TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

某日

正装に身を包んだ魔叉琉と紗羅は

パーティー会場へ向かっていた

紗羅

今日のパーティーって
何で私達も呼ばれたの?

魔叉琉

んー

魔叉琉

この間、引ったくりに
襲われた女性を

魔叉琉

藤野警部が…いや

魔叉琉

正確には俺と警部が、
なんだけど

魔叉琉

助けたんだよ

紗羅

それで?

魔叉琉

その女性、なんと
森製薬のご令嬢でさ

紗羅

森製薬…!?

紗羅

…あ、それで呼ばれたのね

魔叉琉

そうそう

魔叉琉

なんでも、お世話になった
人とか招いて

魔叉琉

盛大にお祝いするらしい

紗羅

お祝い…ああ!

紗羅

そういえば森製薬、
創立5周年だっけ?

魔叉琉

そうそう

紗羅

私も行っていいのが
嬉しい…!

魔叉琉

ふっ…

魔叉琉

(ご令嬢さんに頼み込んだからな)

紗羅

なに?

魔叉琉

なんでも

魔叉琉

…あ、お酒はやめといて

紗羅

わかってるよ

魔叉琉

(酔った紗羅も可愛いんだけど)

魔叉琉

(グラスの4分の1で
酔っちゃうんだもんな)

紗羅

藤野警部も
驚いたんだろうなぁ

魔叉琉

だろうな

魔叉琉

そっか、藤野警部も正装か

紗羅

珍しいね

魔叉琉

そうだなぁ…

魔叉琉

……ん、着いたよ

紗羅

ありがと!

パーティー会場に入ると

既に集合していた面々が 興味深げに2人を見る

森 雅彦

お!稔さんですね!

魔叉琉

ええ

魔叉琉

お招きいただき
ありがとうございます

森 雅彦

そんな堅苦しくしないで
どうぞお楽しみください

魔叉琉

ありがとうございます

魔叉琉

えーと…森製薬の?

森 雅彦

森雅彦と申します

森 雅彦

先日は姉がお世話になりました

魔叉琉

弟さんでしたか

森 雅彦

はい

森 雅彦

…そちらは

魔叉琉

俺の好い人です

魔叉琉

手を出したら
タダでは済ませませんよ

紗羅

ちょっ、魔叉琉…!

森 雅彦

ははは

森 雅彦

いや、仲睦まじくて何よりです

森 雅彦

手を出す勇気ありませんよ

森 雅彦

稔さん強そうですもん

紗羅

(間違いないです…)

魔叉琉

ご冗談を

魔叉琉

ただの探偵やってる
大学生ですよ

森 沙都子

あ!

森 沙都子

稔さん!

魔叉琉

ん?

駆けてきたのは ピンク色のドレスに身を包んだ

1人の女性だった

魔叉琉

…あぁ、こんばんは

魔叉琉

沙都子さん、でしたよね

森 沙都子

はい!

森 沙都子

先日は本当に
助かりました

森 沙都子

ありがとうございました!

魔叉琉

いえ

森 沙都子

今日は遠慮なさらず
楽しんでくださいね!

森 沙都子

……彼女さんも!

紗羅

紗羅

あ、ありがとうございます…!

紗羅

(苦手なタイプかも、って
思ってたけど)

紗羅

(良い人だな…)

森 沙都子

ワイン平気ですよね!

魔叉琉

ええ、俺は

森 雅彦

じゃあ、これを

魔叉琉

ありがとうございます

魔叉琉

あ、彼女にはウーロン茶を

森 沙都子

あ!わかりました!

森 沙都子

雅彦、ごめん!
持ってきて!

森 雅彦

はいはい

高めの声で話す沙都子は 20代後半とは思えない

仄かな葡萄の香りを楽しみつつ 魔叉琉はグラスを傾けた

藤野警部

お!見付けた見付けた

紗羅

藤野警部!

魔叉琉

正装、似合ってますよ

藤野警部

正直気慣れなくてな

藤野警部

そう言ってもらえると嬉しい

森 雅彦

貴方も、
姉を助けてくださって

藤野警部

弟さんか

藤野警部

いや、無事で良かったですよ

紗羅

警部はもう
沙都子さんに挨拶しました?

藤野警部

ああ

藤野警部

なんなら、
トップの健司さんとも

紗羅

早いですね…!

魔叉琉

やっぱり

魔叉琉

この規模になると
豪華ですね

藤野警部

確かになぁ

そう、3人が喋っていた時

佐藤宏樹

すみません!
どいてください!

藤野警部

ん?

ドンッ

魔叉琉

っ…

佐藤宏樹

し、失礼しました!

魔叉琉に衝突したその男性は 慌てて振り返って謝罪し

そのまま健司の元へ走っていく

少々疲れているように見えた

紗羅

魔叉琉、大丈夫?

魔叉琉

あぁ

魔叉琉

怪我もないし
ワインも零れてない

魔叉琉

問題ねーよ

紗羅

よかった

森 雅彦

失礼しました

森 雅彦

あれは父の秘書の
佐藤宏樹です

そう言い、雅彦は頭を下げる

それを、構いませんと 頭を振った

藤野警部

忙しそうだったな

藤野警部の目は

何やら健司と話す 佐藤宏樹の姿を映している

魔叉琉

これだけの
パーティーだもんな

呟き、ワインを飲む

もう半分ほど減っているが

魔叉琉は酔う気配すら無い

紗羅

魔叉琉お酒強いよね

魔叉琉

んー…どうだろうな

森 沙都子

皆様

森 沙都子

本日はお忙しい中……

魔叉琉

……?

魔叉琉

(なんか…
フラフラ、する?)

話している沙都子の声が 遠くなったり近くなったり

視界が歪む

魔叉琉

(やべ…何か盛られたか…!)

魔叉琉

っ、紗羅

紗羅

どうしたの?

魔叉琉

ちょ、これ

紗羅

ワイン?

紗羅

…!

紗羅

すごい汗…どうしたの?!

魔叉琉

薬…

紗羅

え?

魔叉琉

薬、盛られた…と思う

紗羅

え、?!

魔叉琉

吐いてくる…

魔叉琉

悪い…持ってて

紗羅

う、うん

魔叉琉からワインの入った グラスを受け取り

不安げな瞳で

会場を出る魔叉琉を見つめた

森 沙都子

父・森 健司より
重大な話がございます

森 沙都子

では

その時

突然 暗闇に包まれる

紗羅

(停電…!?)

森 沙都子

っ、ぐ

森 沙都子

がはっ…

確かに聞こえた、沙都子の声

受け取ったワイングラスを テーブルの上に置き

紗羅は沙都子がいた方へ 駆け寄った

森 健司

どうした、何があった

ザワザワとした声が 大きくなる

藤野警部

皆さん動かないで!

藤野警部

……碧くん

紗羅

警部…!

人混みを掻き分けて 藤野もまた

紗羅の方へやってきた

藤野がスマホで 床を照らす

紗羅

っひ…!

藤野警部

これ、は…

誰のものか分からない悲鳴が 聞こえた

そこには

ボウガンの矢に射抜かれて 亡くなっている、

森 沙都子の身体が 横たわっていた

続く

カレカノ探偵事務所

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

340

コメント

3

ユーザー
ユーザー
ユーザー

遅くなりました! いやほら、トリックとか動機とか色々考えてたんですけど、なかなか浮かばなくて(メタい) ちょっとまた今回も長くなるかもです お付き合いください!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