TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

それって、美月先輩のっすよね?

翔太

あのさぁ、何で下の名前なの?

翔太

(俺だってまだ本人の前で呼べてないのに!)

もしかして、組織の人間に攫われたとか!

陸はまたも組織のことを話題に出す。 妄想もいい加減にしてくれよ…

翔太

何で櫻井が攫われんだよ。

僕たちが檸檬爆弾のこと探ってるのがバレてるんすよ。

翔太

はぁ…そんな映画みたいなことあるわけないだろ。

ちゃんと真剣に考えて下さいよ。

翔太

…ん?

陸の妄想に呆れていると、目の前を男が通り過ぎた。

どうかしました?

翔太

いや、あいつ、なんかさっき変な絵描いてたんだよね。

もしかすると、あの人も組織の人間かもしれないっすね。

翔太

だったら追いかけよう。

陸の話は全くもって信じられないが、俺はなんだか嫌な予感がした。

え⁉︎

翔太

お前の推理があってるなら、あの男の仲間に櫻井が攫われたってことだろ?

いやでもちょっと…

翔太

ちぇ…あいついなくなってる。どこだよ!

その瞬間、後ろの方から視線を感じた。

翔太

誰だ?

翔太

おい待て!

どうしたんすか?

翔太

いま誰かいたんだよ。女子だった。

女子っすか。

翔太

たぶん同じ中学の奴だと思う。

……

……

翔太

おいどうしたんだよ。

陸が突然黙り込んでしまった。

…美月先輩は、誘拐されたんじゃなくて、組織の人間だとしたら?

急に黙ったと思ったら、意味不明なことを口走る。

翔太

何言ってんだお前。

いや僕は、あのMからのメッセージが気になって。あれが、マジの話だとしたら、

翔太

んなわけねぇだろ。

美月先輩は、組織からなんらかのメッセージを受け取った。
例のあの、変な絵をかいてた男から。

それで、携帯を捨てて、最後のミッション、爆弾を仕掛けに行った。

翔太

じゃあ何で俺たちと一緒に居たんだよ!

すべては警察の目を欺くためっすよ。
まさか女子中学生が工作員だとは思いもしないっすから。

そんなわけない…でも…そうじゃ無いって証拠もない… まさか美月は本当に…

美月

ねぇ!あたしの携帯知らない?

あ、先輩。

翔太

なっ、お前どこいたんだよ!

美月

ああ家。この本とってきた。なんかこの中にさ、ヒントあるかと思って。

なるほど。

家に帰ってただけって…勝手に心配して損したじゃねぇか!

翔太

(でも…これは伝えとかないとな。)

翔太

なるほどじゃねぇよ。もういいわ。馬鹿馬鹿しい。

美月

え、ちょどこ行くの。

翔太

帰るに決まってんだろ。腹も減ったし。

翔太

(頼む…伝わってくれ…)

美月

(…?)…えーホントに帰っちゃった。つまんないの。

…あの、実は、池田先輩のカバンの中に檸檬が入ってたの俺、見ちゃって…

美月

それが爆弾?

可能性はあります。

美月

よし。じゃああいつ尾行しよう。

はい。

誰かに連絡してますね…

美月

誰に連絡して…ヤバっ

翔太がこちらをチラリと見たような気がしたので、 私たちはすぐさま近くの物陰に隠れた。

危なかったっすね。

美月

ね…

美月

ん、これ美味しいね。しながわ満月って言うんだ。

あ、なんか品川のお土産で売れてるそうっすよ。
今日はたまたま持ってたんすけど、尾行のお供に最高っすね。

美月

ふぅん。陸くんはさ、

はい。

美月

テニス部なの?

どうしてですか?

美月

そのキーホルダー。

ああこれっすか?

美月

文化祭でテニス部の人たちが作ってたやつだよね。かわいいから覚えてたんだよね。

…でも、もう辞めたんです。やりたいことが見つかったから。

美月

やりたいこと?

美月

…あ、動いた!行こ。

はい!

美月

あ、置いた。あの中に本当に爆弾があるんだよね?

恐らく。

美月

なら、警察呼んだ方が

今からじゃ間に合わないっす。
俺があの爆弾、人のいないところに運ぶから、
美月さんはできるだけ遠くに逃げて下さい。

早く!

美月

はぁはぁ…ここなら…

俺は池田先輩の爆弾を海に投げ込む為に、橋まで来た。

しかし、俺は投げ込まなかった。

投げなくて、いいよな…

次の瞬間、この場で聞くはずのない声が聞こえてきた。

翔太

投げられたらどうしようかと思ったよ。

え…何で…帰ったんじゃ…

ここから、俺の計画が崩れ始めた…

しながわミステリークラブ

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

24

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