テラーノベル
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部屋の空気が、動かない。
兄の「好きだ」が、まだ耳に残ってる。 近いのに、触れない距離。
私は、一歩踏み出したまま止まっていた。
お兄ちゃんのことがずっと好きだった。 だから告白も嬉しい。 だけど⸺
急に怖くなった。 付き合いたかったはずなのに、
"妹"として守ってくれてた今の距離がなくなる気がして 自分がどうしたいのか急にわからなくなった。
のあ
最初に出たのは、そんな言葉だった。
兄が、少しだけ目を見開く。
のあ
声が震えそうで、必死にこらえる。
のあ
言葉を探して、視線が落ちる。
のあ
沈黙。
逃げたと思われるのが怖くて、続ける。
のあ
胸に手を当てる。
のあ
兄は、しばらく何も言わなかった。
のあ
そう思った瞬間。
ゆあん
低く、落ち着いた声。
顔を上げると、兄は少しだけ笑っていた。 苦しいのに、優しい顔。
ゆあん
一歩、距離を取る。 でも、目は逸らさない。
ゆあん
心臓が、どくんと鳴る。
ゆあん
一拍。
ゆあん
その言葉が、胸にしみた。
ゆあん
近づいて、私の前に立つ。
ゆあん
低い声。
ゆあん
ゆあん
一瞬、手が伸びて⸺止まる。
ゆあん
苦しそうに笑う。
ゆあん
視線が、まっすぐ私を見る。
ゆあん
胸が、ぎゅっとなる。
のあ
小さく頷くと、兄は安心したみたいに息を吐いた。
ゆあん
そう言って、ドアを開ける。
出ていく前に、振り返って。
ゆあん
ゆあん
一瞬、ためらって。
ゆあん
ドアが閉まる。
私は、その場に立ち尽くしたまま、 胸の奥に残った温度を抱きしめた。
⸺答えは、まだ。 でも、心はもう、戻れないところにいた。
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