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9.1
地震発生から1夜が経過した。
朝日が登りだし、オレンジ色の光が町中を照らしていた。
その光は、海上保安本部にも───
優吾
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優吾は、テレビを見ていた。テレビの画面には、以前と街を飲み込む津波の映像が流れている
雅紀
優吾
雅紀
優吾
雅紀
優吾はテレビを消し、ヘルメットを持って雅紀と共に滑走路に向かう
この、海上保安本部は、民間空港と一緒になっており滑走路には旅客機が数機止まっている。
優吾と、雅紀は海上保安庁の格納庫前に止められた救難ヘリへと向かう
涼花
優吾
涼花
雅紀
翔真
3人は、救難ヘリに乗り込む。優吾は、コックピットのドアを開け、コックピットに乗り込む
ヘルメットを被り、ヘリのエンジンを起動させる
優吾
優吾
離陸しようとしていた、1機の旅客機がその場に停止する
旅客機 機内
機長
機長
機長
救難ヘリのメインローターとテールローターは順調に回転を早めていく
優吾は、無線機のスイッチを入れる
優吾
優吾
優吾
管制塔 管制官
管制塔 管制官
管制塔 管制官
管制塔 管制官
優吾
優吾
優吾が、コレクティブレバー(操縦桿)を少しずつ上げると、ヘリは宙に浮く
そして、空港の上を飛行し、関東地方に向けて飛行していく。
優吾
雅紀
優吾
ヘリの外の風景は、少しずつ荒れていく。
巨大地震により巨大な地割れがおき、各地で土砂災害が相次いでいた
やがて、救助活動区域の和歌山海岸部に到着する。
そこは、まるでそこが海かのように街があるはずの場所に海が広がっていた
低い建物は完全に飲み込まれ、高い建物ですら、津波により流されそうになっていた
翔真
翔真
優吾
雅紀
ヘリから3時の方向にある高層マンションの屋上に、数十人の避難者がいた
「SOS」と書かれた巨大な布を、ヘリに向かって見せていた
優吾
優吾
優吾
ヘリは、マンションの上でホバリングする
雅紀
キャビンのドアを開け、翔真がホイストのフックを自分の救命具にかける
翔真
涼花
涼花が、手に持っていた操作桿のスティックを下に下げると翔真は降下していく。
翔真が降下した後に、雅紀も続いて降下する
翔真
男性
人々は、翔真と雅紀を見て安心の表情を浮かべる
雅紀
男性
女子高生
雅紀
雅紀は、女子高生に寄り添い怪我を見る
雅紀
雅紀
翔真
翔真は、腰の無線機を取る
翔真
涼花
翔真
雅紀
雅紀は、女子高生の腰に救助用具を取り付ける。
雅紀
女子高生
雅紀
雅紀
雅紀は、ヘリに向かって腕を二三回回す。すると、ホイストが上昇していく
そして、雅紀は女子高生をヘリに乗せる
雅紀
涼花
涼花は、応急処置具から包帯や消毒液を取り出し女子高生の応急処置を始める
雅紀は、再び降下し救助を再開する
雅紀
男性
男性の腰に救助用具を取り付ける。
そして、女子高生と同じように、釣り上げ救助を行う
その後、順調に救助をし計13名の救助に成功した
翔真
優吾
優吾は、無線機を取る
優吾
ヘリが、避難施設へ向かっている時だった。
突然、街の津波が引き始めた
雅紀
雅紀
翔真
雅紀が、海の方を見ると、巨大な津波が遠くから迫って来ていた
雅紀
優吾
ヘリの飛んでいる高度より高い巨大な津波が街に到達した。高層マンションやビルといった高い建物も飲み込まれ、波がヘリに迫ってくる
ゴゴゴゴと、機体が揺れる
優吾
その時、ヘリはバランスを崩し
津波に飲み込まれた────