bl 甘々 体調不良 学パロ 情景表現多 部活捏造 名前分かりづらい 見方によっては微キャラ崩壊 要素あり
それとちょっとだけ長めなんで時間がある時にどうぞ〜
上記のことが理解できた方々
いってらっしゃい
透き通っていた
まっすぐに伸びたその音は
俺の耳に届いて
甘く反響する
彼の奏でるあの音は甘いのにさらさらしていて川を流れているかのようだった
彼は音を奏でつつそっと目を開けた
その目は俺と同じ蒼色
虜にならないわけがなかった
怖いのに
その恐怖心と裏腹に
好奇心が湧き出てくる
たくさんの視線が水色の目を持つ隣の子に集まる中俺は立ち上がる
時也樹佑
時也樹佑
そう言う先輩であろう制服の人の目を見れないまま俺は口を開いた
時也樹佑
俺はまた座りながら進行をしている先輩の声を聞く
そう叫ぶのは一番端に座る先輩
そう言いながら立ち上がる先輩は先ほどの先輩とは反対の端に座る人
え、背高......
間抜けにもそんなことを考えていればその先輩が口を開く
荒木田千尋
そう司会の人に小言を突かれるも彼はそのまま自己紹介を続けていく
荒木田千尋
荒木田千尋
そう言って彼はオーバーカーディガンの裾から手を覗かせ俺ら1年生の方に手を振った
こちらをちらりと見た先輩の目の色は俺と同じ
蒼色の目
男子校であるここの吹部は人数が少ないためすぐに自己紹介が終わった
燗酒宵
燗酒宵
燗酒宵
燗酒宵
そう言いながら何やら丁寧に一枚の紙を取り出す司会の人はきりやんという先輩
燗酒宵
燗酒宵
中村優亞
燗酒宵
燗酒宵
隣では今にでも立ち上がりそうな小柄な同級生を横目で見ながら先輩の手元を凝視する
燗酒宵
燗酒宵
燗酒宵
燗酒宵
荒木田千尋
荒木田千尋
そう言って指を刺された先輩は確かスマイル.....っていうあだ名の先輩
名前と釣り合わない.....
そんなふうに感じてしまう外見を持つその先輩はすぐに呆れたようにため息をつき司会の先輩へと視線を送る
燗酒宵
燗酒宵
同級生の視線はまた司会の先輩へと移り、緊張感の漂う空気が流れた
俺の第一希望はクラリネット 第二希望はフルート.....
大抵こういうのはフルートが始めで次がクラリネット
すぐに運命が傾くか決まってしまうその順番に頭を冷や冷やとさせてしまう
燗酒宵
燗酒宵
燗酒宵
燗酒宵
その場で叫んだ2人の同級生はあっという間に音楽室から出ていった
フルートじゃ...な...い.....
燗酒宵
燗酒宵
燗酒宵
いやだ....
クラリネット......
俺はいつだか聞いたあの不思議な音色を頭に浮かべながら先輩の声に耳を向けた
燗酒宵
燗酒宵
時也樹佑
中村優亞
中村優亞
今にでも飛び上がりそうな隣の男の子はこちらを見た
時也樹佑
時也樹佑
中村優亞
燗酒宵
燗酒宵
燗酒宵
荒木田千尋
荒木田千尋
そう笑いながらこちらへ近づいてくる先輩は俺ら2人に笑いかけた
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
可愛らしい1年生2人
テンションあがっちゃうね
覚尾奈緒
覚尾奈緒
荒木田千尋
新部員の2人を適当なところに座らせながら僕は言った
覚尾奈緒
覚尾奈緒
覚尾奈緒
荒木田千尋
僕はさっき見たきんときという子の怯え具合がとても気になってそちらに目を向けた
中村優亞
時也樹佑
キラキラと目を輝かせる水色の瞳を持つ子と
長い髪の毛に包まれ瞳の見えない下を俯く男の子
荒木田千尋
荒木田千尋
そう首を傾けて彼らに問えばなかむは大きく頷ききんときは俯き続けた
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
僕は順に手を向けながらシャケに言う
荒木田千尋
荒木田千尋
覚尾奈緒
荒木田千尋
荒木田千尋
覚尾奈緒
覚尾奈緒
ど低音のボイスを持つ机に座っていた彼はすぐに立ってこちらへ近づいてくる
覚尾奈緒
荒木田千尋
