全部どうでもいい

やっと解放される

……はずだった

俺かフェンスから落ちる寸前…場地さんに止められた

勿論,精一杯抵抗したが力で場地さんに勝てるはずが無い俺はあっさり引き上げられた

無我夢中で抵抗した…

だけど場地さんの力が強くて逃げられなかった

暫く攻防を続けていたら視界が急に変わった…

気づけば場地さんに押し倒された

勿論,暴れて抵抗するべきだったけど抵抗する気は起きなくて,代わりに場地さんの事を睨んだ

嘘だ…本当は死にたくない

これは俺の強がりだ

もっと生きたいけど犯罪に手を染めてしまった俺はもうあんたの隣には居られない

無駄だと思っても必死に訴えた…

だけど場地さんは俺の嘘を直ぐに見抜いてしまう

何であんたはこんなに残酷なんだよ…

そっちが裏切って…見捨てた癖にまた繰り返すの?

恐らく犯罪に手を染めてしまった事に負い目を感じているのだろう

そうじゃなきゃ自殺しようと思わねぇだろ

1年離れてたとはいえそれまでずっと一緒に居たんだから

だがこのままじゃ素直にならねぇな…だから荒治療にでる事にした

頑固だな…昔からそうだったけどよ

だけど頑固さなら俺も負けてらんねぇよ

更に畳み掛けるか…と考えれば千冬の頬にそっと手を添えた

一瞬だが覚悟の決めたはずの千冬の瞳が揺らいだのを見逃さなかった

僅かに顔を顰めた千冬を見ればトドメかと考えればそっと頬を撫でてやった

やっぱり俺はこの人に隠し事が出来ない

何かがプツリと切れたのか,俺は本音を言い始めた