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ピンポーン
私はインターホンを押した。
りさ
そう応答があり、しばらくして 玄関の扉が開いた。
りさ
私
どうぞ、と案内され 家の中に入る。
りさ
私
そう世間話をしながら 部屋の奥へ進む。
りさ
私
私は机の側に置いてあるカゴに 荷物を入れ、腰を下ろした。
りさ
そう聞かれ、スマホを取り出す。
月に一度、ここのネイルサロンに通っている。プライベートサロンということもあり 一対一で施術をしてもらえるのがとても気に入っている。
しかも家からとても近い。 その上、ネイリストさんのりささんは とても人当たりが良くいつも楽しく会話をしている。
私
そう言いながら、ネットで拾った ネイルのデザインを見せる。
りさ
毎日仕事で疲れるたび、手元のネイルを見ると、とてもやる気が出る。
次ばどんなデザインにしようか、と考えるのもとても生きがいになっていた。
いつも施術中は、楽しくお互いのことについて会話をしている。
りさ
私
りさ
私
りさ
そうニヤリと笑ってコチラを見た。
そんなの気になるに決まってる。
私
思わず身を乗り出す。
りさ
そう言って、りささんは話し始めた。
母
母
母
りさ
母
りさ
母
りさ
りさ
母
りさ
私がそういうと 母はほころんだ表情になった。
明日は、ずっと楽しみにしていた 林間学校の日。
コースがいくつか分かれていて、 自然の中を歩いていくもの。
クラスでそれぞれ班をつくり その班ごとにバラバラのコースを辿る。
コースの目的地は同じ場所であるものの 自分たちで歩いて先生の待つ目的地まで 向かうというもの。
クラスで組んだ班の子と 役割分担だったりをしっかり決めたので
絶対自分の班が1番に着くはずだ。
母
りさ
母
母
りさ
私は元気に返事をして 寝る支度を始めた。
ワクワクする気持ちを抑えられないまま 布団に潜り目を瞑った。
ゆみ
りさ
次の日、学校に行くと 同じ班であるゆみちゃんが挨拶してくれた。
ゆみ
りさ
ゆみ
クラス替えで隣の席だったゆみちゃん。 仲良くなり班も一緒にしようと決めた。
話している間も、クラスメイトは 続々と入ってくる。
先生
チャイムと共に先生がそう言った。
私もゆみちゃんとの会話をやめ 席についた。
先生
先生
先生
先生
先生
時計の針は30分を指していた。
先生の話が終わると、トイレに向かう子や 友達と話す子とそれぞれ別れた。
私はリュックと水筒を準備し 出発に向けて持ち物を揃えた。
ゆみ
りさ
私たちは集まる場所である校庭へと向かった。
校庭にいくと、すでに他のクラスの子が 沢山いた。
見渡すと、担任の先生の声が聞こえた。
先生
列には同じクラスの子が並んでいた。
りさ
ゆみ
組んだ班ごとに列ができていて、 私たちよりも先に同じ班の男子が先に並んでいた。
たくや
りさ
たくや
りょう
先生
先生
しばらくたち、私たちのクラスの班も 他のクラスの班の子も全員揃った。
少し顔が怖い学年の偉い先生の話も終わり それぞれバスに乗った。
りさ
ゆみ
事前に決めたバスの座席に座った。
それぞれリュックを下ろして 前の席のフックにかける。
先生が点呼をして、バスが発進した。
ゆみ
無邪気なゆみに釣られて私も ドキドキしてきた。
窓の景色はどんどん変わっていき
見慣れた景色から木や山など 自然の多いものになっていった。
先生
先生
先生
先生
先生
先生
先生
そう言われ、皆んな自分の持ち物を 準備し始めた。
目的地に到着し、バスを降りると
すぐ近くに広場があり そこに列になって並んだ。
先生
先生
先生
先生
先生
先生
先生
たくや
りょう
ゆみ
たくや
りょう
たくや
私たちはAコースを歩くことになった。
地図を確認すると、途中にトイレのマークがあった。
先生
みんなではーい!と 大きく返事をして班長であるりょうくんを 先頭に進んで行った。
さっきまでたくさんいたのに 突然4人になると少し寂しい。
ゆみ
りさ
りさ
事前に決めた役割で私は 写真係になった。
自然などの写真を撮り 後日、発表する際に使ったり
壁に掲載する用に撮るのだ。
初めてデジカメを持って撮るのが とても楽しかった。
私は目に留まったものを 次々に撮っていく。
ゆみ
りさ
私は迷わずシャッターを切る。
りょう
どんどんと進んでいく。
道からは絶対に逸れないこと、 班員を置いていかないこと。 それが先生との約束だ。
ゆみ
りょう
ゆみ
たくや
りさ
季節は六月上旬。
まだ夏本番ではないものの、 少しずつ日差しが強くなっていて
