春海暗
春海暗
春海暗
春海暗
恋人って 幸せな関係だと思ってた
ないこ
いふ
ないこ
いふ
ないこ
いふ
ないこ
いふ
こんな日常が 続いていれば 幸せだったかもしれない
でも、この関係は そう上手くはいかなかった
いふ
ないこ
ないこ
ないこ
ガラララッ…
バッシャーン…
ないこ
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
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ないこ
水をかけられる 机に落書き
黒板に書かれた ハートが割れた相合傘
こんなもの 日常茶飯事だ
ないこ
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
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こいつらが気に入らないのは 俺とまろが付き合ってること
まろは 勉強も運動もできて 人柄も良くて 信頼も厚くて
完璧と言ってもいい様な人だ
そんなまろと なんの取り柄もない俺が 付き合っているということが 気に食わないらしい
ないこ
俺がまろと付き合えたことは 奇跡だから
俺が1番理解してる 俺とまろは 釣り合ってない
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ないこ
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
ないこ
先生はもちろん、まろに頼ることなんでできない
まろは優しいから 俺のために怒ってくれる
守ってもらってばっかりじゃ だめだから。
昼休み
いふ
ないこ
いふ
ないこ
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
ないこ
ここで首を縦に振ったら あいつらが黙っていない
言い訳を探して 教卓の上を見た
ないこ
ないこ
ないこ
いふ
いふ
ないこ
ないこ
いふ
耳としっぽ生やさないで! 可愛いけど!罪悪感が!
いふ
ないこ
ないこ
ないこ
今も目線が痛い
なんでこんなことになってるんだろうな…
まろと、付き合ってるから
ないこ
放課後
ないこ
言い訳が見つからない。
昼休みみたいに 教卓の上に資料はなくて
特に先生も忙しくなさそうだ
ないこ
いふ
ないこ
視線が一気に俺に集まる
無言の圧が 俺の心を締め付けた
いふ
ないこ
いふ
ないこ
まろに手を引っ張られて 無理やり足を進める
冷たい目が 突き刺さった
いふ
いふ
ないこ
まろがせっかく話してくれてるのに、何も頭に入ってこない
俺は頷くだけを 繰り返していた
いふ
いふ
いふ
ないこ
「大丈夫じゃない」
そう言えたら どれだけ楽になるんだろうな
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ないこ
「釣り合ってないよな〜」
「なんであんなやつがさ」
嫌という程入ってくる 隠しきれてない コソコソ話
隣にいるまろを見るだけで なんだか、苦しくなった
いふ
ないこ
いふ
ないこ
ないこ
いふ
ないこ
用事なんてもちろんない
まろから逃げてきただけだ
ないこ
ないこ
だめだ。頼れない
俺一人でなんとかしなきゃ
ないこ
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
ないこ
ないこ
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
ないこ
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
ないこ
これ、まずいやつ…
ドンッ…
ないこ
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
ないこ
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
ないこ
ないこ
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
ないこ
ないこ
あーあ…ダメだな俺 こんな時でもまろに 頼ろうとするとか
ないこ
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
ないこ
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎
ないこ
ないこ
ひとりじゃなにもできない 自分が
ないこ
ないこ
服はびりびりに破かれて 肌がさらけ出されている
足腰も弱って しばらくの間立てなかった
ないこ
帰ったところで あの日常が帰ってくるだけだ
傍に転がっていた携帯を手に取る
ないこ
画面には俺とまろのやり取りが並んでいる。
震える手で文字を打つ
「別れよ」
それだけ打って スマホを閉じた
すっかり暗くなって 雨が体を打ち付ける
冷たいなんて感覚は とうの昔になくなっていた
行く場所なんて決めずに 足を引きずる
でも、それも辛くなって 近くのベンチに腰を下ろした
ないこ
今は、これからの事を 考えなきゃいけないのに
「ないこ!」
考えるのは まろのことばっかり
ないこ
自分から逃げて 離れようとしたのに
何も諦められてない
やっぱり俺なんか まろに釣り合ってないんだ
雨が強くなる いつの間にか俺の体は 冷えきっていた
ないこ
ゆっくりと目を閉じる
雨が、止んだ
ないこ
「ないこ…」
ないこ
顔を見なくてもわかる
俺の大好きな声だ
いふ
ないこ
「ごめん」
そう口にしたいのに 何もでてこない
いふ
ないこ
いふ
ないこ
ないこ
いふ
いふ
ないこ
いふ
ないこ
いふ
いふ
ないこ
いふ
いふ
いふ
いふ
いふ
なんで…なんで
ないこ
ないこ
いふ
ないこ
ないこ
いふ
ないこ
いふ
いふ
ないこ
いふ
ないこ
ないこ
ないこ
いふ
まろが、俺の体を優しく包んだ
その暖かさに 涙が零れる
いふ
いふ
いふ
ないこ
いふ
いふ
ないこ
ないこ
いふ
いふ
ないこ
いふ
ないこ
いふ
いふ
いふ
ないこ
ないこ
いふ
ないこ
冷えきっていた体に 熱が溜まる
幸せって こういうことを言うんだ
あれだけ苦しんでいたのに もう何も怖くなかった
帰り道、まろに支えられながら 2人で1つの傘に入って帰った
恋人らしく 相合傘で
おまけ…? (後日談)
ないこ
いふ
ないこ
いふ
ないこ
いふ
いふ
ないこ
ないこ
いふ
いふ
ないこ
いふ
ないこ
いふ
いふ
ないこ
いふ
ないこ
やっぱり、幸せだ
コメント
23件
本当に最高すぎます。途中泣いてました(まじで)
やばい...ないちゃんの気持ちになって読んでたら涙が......(ガチ)
はぁ最高すぎるぅぅぅ!!! なにこれ!!!神なの!?神なのね!?! やっぱ無理する桃くんは大好物なんですよおおお!!!!ご馳走様でした!!!!!