覚尾奈緒
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
そう声に出したときだった
中村優亞
中村優亞
荒木田千尋
きんときが口を手で押さえ小刻みに震えだしたのだ
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
僕は何も考えられずに彼の口元を彼の手の上から覆いつつ体を抱え上げた
"先輩"
という立場の人がすごく苦手だった
別に何か揶揄われたとかいじめられたとかそういうわけじゃないけど
親がよく話す親自身の体験した先輩からのいじめのこと
典型的な話なのに
何故か先輩からのいじめの話は強く頭に残った
自分よりも身長が高くて体ががっしりとしている先輩という立場の人たちは見るだけで
いじめの話を思い出させ俺を震えさせた
そんな先輩が怖かった俺は中学時代部活には入らず個人的に演奏をし続けてきた
高校生になり"ある音"に惹かれて部活へと入った
しかし、中学時代に先輩との交流が全くなかったことで耐性がゼロに近くなっており
気づけば目眩と吐き気が俺の体を襲っていた
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
少し体を動かせば頭上から声がする
荒木田千尋
そう言われてこの人に抱かれていることに気づいた俺は思わず身じろぎをした
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
そう言ってこちらを覗いてきた先生らしい人から視線をずらす
まぁどうせ見えないだろうけど
荒木田千尋
荒木田千尋
そうして俺を抱えた人は歩き出した
荒木田千尋
腕の中に簡単に収まる僕よりも小さい後輩
先ほどよりも気分はマシになったようで口元から手を離していた
あの保健室の先生くそだよな〜
体調不良者の看病見たくない先生とかいかれてるって〜
3つ全てのベットが空だったあの保健室を思い浮かべながらそう考える
時也樹佑
荒木田千尋
突然声を発した腕の中の彼を見る
時也樹佑
そう言って僕の腕の中から降りようとする彼を抱え直すように僕は動いた
時也樹佑
荒木田千尋
荒木田千尋
僕は先ほどよりも強い力で彼を抱えて教室の方へと歩いていった
程よく西陽がさして暖かい教室に彼を連れ込む
荒木田千尋
時也樹佑
どこを見ているかわからない彼をそっと下ろしてあげる
時也樹佑
荒木田千尋
後ろに倒れそうになる彼の腕を掴めば彼はフラフラと姿勢を保たせる
荒木田千尋
近くにある椅子を彼のそばに置けばすぐに腰をおろす彼
荒木田千尋
荒木田千尋
そう言いながら彼の前に椅子を持ってきて僕も腰を下ろした
あの音を聞いた明るい暖かい教室にいた
荒木田千尋
そう言う俺をここまで連れてきた人はパートの先輩....ぶるーくっていう人....
時也樹佑
先輩の腕から降りた時またひどい眩暈に襲われ体から力が抜ける
荒木田千尋
先輩に流れるように椅子を差し出され、なす術もなく腰を下ろす
いつのまにか先輩も椅子に座っていて俺のことを見ていた
荒木田千尋
そう言って俺に手を伸ばす先輩が怖くて体を震わせた
荒木田千尋
荒木田千尋
時也樹佑
悲しそうに眉を下げる先輩に前のめりになって否定の言葉をあげる
荒木田千尋
荒木田千尋
先輩に椅子に深く座らせられて頭を優しく撫でられる
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
時也樹佑
別に1人残して戻っててもいいのに....
そんな言葉は胸にしまい込んで床を見る
しばらくすると少し離れた机の方からかちゃかちゃと楽器を組み立てる音がする
チラリとそちらを向けば丁寧な手つきで楽器を持つ先輩
荒木田千尋
荒木田千尋
そんな風に煽るような言葉を発しながらにやにやと笑う先輩
時也樹佑
マイ楽器なのかな.....
