終末の理想郷(ユートピア)

あれからバイクで走ること数十分、 少し古びた工房のような場所で バイクは停止した。

その人はヘルメットを脱ぐと 颯爽とその建物に入って行った。

そんなことを思っていると 早く入れとその人に促された。

そして私は遅れまいと 後に続いて建物に入った。

中は薄暗くまるで夜のような 雰囲気を醸し出していた。

私は時の流れに任せるように 座り緑茶を頼んだ。

少しぶっきらぼうな振る舞いだが 私はありがたくお茶を頂いた。

するとその人は私と対面側の 席に着き、私をジッと見つめた。

そこから数十秒の沈黙を経て その人は口を開いた。

するとその人は一拍開けて 私に言葉を投げた。

一瞬何を言われたのか 分からなかった。

しかし私は脳をフル回転させて その意味を改めて理解する。

私は力いっぱいに机を叩き その人に詰め寄るように言った。

その人と私の視線の先には パンパンに膨れた リュックがあった。

私は渡されたヘルメットを被り 青く光るバイクに跨った

するとバイクは凄まじい速度で 発進し、私は飛ばされないように 必死にしがみつくのだった。