の絢爛舞踏となった。」
「ありがとうございます!」思わず声が弾む。
「君のような若者がいる限り、この国はまだ大丈夫だろうね……」
そう言い残して東原は去っていった。
こうして僕は伝説の戦士となり、人類の救世主と呼ばれることになりました。
しかし、その栄光は長く続かなかったのです。
あれから数ヶ月後、僕達は熊本城攻防戦に参加していました。
その時、僕は5121小隊の皆と一緒に行動していたんです。
敵さんとの死闘の中、突如として僕の意識はブラックアウトしました。
気がつくと、そこは真っ白な空間でした。
「ここは一体?」傍らを見ると、そこには見慣れない女の子がいました。
彼女は言う。「ようこそ、あなたの心の中へ。わたしはあなた達がいう所の天使です。」「なんでまた
