まなみ
私、高橋まなみ
まなみ
どこにでもいるような平凡な高校生!
まなみ
で・は・な・く
まなみ
誰もがひれ伏すような美少女です
まなみ
360°どこから見られても恥ずかしいところなんてない
まなみ
パーフェクトな体
まなみ
振った男は数知れず
まなみ
スカウトからもらった名刺は山になってる
まなみ
運が良かっただけ?
まなみ
性格が悪そう?
まなみ
人生イージーモード?
まなみ
吠えてなさいよ負け犬ども!
まなみ
運も実力のうちなんだから!
まなみ
なーんて、調子に乗っていた罰でしょうか?
まなみ
私は今、変態に付きまとわれています。
放課後 駅前
一ノ瀬
やぁ、まなみくん!
一ノ瀬
君の美しい顔が見られない間
一ノ瀬
私がどんな気分だったか……
一ノ瀬
さ、このバラを持って
一ノ瀬
私によーく見せてごらん
まなみ
あ、どうも
まなみ
そのプレゼントも私のですか?
まなみ
ありがとうございまーす
まなみ
お疲れ様でーす
まなみ
……ちょっと!
まなみ
さっさとよこしなさいよ!
一ノ瀬
君ねぇ!
一ノ瀬
何もせずにプレゼントがもらえると思ってるのか!?
まなみ
あったりまえでしょ!
まなみ
私への貢ぎ物なんだからさっさとよこしなさいよ!
一ノ瀬
ふざけるな!
一ノ瀬
遊んでもらう見返りに決まってるだろう!
一ノ瀬
誰がタダで渡すか!
まなみ
ケチロリコン!
まなみ
見返りとして持ってくるくらいなら最初からキャバにでも行けば!?
まなみ
ふん!
まなみ
いらないわよ、こんなの!
一ノ瀬
ほう?
一ノ瀬
そんなこと言ってもいいのかな
一ノ瀬
中身を知れば、そうは言えなくなるぞ
まなみ
何よ
まなみ
っ!
まなみ
そのショッパー、コーキーピンクの!
まなみ
まさか!
一ノ瀬
そう
一ノ瀬
君が欲しがっていた限定アクセだ
一ノ瀬
欲しくはないのかな?
まなみ
ぐ、卑怯な……!
まなみ
わかった
まなみ
どこに付き合えばいいわけ
一ノ瀬
ではまずカフェに!
一ノ瀬
そのあとはディナーだ
一ノ瀬
門限まで帰れると思うな!
一ノ瀬
神近! 車を回せ!
神近
はっ
神近
高橋様、どうぞこちらへ
車内
まなみ
不味い店に連れて行ったら承知しないからね
一ノ瀬
任せておきたまえ
一ノ瀬
ああ、いや
一ノ瀬
君の庶民舌には合わないかもしれない
一ノ瀬
ぜひ感想を聞かせてほしいな
まなみ
どうしてわざわざそういうこと言うのよ!
一ノ瀬
だって、本当のことだろう?
一ノ瀬
これでも君を気遣っているんだ
まなみ
あっそう
まなみ
じゃあ、ずーっと黙っててください
一ノ瀬
……。
まなみ
……なによ
一ノ瀬
いやぁ、相変わらず美しいな
一ノ瀬
惚れ惚れするよ
まなみ
あんたってほんっとに私の顔好きよね
一ノ瀬
ああ
一ノ瀬
君の一番好きな部分だ
まなみ
顔が一番って
一ノ瀬
嬉しくないのかい?
まなみ
当然でしょ!?
まなみ
普通は性格が好きーとか
まなみ
優しいところがいいーとか
まなみ
そういうもんでしょ
一ノ瀬
それは重視するところが違うだけだろう?
一ノ瀬
私は顔だ
一ノ瀬
美しさを求める
一ノ瀬
そして、君の顔がもっとも理想に適している
一ノ瀬
君に求婚するのは理にかなってるだろう?
まなみ
それって、私が若いからじゃないの?
まなみ
綺麗な時間なんて一瞬で終わるし
一ノ瀬
ああ、その通りだ
一ノ瀬
やはり付き合い始めるなら若いほうが良い
まなみ
なっ!
まなみ
あんた、よくもぬけぬけと!
一ノ瀬
君の成長を、年老いていくさまを一番近くでみたいからね
一ノ瀬
早く出会うに越したことはない
一ノ瀬
そういう意味では私は実にツイている
まなみ
……バッカじゃないの
一ノ瀬
仕方ないだろう
一ノ瀬
恋は人を愚かにする
一ノ瀬
さ、まなみ君
一ノ瀬
手をだしたまえ
一ノ瀬
プレゼントを着けてあげよう
一ノ瀬
しかし、君が指輪を欲しがるなんて
一ノ瀬
嬉しいなぁ
まなみ
そーいうつもりじゃないし
一ノ瀬
照れるな照れるな
一ノ瀬
すぐに本物をプレゼントしてあげよう
まなみ
違うって言ってるでしょ!
まなみ
バカ!






