今日は僕もお昼ご飯を学食で食べる。
昨日のボーリングの罰ゲームで丈くんとみっちーの奢り。
大吾
流星、
何、食べるか決めた?

流星
ううん、初めてやからさ、
どれがええんかなぁ。

丈くん
流星、
うどんとかええんやない?
昼ごはんと言えば
うどんやろ。

謙杜
1番安いの
勧めてるだけやん。

和也
俺、焼肉定食、大盛り。

みっちー
1番高いやん。

大吾
俺はカツカレー。

流星
じゃあ、僕も
カツカレーにする。

大吾
おっ、流星、俺と一緒?

流星
うん、家のカレー以外って
あんまり食べんから。

大吾
そっか、
お揃い、嬉しいな。

そう言って笑う大ちゃんに
真似したとか思われてなくてホッとした。最近の僕はおかしい。
大ちゃんの事が気になって、大ちゃんにだけは嫌われたくない
って思ってしまう。
そうして、みんなで席をとって並んでご飯を食べる。
僕と大ちゃんは向かい合って座って、一口食べると
ちょっとピリ辛で美味しいなぁって思ってると
ニコニコ笑顔の大ちゃんと目が合う。
和也
大吾ってホンマに
カレー好きよな。

大吾
うん、好き。大好き。

カレーの事って分かってるのに恥ずかしくて思わず目を逸らす。
みっちー
どしたん、流星くん
顔赤い。

流星
うん、
ちょっと家のカレーより
辛いからかなぁ。
うち、甘口やから。

大吾
どんなやつやろ?
今度、食べに行かせて。

流星
あっ、うん。

和也
えー、俺も。

丈くん
大橋が行ったら、
鍋ごとなくなるやろ。

謙杜
確かに、
昔、うちに来た時、
大橋くんのせいで2日目の
カレーなくなったわ。

大吾
じゃあ、俺だけやな。

流星
アハハハ。

みっちー
えっ、僕も食べてみたい。

流星
みっちーはいいよ。

和也
えっ、俺は?

流星
ママに聞いてみる。

丈くん
でも、ホンマに今度、
流星か大吾のうち
行ってみたい。俺ら4人は
なんやかんやいうて、
中学の時に遊びに行ったり
泊まり行ったりした事
あるから。

和也
ええやん、お泊まり会、
楽しそう。

みっちー
あっ、でも、
流星くんとこお姉ちゃん
おるんよな。大丈夫?

流星
どうやろ?
流石に5人も来たら
びっくりするかも。
寝るとこないし。

大吾
俺は流星と
一緒のベッドでええで。

和也
俺も。

大吾
はっすんと一緒は嫌やわ。

和也
何でやねん。

謙杜
ていうか大吾くんの家は?

大吾
あぁ、うちは兄ちゃんも
家出てるし、父さんは
単身赴任でおらんから、
まぁ、
母さんさえ大丈夫なら、
大丈夫やと思う。

丈くん
じゃあ、大吾の家、
今度、泊まり行こ。

大吾
まぁ、
母さんに聞いてみとく。

初めての学食は大ちゃんや大橋くん、謙杜と一緒に
お昼ご飯を食べてるって状況が嬉しくって、
僕はちょっとソワソワしてた。
大吾
食器は
こっち片付けるんよ。

そう言う大ちゃんに着いていくと、
すれ違う人にぶつかってしまった。
流星
あっ、ごめんなさい。

恭平
別に大丈夫っすよ。

大吾
流星、大丈夫?
あっ、すみません。

恭平
や、どうもないんで。

男子学生
恭平、行くで。

恭平
うん、じゃあ。

この出会いが僕の青春に波乱を呼ぶことになるとは
この時は思っていなかった。