テラーノベル
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いつの間にか月は真上へ登っていた。
赤道の近くだけで見られる、三日月を逆さにしたみたいな月。
サテ___インドネシア、マレー語での串焼き__を焼く煙だったり、
店先に吊るされた売れたバナナの匂いだったりが、 一つの空気を作り出していた。
観光客らしき人々が、あるいは現地の人々が ごちゃごちゃに入り混じっている。
熱帯の、むせ返るような夜の空気。
ふと、少女はひとつの屋台の前で足を止めると、店主に何やら話しかけた。
バリ
薄いガラス一枚で隔てられた先を指差す。
彼女は猫のようで割と人外ではあるのだが、店主は特に気にすることもなく 頷いて、厨房(?)に置いてあったトングを取り出した。
と、いうのも、彼女はこの島ではわりかし馴染み深い「化身」だからである。
バリ州。30あるインドネシアの自治州のひとつ。
その化身だ。
普段は兄であるインドネシアの元でここ、デンパサールを含む 9県の自治を行っている。
しばし店のものをごそごそした後、店主はその場で焼いた串焼きを 彼女に手渡した。
バリ
インドネシア語とはまた違う、バリ固有の言語で感謝を述べる。
よほど急いでいるのか、なかば投げるように代金を手渡すと、 バリは串焼きの入った紙袋を抱えて爆速で走り去っていった。
深夜徘徊のお供にしてはだいぶ渋いチョイスだが、 現地では割と人気メニューなのである。
バリ
普段はのんびりという言葉が似合う性格の彼女だが、 今回ばかりは急ぎすぎていた。
バリ
ちょっと(まあまあ高い)の損失に若干がっかりしつつ、足は止めない。
風貌こそ少女であれど、国の化身。
少なくとも100年以上は生きてきたはずだが、 いまだに夜は落ち着いて歩くことができないようだ。
機嫌がいいのか小刻みになにか口ずさんでいる。
ネオンは刺々しい光を放つけれど、人を追い払うみたいに瞬きはしなかった。
誰もを包み込んでしまう熱帯の夜が、ゆっくりと色濃さを増した。
主ぽっぽ
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コメント
2件
続きが楽しみです!!まじでまてない、、