Snow Man　物語（ゆり組）

渡辺side

バチンッ！

いきなり俺に近づいてきてビンタしてきた阿部。

本当に阿部はずるいよ。

誰かが失敗しても阿部だけは、怒られずに微笑んでた。 そして怒られ終わったあとは、フォローを入れた。 だから、みんなは安心してメンバーどうしで怒ることができた。

そんな阿部が怒って、いつもは感じさせない歳の差を感じさせ、最年少っぽく弱々しく泣いている。

阿部にあやまり、急いで涼太を追いかける。

涼太を追いかけるのなら、メンバーの中で俺が一番だからな。

少ししたら、涼太の背中が見えた。

いつも優しい涼太に甘えていた罰なのか、うまく言葉出てこない。

その変わり、涙がどんどんこみ上げてくる。

あんなこと言っても、俺が何か言いたいのを察して待ってくれてる涼太。

一度、言葉に出すと、どんどん思いが溢れてきて、涙が止まらない。

だけど、涼太からは決して目をそらさなかった。

珍しく涼太が混乱している。

けど、すぐに理解したみたいで真剣な表情で俺のことを見つめた。

はっ？

そんなこと言わせんなよ。 恥ずいだろーが。

涼太の顔を見ると、いつもの余裕がなくて顔を真っ赤にしていた。

でも、今まで見てきた中で一番幸せそうな顔をしていた。

なんだかんだやって、みんなのもとへ戻った。

そうだ。さっき、戻って来るときに俺が手をつなごうっていったんだっけ。

緊張がやばすぎて忘れてた。

たまには、素直になるのも悪くないな。

⛄完⛄