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狐の隠れ家

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狐の隠れ家

第5話 - 第5話狐の神様と幼い少年 ③

794

2025年03月11日

#iris

#不規則的な賽子

#虐待

#暴力表現あり

#水

兎雪。@投稿したよ

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794

兎雪。@投稿したよ

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@ 赤髪の少年

か、…みさ…ま？

赤髪の少年は震える声で水に問いかける

@ 水

怪我は無い？

@ 赤髪の少年

…うん、怪我…はない

消えかけそうな声で僅かに声を出す赤髪の少年

@ 赤髪の少年

ね、ねぇ…

@ 赤髪の少年

俺…のお願い事、…

@ 赤髪の少年

聞いてくれた…？

ハイライトが消えかかった目で上目遣いをしながら聞いてくる

その瞳はとても虚しく、絶望の目をしていた

@ 水

…うん、弟君でしょ？

@ 赤髪の少年

そう、っ…

@ 水

…お名前は？

@ 赤

…赤、賽野(さいの) 赤

@ 水

赤くんね…

@ 水

よし、少し待ってて

水は、目を瞑り自身の力を手の中に集める

手の中で彼の兄弟を守るようにお呪いをかける

(お呪い＝おまじない) (呪いではないで！！！) by作者

@ 水

我の力に覚めた者よ

@ 水

万物を宿し、我の元へ

水の手の周りに、神が持つ力、神力が集まる

神力の揺らぎが落ち着いた時、水の手の中には、小さい鈴があった

@ 水

…これはね、赤くんと、

@ 水

赤くんの兄弟を守ってくれるようにお呪いをかけた鈴だよ

@ 赤

…いいの？

@ 水

もちろん、その代わり

@ 水

毎日ここに来る事、

@ 水

次に僕の存在を誰にも言わないこと

@ 赤

うん、！言わない…！

@ 水

それでも何かあったらその鈴を鳴らして？

@ 水

僕が絶対駆けつけるから

@ 赤

…ありがとう！

少しの希望を瞳に宿し、彼の瞳は潤って行った

@ 水

大丈夫。僕は味方だよ

@ 水

…そろそろ帰りな、
日が暮れちゃう

@ 赤

うん、またね、神様

@ 水

うん、またね。

赤の背中を見送り、胸を下ろす

鈴を手渡す時に気づいたありえない程の腕の細さ

栄養が行き渡っていない

成長期の小学生が、給食で命を繋いでいるという事を思うと心が痛い

彼が持っていった鈴には 3つのお呪いがかかっている

『彼らを傷つけるものを遠ざけよ』

両親以外もいじめっ子や不審者など兄弟にとって悪い影響を与える人を遠ざけるお呪い

『何かあれば、彼らの身を守れ』

1個目の呪いが効かなかった時、鈴は彼らの守護神として働き、兄弟達に指1本触れさせないお呪い

『もしもの場合は彼らの身を隠せ』

それでも効かなかった場合鈴は兄弟達を周りから1mm足りとも見させない、触れさせないお呪い

出来れば1つ目のお呪いを強力にしたいが、鈴の大きさでは神力が収まらない

神力が漏れて逆に怪我をするリスクが高まってしまう

…どうか彼達が守られますように

そう、思いを馳せながら水は縁側から立ち上がった