学校の楽器とは思えないほど艶の効いた輝く楽器に俺の目は奪われていた
荒木田千尋
荒木田千尋
そう言いながら先輩は俺の座るところからさらに離れる
荒木田千尋
荒木田千尋
遠くからそう言う先輩に静かにこくりと頷いた
すぐに聞こえてきたその音は
チューニングしてないからちょっとだけ音程が悪いのに
あの時聞いた甘い音のように聞こえた
でも前とは違ってペタペタとした執着のある音
あのサラサラとした質感は消え去りただただよく聞く甘いクラリネットの音だった
先輩の手元を見ていれば滑らかに動く綺麗な指
そんな風に凝視する俺の目線に気づいたのか先輩は吹くのをやめてこっちを見る
荒木田千尋
荒木田千尋
そう聞いてくる先輩に俺は本音を押さえられずに漏らした
時也樹佑
時也樹佑
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
何故かさん付けで俺の名前を呼びながら揶揄うようにくすくすと笑う先輩
先輩はひとしきり笑った後こちらを向いて言った
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
先輩はそう言ってすぐに楽器に薄い唇をつけた
少し口が空いて空気を吸う音とともに先輩の指が動く
艶の効いた楽器から出てくるその音は俺が追い求めたあの音
甘いのにサラサラとしていて川に流されているような音
前よりも聞いてる場所が先輩に近いからか音が一つ一つ鮮明に聞こえる
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
時也樹佑
自分でも意味わからないくらい明るい声が飛び出した
荒木田千尋
荒木田千尋
先輩はそう言いながら楽器を置いてこちらに近づいてくる
荒木田千尋
時也樹佑
すんごい至近距離で目線を合わせるようにこちらを見る先輩
荒木田千尋
時也樹佑
荒木田千尋
時也樹佑
荒木田千尋
半ば強制で彼について聞き出して思ったことはたった一つ
僕のことは怖がってなくないか.....?
だから僕は思いきって彼に触れた
荒木田千尋
時也樹佑
前髪を上げれば綺麗な蒼色の瞳が見えた
荒木田千尋
荒木田千尋
時也樹佑
荒木田千尋
荒木田千尋
勢いよく前髪を元に戻して下を向く彼に唐突に心配が募ってくる
自然に彼の体を抱きしめて背中を撫でると彼の体が小さく震えた
時也樹佑
荒木田千尋
荒木田千尋
僕は若干荒ぶりつつ彼から離れようとした
ギュッ......
しかし、その動きは彼の腕が僕のパーカーを掴んだことで止まる
荒木田千尋
時也樹佑
時也樹佑
僕のパーカーを掴んでいたその手はすぐに離れてきんさんも僕から離れる
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
時也樹佑
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
そう言って持ってきていた学校の楽器を差し出す
時也樹佑
時也樹佑
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
時也樹佑
荒木田千尋
僕は学校の楽器を持ってその教室を飛び出した
先輩が教室を出て行ってからまた思考を繰り広げる
さっきなんであんなことしちゃったんだろ.....
いきなり視界が晴れて蒼色の瞳とぱちりと目があった
ぶるーく先輩は怖くないことを自覚して
で何故か抱きつかれて....
で、先輩の体が暖かくて....
これまでにないくらいの暖かさに脳が震えて.....
え?
で、何故先輩のパーカー掴んだんだ?
自問も甚だしいほど繰り返すうちに先輩が戻ってくる
荒木田千尋
荒木田千尋
そう言いながら渡されたのは俺の楽器
自分の楽器と先輩を見た瞬間またあの音を思い出して少し微笑んでしまう
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
先輩とは思えないくらい馴れ馴れしいこの先輩は俺に合っていたのかもしれない
俺は丁寧に楽器を出して体の前に構える
彼に楽器を持って行った時
自身の楽器を目にした彼は僕の演奏のときとは違う種類の微笑みを見せてくれた
よっぽどクラリネットが好きなんだろうな〜
綺麗な動作で楽器を組み立てていく彼を見ていればすぐに楽器を構えた
時也樹佑
え
彼が息を吸った時、涼しげな風が吹いた気がした
荒木田千尋
彼の出す音は
まさに爽やかな美しいと言えるような音だった
僕とは違って音の一粒一粒がはっきりしていてそれでいて流れている
時也樹佑
少しして彼は楽器から口を離した
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
時也樹佑
時也樹佑
荒木田千尋
荒木田千尋
時也樹佑
どうも
シャークんだ
新部員が入った後、何日か部活に来ていなかったぶるーくに突然音楽室に呼び出された
なんだなんだと後輩と一緒に音楽室へ行けば部員全員がそこに集まっていて
みんな頭にはてなマークを浮かべていた
またあいつは思いつきで何かを.....
