るくん
さくん
オレンジ色の空が だんだん紫色に変わろうとしている
さとみ先輩と2人きり
この時間が最近の楽しみだったりする
るくん
さくん
るくん
ずっと聞きたかった
だけど、怖くて
るくん
思ってもない事を 聞いてしまった
電柱に貼ってあった 花火大会のチラシを 咄嗟に指さした
るくん
その言葉を言い終えて ハッとした
やばい
これは完全に僕がさとみ先輩を 花火大会に誘う流れみたいだ
だけど、ちょっと気になる
もしかしたら
ほんの淡い期待を 募らせて
さとみ先輩を見つめた
さくん
ただ一言、 あー とだけ答えた
るくん
さくん
るくん
心臓が高鳴る
さくん
るくん
全身で脈を打っていて
生きてることを実感した
でも
さくん
薄々気づいてた
るくん
改めて聞いて思う
聞きたくなかった
知りたくなかった
心臓が徐々に痛みだす
こんな時にさえ 笑って誤魔化すような 不器用な僕だから
神様は僕になら 何をしたって許してもらえると
思ってるのだろうか
ねぇ、神様
貴方って人は本当に酷い
こんなに辛いのに 生きなければいけないなんて
なんて残酷な人なんだ
でもきっとこうやって
ありもしない空想に 逃げて神様なんかに当たって
こんな僕だから こういう運命なのだろう
るくん
僕は嘘つき
そんなこと微塵も思っちゃいない
さくん
さくん
るくん
さくん
初めて見た
自分の決めたことに まっすぐなさとみ先輩が
弱々しく僕に問う
その横顔は儚くて 少しだけ目が潤んでいた
るくん
るくん
るくん
るくん
さとみ先輩の驚いた顔を見て 我に返った
るくん
るくん
さくん
さくん
さすがに苦しすぎる 嘘だったようだ
さとみ先輩はいつもの 笑顔で僕に微笑んだ
さくん
さくん
自分の話だと知らずに フォローするさとみ先輩は 愚かだ
僕がここで告白したとして どうせ幸せなんて感じないくせに
ひねくれた僕の思いは 自分でもめんどくさいとは思うが
心からの本音だった
るくん
さくん
るくん
さくん
さくん
るくん
さくん
そういうさとみ先輩に だってファンクラブが しっかり存在してるが
そういう情報に疎いのか 本人は知らないようだ
るくん
1年以上思い続けてる 僕の恋は
出逢って3か月の 間もない誰かに さらわれてしまった
僕の方が先に好きになったのに
僕の方がさとみ先輩を ずっとずっと想っていたのに
僕の方が
さとみ先輩を好きなのにな
さくん
前が見えない
目から溢れる大粒の涙が 僕の視界を奪った
るくん
泣きたくなんかないのに
好きな人の前くらい かっこつけていたいのに
まるで止まることを知らない 僕の涙は
増えていく一方だった
さくん
るくん
さくん
そう言って僕を ぎゅっと抱きしめた
ずるい人
そんなことされたら 余計好きになっちゃうじゃん
余計忘れられない
さくん
頭を撫でながら ぽつりと呟く
るくん
るくん
好きなところは いくらでもあげられるのに
思い出せば思い出すほど 心が苦しい
嫌いになれたら楽なのに
嫌いなところが見つからない
るくん
るくん
さくん
るくん
さくん
さくん
好きって言われた
恋愛の好きじゃないけど
ずっと言われたかった言葉が こんな形で聞けて
嬉しくて虚しい
初めての感情だった
るくん
さくん
るくん
さくん
さくん
本当にそういうところ
やっと見つかった さとみ先輩の嫌なところ
こんな僕を好きに させちゃうなんて
るくん
るくん
コメント
7件
続きってありますか? 最高すぎだったので!
ぷさんお世話になっております✋🏻†❤︎ 好んで読まない他ペアのお話でもすっと読めちゃうのが大好きなんですよね( U т ̫ т )ノ♡ 叶わない恋程辛いものは相当無いです 辛い反面幸せな思いをするのも恋ですけどね😿 見る目ないですね で終わらせるの良すぎました;;;; 今後も楽しみに待機しております🫶🏻️🖤
最高です😭..