コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ラーメン年月 ボリュームを売りにする店で 麺マニアの中で 密かに人気を獲得している そしてこの日風と共にある男が現れた
ガラララ
店長
店長
この店では出来る限り効率的に 客を回すため来店と同時に口頭で 注文する仕組みを取っている
男
箸が止まる…
聞いたこともない言葉と共に店内にいる者は威圧感に襲われたのだ… 理由は明確であった。 素人であれば小 常連でも大を頼む者は少ない そんな中開店以来初の特大 を注文する者が現れたからである
どんな男なのかと全員が入口を注視した 風貌は至って平凡であった 190cmの大男だとか 筋肉質なラガーマンでは無かったのだ 店内にいる誰もが冷やかしだと判断し 興味を失い箸を進め始めた
店長
男
店長
男
店長
店長
大量の麺が茹でられる 麺影に隠れて湯が見えない様はさながら 大海を群れで翔るイワシのようであった 茹で上がった麺は特大の丼に場所を移し 周りを囲む者もお湯ではなく 食欲そそる極上のスープであった
次に店長は数えるも恐ろしい量の もやしを盛り始めた その姿は 体格の良い男の腕のようであった 大きく高く 姿だけで萎縮してしまうような… 更に追い討ちと言うべきか大量の背脂 でコーティングされていた
次に実に20枚の厚いチャーシューと ボウル一杯の辛揚げ がトッピングされた
店長
ドンッッッ!!
男の前に丼が置かれた その大きさは形容しがたく又中身も 想像を絶していた 天を貫くが如く積み上がったモヤシ そしてそれを染めるコテコテの油 巨大な丼を囲う肉厚のチャーシュー その内側に巣食う大量の辛揚げ そしてこれら全てを支える母の如し麺 ここに居る昼間からラーメンばかり 食べいてる常連ニートの戦闘意欲を 削がせるその姿はさながら兵器であった だが男は違った動揺一つしていない
男
男
同時に麺ラーなら誰もが感動する 割り箸の軽快な音が響いた
男は立ち上がりモヤシから攻撃し始めた ガツガツ ガブガブ 一流アーティストも真っ青な 豪快かつ耳触りの良い繊細な音が 奏でられた
店長
事実 本来溜まりにくいとは言え 現時点の男が腹に収めた量を 一般人が食べれば吸った水分と物量に 押され胃の容量をオーバーする だが彼は、最初のペースを崩さず もやしの通天閣を崩していく まるで爆破解体のようであった
男
常連麺ラー達
そう気がつくと先程まであれ程 威圧感を放っていたモヤシは その姿を消しており男は麺を啜っていた
常連麺ラー達
店長
実数にして四分十一秒
男
男
最早言葉は出てこなかった 男を敵視していた店内の者は その姿は神々しさすら感じるように なっていたのである
男
突如男は突貫工事の如き勢いを止め 箸を置いた 限界なのか?と誰もが思った
男
秋葉原戦役 経験者麺ラー
常連麺ラー達
秋葉原戦役 経験者麺ラー
男
幽門とは十二指腸に繋がる胃の出口 男はこれを麺技によってこじ開け 消化の効率を爆発的に上げた
男
丼を守りし鉄壁の二重壁 チャーシューと辛揚げは食い尽くされた 残るは少ない麺のみ 男の勝利は明白であった
男
男
男
遂にその麺すら彼の胃に姿を消した 男は箸を置き丼を両手で掴んだ
男
スープを飲み始めたのである 穴の空いたダムのようにスープが 減っていく
ドンッ
男
常連麺ラー達
店長
秋葉原戦役 経験者麺ラー
店内に歓喜の渦が巻き起こった
店長
男
店長
常連麺ラー達
秋葉原戦役 経験者麺ラー
男
店長
男
店長
男
お釣りを出さずお勘定ピッタリに 出した彼は姿を消した ありがとう拉麺男 ありがとう僕達を巡り合わせてくれた ラーメン END