じゃあ俺が殺してやるよ。

「じゃあ俺が殺してやるよ。」

The last story.

2019年7月

治らない病気と診断された。

俺の人生が終わったと思った。

そんな感じでボケーっと日々を過ごしていたら

橋の上に立って死のうとしてる人がいた。

絶対助けようと思った。

君には人生があるんだから

絶対死なせねぇってなw

河口くんの書いた日記は

私の事ばかりだった。

日記はクリスマスのところで終わっていた。

12月25日

今日は最高の日だった。

君からのプレゼント貰ったし

凄く満足w

君は気づいてなかったけど

キスしちゃった、ごめんw

今日は一番最高の日だ

もう君には会えなくなるかもしれない

その時はごめんね。

パラパラーっとページをめくったその時だった。

“成へ”

最後らへんのページにそう書かれてあった。

１文１文、目を通していった。

成へ

んー、これは遺書かな？w

このページ見てくれてたら嬉しいな

俺は病気だった

余命わずかの

病気だった。

もうどうしようもなかった。

そんなある日

成に出会った。

絶対死なせねぇって思ったよ。

俺、成に出会えて

幸せだったんだ。

下らないことばかり

何気ない毎日だったよな。

俺たちは別にカレカノでもなくて

友達って関係でもなくてw

ただの死にたくない男の子と死にたい女の子。

な、そうだろ？w

これ映画化とかされないかなww

まぁそんなことはどうでも良くて

成。

今までありがとう。

こんな俺と絡んでくれて。

俺は幸せ者だったんだよな、

きっと。

成のおかげで

最後まで笑って逝ける。

楽しかった。

成といた時間、忘れない。

退屈だった日も

成と過ごした時間は

すごく一日が早かった。

忘れない。

君のことを絶対に忘れない。

ありがとう。

あのさ、俺

“永遠”って呼ばれたかったなw

永遠より

最後のページをゆっくりとめくった。

“まだ、意味分かってないでしょ？”

“「じゃあ俺が殺してやるよ。」って言う意味。”

“俺が生き方を教えてやるよ”

“って意味だったんだよね。”

生き方。

この１年間で私は変わった。

あなたに出会えた事で

私は変わったの。

だんだん視界がぼやけてくる。

目に熱いものがたまって

静かに床に落ちていった。

私、気づけなかった。

ノートの端っこに小さくこう書いてあった。

“最後に”

“成、好きだよ。”

“大好きだよ。”

涙が溢れて溢れて

止まろうとしなかった。

もう床が涙の水溜まりだ。

ねぇ、

大好きだよ、永遠。

…10年後。

ベットの上にゴロンと寝ころんで

スマホの画面をひらいた。

ひとつの記事を見た。

“今、泣けると大ヒット中の映画”

“「じゃあ俺が殺してやるよ。」”

の見た人たちの感想とは！

“ラブストーリーかと思いきや涙腺崩壊です！！”

“最後のどんでん返しが…！！”

“ハンカチが追いつきません。”

“タイトル見てホラーかと思ったけど全然違った。”

“タイトルの意味を知ったときが一番やばかったです。”

あのね、永遠。

私、ちゃんと

生きてるよ。

映画化もされちゃった。

ちゃんと見守ってくれてる？

私、あなたに会いに逝くね。

何年かかろうとも。

何十年かかろうとも。

“待ってるよ”

“何年かかろうとも。”

会いに来てくれたのね。

けどこれは私の空耳。

絶対会いに逝くよ。

だってあなたの事が

好きだから。

ーENDー

ーあとがきー

作者の御子柴 璃都です。

今回、「じゃあ俺が殺してやるよ。」を

見てくださった皆様

ありがとうございます。

タイトルの意味

分かっていただけたでしょうか？

ハッピーエンドかバッドエンドか

人それぞれ変わってくると思うんですけど

俺的にはハッピーエンドです。

最後に

この作品を見て

いいね、コメントをくれた方々

ありがとうございました。

残りの連載

「僕と君の境界線。」

「Don't let go of that hand.」

頑張っていきます。

これからも

よろしくお願いします。