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本名: 蓮見(ハスミ)・レン 年齢: 26歳 外見: 常に寝不足気味の隈がある。サイズの大きなグレーのフーディーを深く被り、首元には旧式のインターフェース(外部接続端子)が露出している。 背景: 元は政府直轄の「記憶監査局」の若きエリート解析官。しかし、ある大規模な「記憶洗浄事件」で、自分自身の幼少期の記憶が意図的に改ざん・削除されていることに気づき、組織を脱走。 現在は、地下潜伏しながら「消された自分の真実」に繋がる断片を探すため、あえて価値のないジャンク記憶を漁る「掃除屋」に身を落としている。 性格: 徹底したリアリストを気取っているが、古い紙の本やアナログな匂いなど、「データ化できないもの」に異常な執着を見せる。
SF・近未来 記憶の味読
空を覆う巨大な広告ホログラムが、雨に濡れたアスファルトを七色に染めていた。 二十二世紀の東京。もはや人間は、自分の脳を信じていない。大切な思い出も、試験のための知識も、初恋の痛みでさえも、すべては首の後ろのインターフェースから「外部メモリ」へ抽出され、整理される。
蓮見レン
秋葉原の片隅にある、看板もないジャンクショップ。店主のレンは、指先ほどのサイズの記憶チップを端末に差し込み、溜息をついた。 画面に映し出されたのは、どこかの主婦が夕飯の献立に悩んでいるだけの、ひどく平坦で、価値のない五分間だ。 レンの仕事は「記憶の掃除屋」。 市場に出回らない、あるいは買い手がつかずに捨てられた「ゴミ記憶」を回収し、使えるデータだけを抽出してリサイクル業者に流す。 人々はスリル満点な冒険や、天才数学者の思考プロセス、あるいはトップアイドルの幸福な瞬間を買い求める。レンが扱うような「名もなき誰かの、何でもない日常」なんて、誰も欲しがらない。 だが、レンはこの退屈な、いわば「生活の出がらし」のような記憶を眺めるのが嫌いではなかった。
蓮見レン
山積みのチップの中から、一つだけ真っ白な個体を見つけた。通常、記憶チップには所有者のIDやジャンルを示すシリアルコードが刻印されているが、それには何もない。文字通り「シロ」だ。 レンは期待半分、諦め半分でそれを読み取り機にスロットインした。 視界が暗転し、ダイブが始まる。 感覚が同期され、レンの鼻腔を突いたのは——**「雨上がりの土の匂い」**だった。 視界が開ける。そこは、ネオンもホログラムもない、見たこともないほど古い庭園だった。 目の前には一人の少女が立っている。彼女はレン(の視点を介している記憶の主)を見つめ、困ったように笑った。 『ねえ、約束だよ。いつか私が全部忘れても、この「白」だけは売らないで』 その瞬間、レンの心臓が不自然なほど激しく跳ねた。 これはエラーだ。記録されているはずのデータ量が、ゼロなのだ。 データがないのに、なぜ自分は今、こんなにも胸を締め付けられるような「感情」を読み取っているのか。 レンは慌てて接続を切ろうとしたが、指が動かない。 真っ白なはずのチップから、濁流のような「無音の叫び」が流れ込んできた——。
『記憶の味読』:謎解き編へ続く