みんなの額には汗が滲んでいた。
少し歩いたところで休憩を挟むことにした。
それぞれ持ってきた水筒を飲む。
たくや
ハンカチで汗を拭きながらたくやくんは そう言った。
ゆみ
そう言ってゆみはお菓子の小袋を取り出した。
りょう
ゆみ
たくや
ゆみ
ゆみ
そう言ってみんなにチョコチップクッキーを配ってくれた。
みんなでかじりつく。
チョコが甘くて美味しい。
味につられて水筒のお茶を飲んだ。
りょう
たくや
また進み出した。
歩いている間も私は休まず写真を撮っていた。
虫や鳥、木や植物など
りさ
しばらく歩いているうちに
わたしは違和感を覚えた。
りさ
りさ
さっきまでは大丈夫だったのに 突然トイレに行きたくなった。
さっきクッキーを食べた時に お茶を沢山飲んでしまったからだ。
りさ
私は迷ったがりょうくんに聞いてみた。
りさ
りょう
立ち止まって地図を見る。
たくや
りょうくんの開いた地図を 覗き込み、たくやくんは指差した。
りょう
りょう
りさ
りさ
たくや
たくや
たくや
そうたくやくんが聞くと 3人の視線は私に集まる。
私がトイレに行きたいことを自白したようなものだ。
思わず俯く。
ゆみ
ゆみ
りょう
りょう
そう言ってまた進み出した。
りさ
私は胸を撫で下ろす。
トイレに行きたいことを言ったら バカにかれると思ってたのに。
ゆみ
そう小声でゆみちゃんは耳打ちしてきた。
りさ
2人で手を繋いでりょうくんたちの後を追った。
りょう
少し歩くとさきに仮設トイレが 見えてきた
ゆみ
ゆみ
りさ
たくや
りさ
2人でトイレへと向かった。
そこにあるトイレは少し古めだった。
ゆみ
りさ
2人でドアを開けると
あまり利用する人が少ないこともあり
案外綺麗だった。
りさ
ゆみ
ゆみ
りさ
そう答え、先にトイレを済ませた。
りさ
ゆみ
ゆみ
りさ
ゆみ
りさ
近くに男子がいるとはいえ、 人気のないトイレに1人でいるのは 怖いものだ。
ゆみちゃんがトイレに行ってる間 待っていた。
りさ
周りを見渡しつつ、りょうくんたちの 声が聞こえたので遠くを見ると
2人が楽しそうに話しているのが見えた。
りさ
すると
シャン
シャン
シャン
りさ
りさ
シャン
シャン
シャン
パッと振り返ると
そこにはとても綺麗な景色が続いていた
少し坂になっていて、そこを下っていくと奥まで道が続いている。
その道の横には色とりどりの花が咲いていて奥には山が続いている。
りさ
思わず私はシャッターを切った。
パシャ
りさ
りさ
ずっと見ていると吸い込まれそうな 感覚に陥る。
りさ
でも、全然との約束は 道を逸れないこと。
りさ
気づくと鈴の音は止んでいた。
ゆみ
突然、ゆみの叫び声が聞こえ トイレを見ると急いで出てきたのか
真っ青なゆみがいた。
りさ
ゆみ
ゆみ
ゆみ
ゆみ
りさ
ゆみに腕をグッと引っ張られ、
りょうくんたちの元へと戻ってきた。
りさ
りさ
ゆみ
ゆみ
たくや
りょう
ゆみが軽くパニックになったこともあり
さっきの景色の話はできなかった。
その後、無事1番着でゴールまで辿り着き
先に休憩をしながら 他の班を待っていた。
ゆみ
りさ
ゆみ
りさ
ゆみ
りさ
ゆみ
綺麗なものには目がないゆみ
りさ
ゆみ
そう言われ、カメラを取り出す。
しかし
りさ
画面は真っ暗なまま。
りさ
そう言ってカメラを差し出す。
先生
先生
先生
りさ
先生
先生
りさ
ゆみ
先生
先生
りさ
2人で肩を落として返事をした。
みんながゴールした後は先生が 班ごとのカメラ、携帯を回収することになっていたので、先生にカメラと携帯を渡した
りさ
ゆみ
後日
ゆみ
りさ
ゆみ
りさ
ゆみ
ゆみ
先生
先生
チャイムと共に先生が声をかけて それぞそれの席に着く。
先生
先生
先生
先生
朝の会が終わったあと
2人で廊下に出た。
2組という張り紙の横には ずらっと写真が並んでいた
ゆみ
りさ
2人で駆け寄る。
りさ
ということは
最後に撮ったのは
あの綺麗な景色だった。
ゆみ
りさ
りさ
指で写真をたどりながら進んでいく
りさ
りさ
ゆみ
ゆみ
綺麗な景色を撮ったはずの写真は
画面が全て真っ黒に塗りつぶされたように なっていて
何も見えなかった。
りさ
りさ
りさ
その後2人で先生の元へ行き
事情を説明して、データを確認 してもらったが
私が見たような景色の写真は1つもなく
私たちが通ったコース以外に 道はないとのことだった。
りさ
私
私
りさ
りさ
りさ
りさ
りさ
私
りさ
りさ
りさ
りさ
りさ
りさ
りさ
りさ
りさ
私
りさ
りさ
りさ
りさ
りさ