いいよ、と軽くその人は言って、
一拍の間をおいて話し始めました
…妙な沈黙があって、
うつむいたその人は言葉を飲み込んだように見えました
脈略のない質問に驚き、
思わず聞き返してしまいましたが…
…るなの中で、答えはもう決まっていました
るなは、一瞬の間もおかずに答えました
今度は、その人が聞き返す番でした
…最後の言葉は、聞こえたかどうかはわかりません
ですけど…伝えるつもりがなかったという気がしません
…るなは、
きっと、ッ…るなはっ…
その人は豪快に、涙が出るくらい笑って、
すっごく「素敵」だよ!
…妙に、「素敵」って言葉が耳に残りました
とても耳当たりの良くて、
さらに、るなを安心させてくれるあの笑顔を見せてくれて、
るなの口元も、上がっていってくれました
微笑んで頷いてくれていて、るなは心底安心しました
るなもはじめ、不良だと思ってしまいましたもんね
後悔と憎らしさが少しだけ震えた声から伝わってきて、
るなは…どうしたらいいのかわからなくなって、
そうする理由なんかないのに、
冷えた石の階段に置く手に力を込めました
へらりと笑ったような気がしました
さっきと同じような、自虐的手悲しそうな雰囲気を感じて、
今にも言葉を発したさそうに口が震えました
ですけど…へんな同情とか、慰めとか、るなだって嫌です…
結局…何も声が出てくれなくて、ただ黙って話を聞いているだけになってしまいました
『幸せになるべきじゃない』
『笑顔になるべきじゃない』
何が…までは、その人は言いませんでした
隣で、膝の上に難敵化の水滴がこぼれ落ちるのが見えて、
耐えられなくて、るなは思わず言葉が飛び出てしまいました
…もう…もうっ、これが正解だったなんて…思ってませんし…わかりません
ですけど…るなの…るなの光に、なってくれたこの人に、
なにか、…なにか、したくて…
どうにか…笑顔を捨てないで欲しくて、
笑顔になってほしくて…
…あっ、
…だってッ…
自分の好きを出したら…
みんな…「変」って言うじゃないですか
大好きな友達だって…誰一人…誰一人、
認めてくれなかったんですよ…?
燈植 笑兎
るなたちの後ろから、朝日が昇ってきて、
無機質な東京の街をほんのりとオレンジに染めていきました
私とえとさんは、見つめあったまましばらく動けませんでした
燈植 笑兎
水野 絆
燈植 笑兎
えとちゃんは、そっと口を閉じました
そして、るなの手を掴んで、
燈植 笑兎
そう、聞いてくれました
るなは、…いっつもこう答えます
るなの…先輩たちに教えられた通り、
えとちゃんの…この人の、
この…るなの光の、女神さまの、
近くに居られたら…どれだけ幸せかという思いをおさえて
水野 絆
水野 絆
コメント
3件
乃愛さんのグループとても憎たらしいです 乃愛さんが不良みたいな子と絡んでてそれで嫌うなんて意味わかりませんよね 人は見た目で決めつけちゃだめですからね特に噂とかでも こっからどうなっていくんでしょう、
いじめてた人たち酷すぎる💢 なんか言葉がうまくでてこないんですけど、るなさんとえとさんがお互いに、本心ではないかもしれないけど、気持ちを伝えあってて良かったなって思いました・・・
前のグループにいたやつら?ふざけんなよ?二人の幸せ壊すとかまじであり得ないんだけど、ほんとに許しがたい なんか会話がきれいすぎて…いいなぁって思いました!(???