そんなこんなで1人呆れていれば当の本人が楽器を持ってやってくる
荒木田千尋
燗酒宵
燗酒宵
荒木田千尋
荒木田千尋
橘真央
中村優亞
数名から湧き上がる疑問の声
そんな声も無視して彼は大きいホワイトボードを持ってきた
燗酒宵
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
そう言って彼はホワイトボードの一歩後ろに歩いて行きこちらを振り向いた
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
そう言ったぶるーくの目は今までに見たことないほど希望に満ちていた
楽器を構えたぶるーくはホワイトボードの後ろ側の方に視線をやってから息を吸い込んだ
燗酒宵
中村優亞
橘真央
覚尾奈緒
音が鳴った瞬間
みんなが息を呑んだ
甘い音の川の上に爽やかな美しい音が流れている
樹佑はすごいと聞いていたが....
ここまで相性がいいことがあるのか.....
流れるような演奏にみんなが耳を向けて聴き入っている
ホワイトボードに隠れた樹佑も前を向いて演奏するぶるーくも
きっと楽しくて仕方がないんだろう
それは最高のデュオだった
一瞬だった
流れるように終わった演奏はホワイトボードのあちら側のみんなの拍手によって締められた
時也樹佑
荒木田千尋
荒木田千尋
そう言われて自分が泣いていることに気づいたが
ホワイトボードで隠れてるのをいいことにそのままにする
時也樹佑
橘真央
橘真央
荒木田千尋
荒木田千尋
ホワイトボードのあちら側と俺の隣で交わされる会話
燗酒宵
燗酒宵
荒木田千尋
荒木田千尋
そう言いながらこちらを向いた先輩はホワイトボードの後ろ側に入ってくる
荒木田千尋
俺の名前を呼びながら自身のパーカーで俺の頬に伝っている涙を拭う先輩
荒木田千尋
荒木田千尋
俺はすぐに先輩に抱きついて先輩の背中に腕を回す
荒木田千尋
頭上から先輩の声が聞こえて
先輩の腕が俺の体を包む
時也樹佑
怖い存在だった先輩は暖かくて
甘くて
俺を包んで
好いてくれる
荒木田千尋
荒木田千尋
時也樹佑
荒木田千尋
時也樹佑
荒木田千尋
荒木田千尋
にっこにこの笑顔で俺を強く抱きしめる先輩の目は俺と同じ蒼色
ホワイトボードのあちら側からは暖かい拍手が聞こえてくる
燗酒宵
荒木田千尋
荒木田千尋
覚尾奈緒
覚尾奈緒
時也樹佑
橘真央
橘真央
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
燗酒宵
荒木田千尋
荒木田千尋
燗酒宵
荒木田千尋
中村優亞
時也樹佑
中村優亞
荒木田千尋
時也樹佑
燗酒宵
覚尾奈緒
荒木田千尋
時也樹佑
荒木田千尋
荒木田千尋
荒木田千尋
時也樹佑
中村優亞
覚尾奈緒
時也樹佑
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
計905タップお疲れ様です!!
コメント
11件
吹奏楽部なんですけど、楽器クラリネットで本当に良かったと思えました😭 最推しペアと共通点があるってこんな嬉しいんですね!?(?
全部読ませてもらいました、! ほんと最高すぎて、もうなに言えばいいのか、ってなってますw これからも頑張ってください! あ500人目のフォロワー頂きました、(
ミッぼんさん!こんにちは!最近ミッぼんさんの事を知ったのですが…本当に物語の一つ一つに胸を打たれます!初めましてすぎるんですがこれからも頑張ってくださいッ!!✨️