Liaが来てから数日経った頃、事件は起きた。
「キャーーッ!!スイカが、崖にーーーっ!!」
その悲鳴が拠点に響いたとき、 Liaは何も言わず、即座に走り出していた。
「足、滑らせたみたいで、木の根に捕まってるけど……!!」
スイカは崖下の斜面にしがみついていた。 今にも手が滑りそうな状態。
Liaはロープをつかみ、周囲に指示を飛ばす。
Lia・Houston
Lia・Houston
クロム
すべてが正確で、迷いがなかった。 ロープを結び、自分の腰に巻きつけ、Liaは崖下へ降りていく。
Lia・Houston
スイカの手をつかんだその瞬間——
Liaの目に、一瞬だけ優しい光が宿った。
スイカを引き上げ、無事に地面に戻ったあとも、リアは何も言わなかった。 ただスイカの無事を確認し、ふっと肩の力を抜く。
スイカ
スイカが涙ぐんで抱きつくと、 Liaはほんの一瞬だけ戸惑い、それから小さく頷いた。
Lia・Houston
その夜
焚き火を囲む皆の中で、Liaは少し離れた場所にいた。 だがそこに、クロムが火のついたコーヒー豆入りの湯を渡してくる。
クロム
リアは湯気の立ちのぼるカップを見つめる。
Lia・Houston
クロム
Liaは少しだけ目を伏せ、 口元に静かな微笑を浮かべた——ほんの一瞬、誰にも見えないほど小さな微笑。
リア・ヒューストン。 かつての兵士は、仲間と共に未来を作りはじめていた。
ある日
Lia・Houston
千空
リアが振り向く。
Lia・Houston
千空
千空がテーブルの上にそっと置いたのは、 木と鉄と火薬で作り上げた、まさに「原始の銃」。
Lia・Houston
Lia・Houston
装飾も何もない、ただの“道具”。 けれどそこには、確かにLiaがかつて手にした“力”が宿っていた。
リアはそれを無言で手に取り、重さを確かめるようにゆっくりと構えた。
——ずっと、忘れたふりをしていた。
けれど、この重み、この形、この“静けさの中の破壊力”は、身体が全部覚えている。
千空
千空の説明にリアは頷く。
Lia・Houston
標的となる木の板が30メートル先に設置される。
Lia・Houston
Liaは完全に“戦闘モード”に入っていた。
それを見守る面々は、息を呑む。
Lia・Houston
リアの指が、引き金にかかる。
Lia・Houston
——パンッ!!!
乾いた爆音が野に響く。
標的の中心に、見事に穴が空いていた。
クロム
ゲン
コハク
驚きと称賛の声が飛び交う中、リアは銃を静かに下ろし、 そのままそっと膝をついた。
Lia・Houston
千空が気づいた。
リアの目が、少し潤んでいた。
Lia・Houston
微かに聞こえたその声はしっかりとみんなの元に届いていた。
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